泊まりで南アルプス深南部を予定していたが、どうにも天気がいまいちだ。
ある程度しっかり歩けて、収穫の多そうな場所を選ぼうとするが、決まらない。
結局、リサーチ不足。
山梨県内で残していた楽しみでもあった、奥秩父前衛を主とした徳和起点で周回することにした。
徳和神社のすぐ上の駐車余地に車を停めて出発。
私以外、誰もいませんね。
前回は極寒の乾徳山だったが、今回は息も殆ど白くならないほど気温が高い。
今日は長丁場。割と軽快に行く。
水場もじゃんじゃん流れている。
いつもぬかるむ場所は凍結していたが。
国師ヶ原から見る乾徳山は南面なのもあるが、全く雪が見えない。
途中、やっぱり岩が気になり、小休止しながらラインを観察。
右抜けは悪いなぁ。左手寄せできるかなーなどと観察。
サクサク進む。
扇平はまるで晩秋のような光景。
以前も踏んだと思うが、すぐ近くの小屋沢ノ頭も踏む。
穏やかで気持ちがいい。
手洗岩って、過去に見たか・・・?
溜まった水も完全凍結にはなっていない。
樹林帯に入ると、凍結が増えるが雪は少ない。
この名物の鎖場は鳳岩というのですか。
新鮮味も流石に無くなり、ストックもそのままに登っていく。
さて、まずは今回は前座、通過点の乾徳山に立つ。
景色は素晴らしい上、独占だ。そして、来る度に、この山の素晴らしさを感じる。
下部はウォーミングアップ、中間部の牧歌的な様子、上部の岩場の厳しさ。
私には特別な思い入れがあるだけに別格。
しかし、下山を予定している稜線が見えるのだが、長そうでちょっぴり不安であり、また楽しみでもある。
さて、向かう先はやはり雪が少なそうだ。
というよりも、殆ど見えない。
だが、樹林帯にはしっかり詰まっているだろうことが、先ほどの様子からうかがえる。
休憩そこそこに先へ進む。
早速、梯子の下りはしっかり凍結で注意を要する。
下山路から先は初めての道で、ワクワクする。
ただの小ピークと思いきや、乾徳山北峰とあった。
展望も無いので、漫然と歩いていると見落としそうだ。
途中から、この番号標識が見られるようになる。
間隔が短く、目視できる範囲に感じる。
笠盛山。これもお目当ての内の一つ。
古い標識もそのままに。
向かう先の様子。この時期の景色とは信じ難い雪の少なさよ。
ふと、嬉しいものを見つける。
西沢渓谷から黒金山へ向かう途中に見たのと同じタイプの標識。
年季が入っていい味が出ている。
乾徳山北峰辺りから出現した、この目印、木に食べられているものが幾つかあった。
上の方が古いように感じた。
黒金山までに2カ所ほど展望地があった。
乾徳山が鋭く格好いい。
分岐には幾つか標識があったが、これは申し訳なさそうに存在する。
さて、黒金山に向かいます。5分も進めば到着。
3度目の黒金山。
展望を観察。
どうしても未踏の場所に目が行く。
今年は、塩山、そして、石塔尾根から鷹見岩と西滑頭を・・・。
休憩は殆どせずに、分岐へ戻る。
立派な標識ですね。
どうやら先行者も大ダオへと進んだらしく、踏跡が続いていた。
樹林を下っていく所は黒木で素敵な雰囲気だった。
これも中々味のある標識。存在感あり。
大ダオ途中に笹原。気持ちがいい。
富士山が見えるとホッとするのは私だけか。
視認性には欠けるが、これも味のある標識。
そして、大ダワ。
笹原の中に標識が中央に埋まっているように見えた。
標識の傍らに座って休憩!思わずゆっくりしたくなる場所だ。
食事を取りながら景色を楽しむ。
なるほど、ここに突き上げてくるのであれば、振り返るとこんな景色を見られる楽しさが想像できる。
先行者はどうやらここを下ったらしく、この先は踏跡が無くなる。
この様子では、あったところで、恩恵は極々僅かだろうが。
道が直角に近いように折れる場所がある。そこがトサカ。
手前にロープが張ってあるが、先を偵察する。
トサカには標識はおろかテープの類も無し。上の写真がそれ。
ゆるゆると稜線を進んでいくと、立ち枯れ地帯へ。
奥秩父には、このような立ち枯れが点在しているようだ。
雪と笹の中に倒木が潜んでおり、ぼーっと歩いているとやられてしまう。
その先、ぐっと雪が多くなる。
せいぜい膝程度なのだが、少々堪える。
この時期と標高にしては、寡雪というべきだろう。
そして、ゴトメキ。
文字の判読が難しくなってきている標識。
この遭難碑。こちらも判読が困難。それと、遠見山への標識。
ゴトメキって地図で見るとインパクトがあるのだけれど、行ってみると地味ですね。
でも嫌いじゃない。そんな所が奥秩父の外れらしくて好き。
遠見山へは、テープがあって、それを辿ってみる。
雪がやはり多め。
すぐ先のピークに乗り上げる。
そこには、牧丘町の標識。この地味な場所によくぞ・・・。
踏み抜きながら、その後も進む。
雪原。シカは活発に動き回っているようだ。糞もそこら中にある。
この辺りで目印を見失う。適当に進むことにする。
その先のピークは巻いて、遠見山手前のコルに上がった。
少し藪っぽい山頂、遠見山。達筆標識ですね。
三角点があるはずだが、雪に埋没しているのか見つけられない。
雪を掘ると、40~60cmといった積雪量。
その先は倒木が若干。
振り返って一枚。あれが遠見山らしい。
雪がだいぶ少なくなって歩きやすくなる。日向は殆ど無い。
下遠見と思しき場所は素敵な笹原。一部ヌタ場にもなっている。
振り返ると空が青い。コントラストがまた良い。
南アルプスもばっちりだ。
岩の上に上がって写真を撮る。
何の標識で何が書いてあったのでしょうか。
それにしても、このルートは素晴らしい景色と笹原。
木の先には歩いてきた稜線が見えている。だいぶ歩きましたね。
それでもまだ30%程度を残しているはず。
林道が眼下に見えてくる場所での一枚。
なるほど、まだまだ歩き甲斐がある。向かう稜線がまだまだ。
バイクで走りたい林道だなぁ。遠くには乾徳山の荒々しい岩場が。
林道に降りる直前に標識があった。どこから降りるのか探すのが面倒で飛び降りた。
降りてからそうなっていましたか・・・、という光景。
上からだと、踏跡も分かりにくいですよ?
