遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

アカナ沢 女峰山

日光にある異形の崩壊沢、アカナ沢へ。

大西さんの『渓谷登攀』にも収載されており、危険な香りが漂う沢。

今回、3人で出発!

冬は氷瀑観光でも有名な雲竜渓谷。

林道歩きやショートカットを交えて巨大堰堤を越えていく。

遠くの稜線の壁が印象的。あんな壁に近いのかもしれないな。

工事拠点から沢へと降りる。スリットの堰堤を抜ける。

これも堰堤らしいが、滝らしく見える。左岸に乗り、明瞭な道を辿って巻いた。

巨大堰堤、再度。これは右岸から巻き。

巻いて林道の終点らしき場所へ。注意書きがあり、ここからが本番のよう。何と階段で整備されていた。一体いつの時代に・・・?

ぼちぼち歩いていくと、眼前に雲竜瀑。

いやはや凄い落差だ。これを下降した記録があるというから、驚愕するしかない。

胎内滝。落差は3~4m。右の隙間を、W氏がロープを付けてサクッと上がる。自分もと上がったものの、沢靴の中で足が遊んで一度仕切り直して上がった。荷物が重いのがどうやら原因らしく、何だか大変さを感じた・・・。

小滝。3mもないくらいか。楽々。

左から七滝沢の黒岩滝が落ちる。端正。この沢も滝見だけでも行きたいところだ。

既に側壁が高くなってきた!

沢床はすっきりしていた。

柱状節理みたいな側壁。見事。

程なく、大鹿滝へ。過去には下段が15mほどあったらしいが、今は3段になっていた。

適当に左から上がって最下段を巻く。

この中段は右壁を簡単に登れた。

さあ、上段と対峙。小休止がてら観察、鑑賞。

うーん、中々美しい・・・。

角度によっては、階段に見えなくもない。特に下部は問題なさそう。僭越ながら、リードを任せていただき、少々緊張しながらも左壁から突破。小さめのカム3つを中間支点に取ったが、墜落には耐えられないだろうな・・・。落ち口が右足ハイステップ乗り込みで、そこがハイライト。安定した岩を吟味すれば、そんなに難しくは無い。

右岸の岩にリングボルトがあるのを発見して、強度を確認してそれも利用して支点構築することができた。

すかさず、お次の滝。右も登れそうだが、やや離れた左からが楽。

上には青空が覗く。

大鹿滝を見下ろす。この滝も大鹿滝に含めると4段構成か。

その後、5mくらいの滝を容易に越える。

見上げる壁の高さよ・・・。

『渓谷登攀』にある凄い支流のゴルジュ。いやー、凄いね。

その上流の大滝も凄い・・・。

ゴルジュだが、穏やかな河原歩きに近いが、大鹿落としが近づいてくる。

その前に、右岸から鉄鉱泉滝が落ちてくる。これも凄い高さだ・・・。

上の様子。滝見としても今回は大満足できる。

右にやや屈曲してゴルジュを行く。

何という高さ。そして、採掘場みたいな壁・・・。

本沢滝が左に落ちているのを遠望。

近付いて観察するが、まぁ無理。右から死ぬ気で危険を冒せば、あるいは・・・。

定石通りに大鹿落としへ。ガスか湧き、不安を煽るが、歩きで穏やか。

ちょっとした小滝があるが、階段みたいなもの。

足に割とくるね・・・。青空との境界が危険なのは明らか。

最後は、左トラバースから3mほど直上で稜線に上がったが、これが悪い。W氏が先頭で突破してくれて有難かった。最後を歩いていた私は、1m後ろを巨大スイカ程度の大きさの岩が幾つも落ちてきたのに恐れおののいた。あと通過が10秒ほど遅かったら、巻き込まれて救助要請するような事態になったかも。

ロープを垂らしてもらい、安心して上がると、そこには花が幾つも咲いていた。ほっとしたー!!

小休止して、尾根を下降。

気持ちの良い植生!面白い植物はいないかと見たが、都合よくは見つからなかった。

支流の沢への下降は、やや急だが、W氏のルーファイもあって問題なかった。

沢に降り立ち、その支流に6m程度ありそうな滝を見て二俣出合へ下降。

花はこのくらい。他はお馴染みのダイモンジソウとトリカブトが少し程度。

右から下ってきて、左が本流。

折角なので、本沢滝の落ち口を見てきた。ビビるー!それに何だよ、あの正面の壁は。

落ち口正面にも支流の沢が突き上げていて、少ないながら水が流れていた。

さて、もう困難な箇所はないはずの本流を行く。

途中、8m滝。M氏ロープを付けて楽々と突破なされた。階段に近いが濡れるし、パーティならロープ使用がいいかな。

滑で癒し区間がある。鉱物を含んでいるようで、岩が茶色い。

どこかで冷たい湧水があって、絶対美味しいでしょと思って口に含んだが、金属臭が口いっぱいに広がった。勢いよく飲んじゃったけど・・・。

ガスってきたが、まぁ問題ないでしょう。

滑を楽しんでいくと・・・。

そろそろ水枯れかな。この灰色の場所、粘土チックでとても滑る!

