遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

滑河内遡行 白根南嶺(別当代山 西別当代山 白剥山 笹山)1日目

もう何年も前から、早川支流の滑河内には行きたいと思っていた。

不動滝を見られるだけでもいいかと思っていたが、年を追うごとに、どうせならば、別当代山も踏んで絡めて楽しみたいとの思いを強くした。

今までの自分では、経験不足であり、今回ようやく実行に至る。

土木作業となった家業での疲れもあるが、珠の連休を利用して向かう。

ボルダリングの際に、何度か滑河内の場所は見ていた。

県道沿い、少し下流の余地に駐車して出発する。

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不動橋とある。不動滝の名をとっているのだろうか。想像が膨らむ。

釣り師も入る沢のようで、ピンクテープが橋から見えていた。

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橋から北上100mもかからず、林道を歩く。

取水設備があるので、途中までは作業路を利用できる。

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まずは、立派な吊橋。とても整備良好。

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作業路を辿る。整備良好。

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右岸から左岸に吊橋が架かる。それは無視して、沢沿いを歩いていく。

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上には導水管でしょうか。見上げて進む。

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間も無く、取水堰堤らしい。ここで堰止めているようだ。

左から越える。

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下流を見ている。吊橋も架かり、まだ上流にも行けるのか?

さて、ここからが入渓となる。

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暗めの沢。さぞや、ゴルジュは威圧感があるのだろうと推測する。

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まずは、6m程度の滝。直登は無理なので、左岸を巻く。簡単。

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まぁ、登れませんね。今日は、余り濡れる感じでは臨んではいない・・・。

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滝がいい感じ。これは、右からの支流の滝。この辺は危険感じない。

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写真を撮りながら、まったり遡行。

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カツラが幾つかあって、芳香はまだ序の口のようだ。

この香りは、秋の沢登りの楽しみに更に華を添えてくれるものだ。

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滑りは余りないので、比較的気を抜いて歩ける。

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さて、大き目のが来た。二段で10mくらいはありそうだ。水流沿いは、とても厳しそうなので、右岸をそのまま巻き気味に進んでいく。

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上から見ると、非常に厳しそうに見えた。

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4mほどの小滝の上に、支流が落ちている。

ここは、右壁を登るが、腰上までどっぷり浸かる。

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そして、お楽しみ、ゴルジュの入口のようだ。

泳ぎは勘弁だが、楽しみたいと思う。

右からトラバースして先へ・・・。

ゴルジュ内は二段構成になっていた。

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これは下の滝。この上にも、もっと高い滝がある。

右壁を空身で登って観察するが、巻きはこれまた悪そう・・・。

落ち口余り良く無くて、クライムダウンはとてもビビった。

カメラは水没させるわけにはいかないので、持っていかなかったが、上の滝が写真に収められなかったのが惜しく感じた。

さて、ゴルジュ入口まで戻り、古いロープが下がっている所から巻き。

20m程度登ってからのトラバースは前日の雨で、グズグズで、かなり注意を要した。

ハンマー等ある方が安心な状態だった・・・。

釣り師用か、滝見の人がフィックスしたのか、部分的に古いロープはあるが、信用ならず、精神的に良くない。

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無事に滝上へ。中々、刺激的な巻きでした。

上から落ち口を見下ろすが、これは厳しいかな・・・?

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再度、小滝の写真を撮りながら楽しく進む。

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これも小滝。

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6m程度か。虹が架かり綺麗だった。

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左岸から支流が入る。40mくらい?そんな高さだ。

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左から支流。穏やかだ。

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本流は、相変わらず暗い。

水は綺麗な感じはしないが、かと言って、濁っているわけではない。

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三連瀑が架かる。

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たわしで磨いて、最下段を登って偵察するが、真ん中の滝は、まぁ登れる気はしない。

右岸巻きで、3つ全て巻く。

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沢には簡単に降りられて、その先に、2つの滝。割と小さい。

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そして、小釜が連続していた。暗いので、見栄えはしない写真だが、いいところ。