林道挟んですかさず、標識に導かれて登る。
すぐの1940mピークで休憩。
林業用の廃材があった。
足がだるーくなってきた。雪にちょっとやられてしまったかな。
気を取り直して、先へ。
二度目の大烏山。初回はもう10年くらい前か。
その時は御料局三角点なんて興味なかったけれど、今回は!
達筆標識も見つけて満足。
この先、一度は歩いているので、しばらくは気を抜いて歩ける。
まぁ、今までも気合を入れてという訳でもないですけれど。
どうやら山頂はここの痩せ尾根の岩場ぽいところのよう。大烏沢ノ頭?
その先のコルは松霞乗越かな。
おや、標識がありますね。下山路は目印豊富な様子に、ここからだと見えた。
登らなくてもいいけれど、巻いてしまうのも癪なので。
馬止根場も踏んでおく。
植生が代わり映えしないので、少々飽きる。
ここが西御殿の模様。
黙々と進む。
東御殿。赤く塗られた三角点。木の先には乾徳山。
石積みした人工的なものが少し先にあるが何でしょう。祭られている?
その少し先は初めてだが、尾根は外しようがないくらい明瞭だ。
大久保山。標識の一つでもあるかと思ったが・・・。こんな様子。
何と、大久保山も御料局三角点だった。
大久保峠へは尾根が少しばらけるが、踏跡もあって楽々。
どこかと思って進んでいたら、足元に転がっている標識を発見。
西への下山は道が比較的しっかりしているようだが、東(徳和)へは心許ない薄い踏跡が手前にあった。果たして本当にそれが道と呼べるものか不明だ。
時間も結構押しているので、最後の五町山をどうするか。
地図を見ると、直下まで林道が延びているようだから、何かあって暗くなっても、それを歩くのみならば全く問題ないと踏んで偵察。
少し尾根を下れば降りられそうなことが分かり、五町山往復を決める。
手前の登りは巻いて省エネ。
少し登れば、そこが五町山。杣口山とか大明神山とか別名があるようだ。
三角点の存在感は大きい。ここも山頂標識無し。地味な山だ。
さて、あとは戻って林道経由でスタート地点に戻るのみ。
尾根末端が少し不安だったが、スロープ、階段になっており、楽々林道に降り立つことができた。
これが絶壁の法面だとちょっと・・・。
林道は一部大岩があったり、陥没はあったが、軽トラ程度なら問題なく走れそうだ。
960m採石場?の辺りが見えている場所。
コンクリートの道になると辛い。ゲートを開けて、車道を歩く。
徳和も空き家が多いようで倒壊寸前の廃屋も見られた。
交通の便はそこまで悪い場所ではないと思うのだが。わざわざここを選びはしないでしょうか。
林道に降りてから1時間程度で駐車場所に戻れた。
今回は少し巻き気味でのペース配分で、出発は遅かったが、予定通りに周回はできた。
距離や標高差はそこそこあり、雪の影響もゼロではなく、意外とハードであった。
そして、未踏ピークもかなり回収できて良かった。
- コースタイム
駐車地点(6:10発) → 銀晶水(6:45) → 錦晶水(7:20) → 国師ヶ原(7:25) → 小屋沢ノ頭(7:50) → 乾徳山(8:30) → 乾徳山北峰(8:55) → 笠盛山(9:20) → 黒金山(9:55) → 大ダオ(10:25-10:40) → トサカ(10:50) → ゴトメキ(11:45) → 遠見山(12:25) → 林道(13:25) → 大烏山(13:50) → 大烏沢ノ頭(14:05) → 下山路分岐(14:15) → 馬止根場(14:25) → 東御殿(15:20) → 大久保山(15:45) →大久保峠(16:10) → 五町山(16:35) → 林道(16:55) → 作業小屋(17:15) → 駐車地点(17:40着)