右は砂・砂利。

2318m高点を目指して沢型を詰め上がった。

登山道に合流!女峰山方面はガス。

沢装備を解除して、水を吸って重いロープや沢靴は憂鬱だが、ハイカースタイルになってスッキリ♪

流石にリンドウの開花には早かったが、秋を感じることができた。

ガスガス・・・。

沢から出てからも200mは高度を上げてきたので、少々疲れて女峰山へ。

トンボがたくさん飛び回っている。景色は残念!!

小休止して長い下山にかかる。何となく下山には3時間くらい見ていたが、よくよく確認すると4時間くらいと思われ、ヘッデン下山が濃厚そうな・・・。

ぼちぼち下りますかねと・・・。

崩壊したのか、下山路は中々ワイルド。枯れ沢のような場所を2回トラバース気味に下りていく。

樹林はいいんだけどね。目印は特長ある。

涸沢小屋。避難小屋らしいが、中は快適そう!!お一人いらした。

分岐を間違えないように進んでいく。

女峰山を仰ぎ見る。崩壊が進行したのかな? 前女峰のピークハントは今回見送り、最短で下山。

信仰の山を感じられる。この後も幾つかそんなのがある。

ガスガス・・・。笹は優しくそんなにここでは鬱陶しくは感じなかったが・・・。

植物の方は、樹林でのイワカガミの秋咲きとイワインチン。

黒岩の平地で休憩。

岩の上に、ウメバチソウを幾つも見る。序盤の林道でも見ているけど・・・。花に元気をもらいたいのよ・・・。

黒岩は割愛して、下山を続ける。

この八風の標柱を見てから、笹薮が本領発揮してくれて面倒。

ほぼ、ずーっとこの景色。シカが騒いでいるので、ヒルも足元にいるかもしれない・・・。たまに背丈近くになり、鬱陶しい。飛ばして下りたいが、足元が見えず、段差や倒木がたまに出てきてストレス。踏跡は下に問題ない濃さであり、外すことはないのだけれど。

分岐あり。寂光滝方面へ降りる道もあるらしいが、そちらも笹薮でしょうな。こんな道歩くのはちょっとね・・・。定期的にヒルが靴にいないか見るが、平穏か・・・?

少し笹が薄くなるような感じもして、草原地帯へ。といっても笹があるけど。

街が見えている。まだそこそこあるが、着実に下りている。山の同定する時間もなく進むのみ。ここに水場分岐があったが、利用価値は少なそうだ。

その後、雨で洗堀されたような道も交えて分岐。そこで限界となり、ヘッデンを装着。

W氏に先行してもらい、2人で先に車を取りに行く。下はやっと植林で笹が消えて、大きな石碑を見て神社の裏に出た。

ここで足がムズムズするのが気になって靴を脱いでみると、ヒルがたくさん!悲鳴を上げて靴下に刺さる10匹以上を剥がす。既にしっかり吸血されており、靴下が両足ともに血で染まっていた・・・。先頭をほぼ歩いていたし、付かれるのをチェックしていたにも関わらず、こんな状況になってしまった。前日、降雨あったしね。

車道に出て、ザックを転がしてヒルチェックを再度すると、まだ5匹も付いていて、残らず石ですり潰して退治。やれやれ・・・。ここから30分ほど車道歩きで起点へと戻って終了!14時間行動、内容ともに充実の山行となった。大満足♪

温泉は数分遅れで間に合わず、飲食店も閉店しており、ファミレスへ。ここでもヒル騒ぎがあってやられていて、足が血だらけ。何だかなー。ここで解散。

温泉は遠いので、一刻も早く帰宅して汚れ物を処理して体も綺麗になりたい一心。ノンストップで帰宅したが、1時近くの到着だった。

アカナ沢は、大西さんが遡行された頃と比べるとだいぶ埋まってしまい容易になっている。大鹿落としのライン取りだけは注意!

あー、また前女峰と黒岩のピークハントに行かねば・・・。