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左岸から、茶色が強い場所。鉱泉になりそう。

下はこの茶色成分が堆積しており、足を突っ込んだら沼地のようだった。

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トイ状の小滝。左は深いが、右からへつって水流を突っ張って楽しく越える。

左の岩が、滑河内らしいような、黒と黄を帯びた縞模様で印象的だった。

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4m程度の滝を左から越える。

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左岸に渡る。意外に水流の力を感じる。

1つ上の写真でも見えているが、右岸から支流が凄い高さで滑滝となって落ちている。

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高度感が伝わらないが、50m以上続いていそうな。

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6m程度の滝。滝壺は腰上になりそうな深さ。

直登は右壁どうかという印象だが、ホールドの向きが悪い。

大人しく、右岸から巻く。でも、すぐ上の同じくらいの滝が見えて手強そうだ。

空身でクライムダウンして、左壁にへつり気味にひやかしてみる。

上部になるにつれて、難しくなっていく。落ち口付近が駄目・・・。

飛び込んで撤退。こんな深谷なのに、微妙に風があるので、寒い!!

さて、巻きは・・・。右岸はあり得ない様子で、左岸から。

大高巻きを覚悟するが、1つ目のゴルジュのようなシビアさはなく、簡単だった。

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ひとしきり進むと、右手に支流の沢、そして、滝が落ちていた。

見に行くと、20mくらいはありそうな様子。虹が架かって癒された。

木材搬出用のケーブルが対岸から下がっているのに驚く。

さて、この支流が合流するすぐ先、不動滝がある。

圧倒的な存在感を持って、二筋の滝が水を落とすのが見える。

沢に降りるのが、クライムダウンだとやや危険に感じて、ロープを出して懸垂5~6mくらい。懸垂におあつらえ向きな木が一本あって楽々。

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支流の沢の滝下辺りから戻れるので、ロープはフィックスしなくても敗退できる。

さて、お楽しみの不動滝の鑑賞♪

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不動滝と名の付く滝を幾つも見てきたが、格別に良い。

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左の滝も、途中に白い縞が入っているんだなとか、右の滝壺は落差はあるものの、水量は多いので中途半端な深さになるんだなとか思う。

本当に、こんな滝上に作業小屋があったのか懐疑的になるが、ケーブルもあったので、半信半疑といった感じだ。

さて、迷うことなく巻きは左岸一択。

支流出合のリッジから取り付くが、岩を抱えるような体制になり、最初からやれやれ。

ザックを岩上に上げて乗越す箇所が1つ。

小屋がどこにあったのか見たい。そんな気持ちで急な斜面を登ったり左右にトラバースしたりして、時間を使う。

ケーブルが支流の方向にあったので、そちらも見るが、どうやら不動滝の方にトタンやら残骸が多いので、そちらへ。

危険を感じるトラバースで、慎重に・・・。

そして尾根筋の台地に発見!!

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しっかり、原形が残る。

ガスボンベ、ドラム缶、一升瓶やワンカップ、運搬ケースなど。

中を覗く。

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ストーブに布団まであるではないか!!

いつまで利用されていたのだろうか。それにしても、こんな所に作るのだから、当時の人の力に感心する。ケーブル使って運んだのだろうが・・・。

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振り返る。櫛形山方面を見ているのだと思うが、どの山か分からない。

ひとまず、2つの目的は達成した嬉しさを噛みしめる。

沢への復帰は、やはり急斜面を歩くことになった。ケーブルは多数。

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一丁、空身で登ってみるかと思い、ロープをザックに括り付けて、あとで荷揚げするつもりで右壁を登る。

無事に登れたが、落ち口は緊張した・・・。その上の滝がまたしても登れない感じ。

左岸巻きも、多数の大きめの急斜面に乗った岩が今にも落ちてきそうな、とても嫌な感じで巻く気にならない。

折角登ったのに、また滝壺に途中から飛び込む羽目になった。

更に不運は続く・・・。雨具のポケットに入れていた携帯が、振動している・・・。

どうやら、ここで岩にぶつけた際に、破損した箇所から浸水したようだ。

生活防水の最低機能は有しているが、これは駄目だよね・・・。

電源を切ることも出来ない状態だったので、あっさりこれ以降は無いものと諦める。

精神的にも肉体的にも冷やされた。

さて、GPSで正確な現在地は今後確認できなくなったので、どうするかな・・・。

随分前に見た、亡き沢屋である弘田さんの記録からだと、ここさえ突破すれば、危険はないと記憶している。それに、2万5千地図とコンパスは持っている。

GPSに頼り切った最近の自分への試練と思って、前進を決める。

左岸巻きで先へ進む。

また小屋近くまで登り返して、トラバース。この辺はまだ道が良い。

と思ったも束の間、沢に朽ちた吊橋が・・・。番線のような細い針金に木片が一部残るだけの状態。死の香りがして、とても渡れない。

仕方が無いので、そのまま左岸をトラバース。

滝が2つ見えるが、登れそうに見えないので、進んでいくが、結局、急すぎてロープ無しでは降りられず、滝上近くに無難に懸垂した。

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持参した40mロープで届くか不安だったが、10mは余った。

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上から見ると、水線は難しいが、右岸巻き気味にならば十分にいけたので悔しい。

緊張感を強いられた不動滝を中核としたゴルジュも、ここで終了した。

ゴーロ歩きに、たまに小滝が見られる沢となる。

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早川流域特有の岩を眺めながら、危険なく進める。

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ふと、左岸に焚火跡を見つける。こんな所に来る人いるのか!!と驚く。

三俣らしい箇所は、間違える訳にはいかないので、地図を広げつつ確実に水流記載がある沢筋を行く。

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小滝を楽しく越える。

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それにしても、下部は比較的ぬめりは少なかったが、ゴルジュ終了付近からぬめりが非常に強い。ここでは、ラバーでは太刀打ちできないくらいだ。この様子、先日の赤抜沢同様に、ミズゴケがべったりと厚く付いているのはデジャヴ・・・。

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登れない5mくらいの滝。巻きは楽々で、どちらだったか・・・。

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小滝の段瀑。水線もいけそうだが、大人しく右からそのまま進んだ。

しばらくで、二俣。

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右が本流っぽいような感じだが、ここは予定通り、左俣へ入る。

ゴルジュで濡れたので、上から吹いてくる風で寒い・・・。

左俣入口には10m近い滝が架かる。

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登れそうだが、右から巻き気味に。ここも急。

すぐ上には滑滝。

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途中から見下ろす。ぬめりもあるので、このルートは正解かと思った。

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小さく沢から離れないように。左俣入って、3つくらいの滝を越えると安全になる。

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イワシャジンがあって、癒してもらう。

別当代山から北東の緩やかな尾根に乗ることを目標とする。

どこまで進めるか分からないが、地図と睨めっこしながらだ。

水流の多いのが、概ね正解かと推測しつつ。

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小滝で登るのは技術的に簡単なので、精神的に疲労はしない。

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遥か別当代山の稜線は日が当たっているのが見える。

沢は暗さ、風で寒い。余り濡れないのが、ありがたい。

倒木が挟まっているのが、少々煩わしいが、詰めるのに支障は全くない。

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いよいよ、水涸れ。今までの経験での感覚的なものが頼りだが、概ね2100m付近と見当をつける。

間違っていたら困るので、水の心配もないここでの幕営に決めた。

明日のためにも、上部を偵察する。左寄りに上へ進むと、明らかな植林があった。

現在地が、自分の予想通りだろうと確信する。

暗くなってしまうので、テントを手早く設営して、焚火をする。

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ダケカンバの樹皮がとても良い着火剤となるので、すぐに火が起きる。

着替えて暖をとり、持ってきた食材をあぶりつつ一杯やる。至福のひと時だ♪

風があるので、どんどん薪が燃えていく。

夜間、シカの鳴き声に起こされるが、快適な睡眠を得る。

翌日に続く・・・。