持参した防寒対策の甲斐あって、快適に眠れたのは良かったが、かえって寝すぎてしまった。
焚火の木は全て綺麗に炭も灰になっていたので、後始末は楽だった。
今日の予定を考えつつ、食事。
GPSが使用できるのならば、胴島尾根で下ったり、南下して大黒山の尾根とか、ランカン尾根とか楽しそうだったけれど、そこまでの冒険はできないかな・・・。
ひとまず、別当代山を踏んで、白根南嶺の稜線に乗って決めようと思う。
シダが茂る植林を登る。木の種類の境界がはっきりしている。
緩やかな尾根であり、一投足に2148m地点からの尾根に合流する。
古い赤い目印が見られたり、古いビニル紐がなびいていた。
右に向きを変えた稜線上、踏跡はかすかに。
獣道かもしれない。倒木少なくて歩きやすい。
最高点を辿っていけば、迷うこともないだろうと進んでいく。
別当代山の三角点を発見!! 展望や山頂標識は無い。
二等三角点、点名『別当城』。
南川金一氏著の『山頂渉猟』には続編にも登場する山であり、とても気になっていた山だった。感慨深い。また、ここには尾根経由で来ることがあるかもしれないと思う。
尾根左は植林が散見される。カンバとシダと、こんな光景が続く。
木に塗られた赤い目印は古いが、定期的に発見できる。
一ヶ所、この尾根唯一の展望! 北岳や鳳凰山も見えて感激する。
並ぶ尾根をじっくり見てしまう。
その後、ケーブルや一升瓶が転がっていたり、古く人が入っていた痕跡は濃厚。
西別当代山は、通過点みたいに感じる。何も標識などはなかった。
そこから廃林道までは、目印が元々ないのか、自分が見落としたのか見られなくなった。
右寄りに急な尾根に引き込まれないように下って、林道に合流した。
一安心!! 展望を楽しみつつ、これから更に暑そうなので着替える。
中途半端な時間になっているので、歩いたことが無い笹山東尾根からの下山にする。
これなら、車の回収も短距離の車道歩きで済む。
それでも少々巻き気味で歩かないと、日が暮れるかもしれない。
林道は所々崩壊。ここは結構な場所。特別危険ではないが、余りよそ見はできない。
南部の写真だが、いまいち疎い。徐々に歩いていきたい山域。
途中で、富士山が見える場所があった。とても嬉しい!
トリカブト。10年以上歩いた時には、シナノナデシコに癒してもらった記憶がある。
今回は、そちらは見つけられなかった。
奈良田越のヘアピン手前まで、割と良いペースで来たので、井川への道を探索。
しばらく道はあったが、ここでロスト。先にも少し進んだが分からない。ここは、つづらで下っていくところかもと少し下ってみるが、やはり分からなかった。
どうやら、これは、白剥山をトラバースする方の林道のようだ。
井川に下る道は、もっと手前だったらしい。油断した。
ここで小休止。ここから、林道を離れて、登りが続くので気合入れる。
以前見た時と、小屋は殆ど変わらず残っていた。
昨日のように風があればよいが、今日は無くて暑さに苦しむ。
水は2L以上汲んできたので、ふんだんに飲めるので、気分は楽。
順調に、白剥山へ。
三等三角点。点名は山名と異なり、『笹山』。
稜線、展望場所があった。これは以前気付かなかったと思う。
早く登らないととは思うが、ペースは上がらない。
今日はお天気下り坂。こちらの西は良いが、東はガスが上がってきてしまう。
DSIMONZAWAの表記が印象的だったので、記憶にも残っている。
ナナカマドの実を、鳥がついばんでいた。鳥の名前は分からない。
シャクナゲが出てくるようになって、少し植生が変わっていく。
窪地で再度休憩して、一息に森林限界に出る。
西面は展望があって良かった!! やはり荒川岳の存在感は凄い。
蝙蝠岳と塩見岳。そのうち行きたいとは思っている。
高速が山梨~静岡と繋がったので、畑薙まで若干行きやすくはなったかも・・・?
紅葉もそれなりに進んでおり、楽しめる。
笹山もう少し。東の展望は絶望的でもう余り見えない・・・。残念。
笹山北峰に荷物を置いて、南峰にも一応足を延ばす。目が向かうは西側ばかり。
農鳥岳の稜線、また、大籠岳の東尾根も見たかったが・・・。
さっさと南峰に戻り休憩。
日差しがきついので、木陰で休む。
空は青い。昼寝したい。
南峰には、三等三角点『広河内』があるはずだが、見つからない。
山頂標柱にとって代わられたのか?
ここからは、初めて歩くルートで楽しみだ。
地図を見る限り、距離はないものの、一直線の下りで勾配もそこそこ容赦がないようだ。
ゴゼンタチバナの赤が目に付く。
ルート整備は十分。
迷いそうな場所にはロープもあって、目印も多数で安心して下れる。
まだ、下り始めて500mも進んでいない。標高が分かるのでありがたい標識だった。
ザレから北の展望。3000m峰は今日は見えない。
少しずつ植生が変わる。
素敵な木も幾つかあった。
アセビも出てくる。トンネル。
植林も見えてくる。
ここは巨木が伐採から逃れたものが、特に良かった。
成長した2本が押し合いへし合い・・・。
もうこの辺から、奈良田湖が見えている。
発電施設か。ここからは、作業路も兼ねているので、手摺り完備。
ここまで車が入っていた。モノレールで作業しているよう。
ほぼ下山は完了したので、まったりと歩く。
よくぞ足場組みましたね。
環境が合っているようで、フジアザミはとても花付きが良かった。
これでも少ない方。
森山の取り付きを観察して、吊橋を渡る。
振り返る。林業と発電の山域か。
さて、苦痛な車道に出てしまった。
バスにも乗れる時間だが、元々、バス利用は考えていないので、歩いて戻る。
数えるのが嫌になるくらい、ダンプが通る・・・。
治山の労力はいかほどか。とんでもないのは分かる。
片側通行が2カ所あって・・・。
過去、西山温泉で休憩した場所は、今回は通過。
いつか、西山温泉は、贅沢に楽しみに来ることを誓う。
『鋏』がある岩などボルダーを眺めて・・・。
山道より、最後の舗装路歩きで、足裏が焼けるような感覚になってしまった。
私が舗装路を休憩無しで歩けるのは、泊まり装備ではせいぜい1時間くらいかと思った。沢靴でなければ違うのかも。
そして、周回完了!! 山では誰にも会わない2日間だった。
今回、体力的には十分な余力を残していた。
低山でのトレーニングを何日もやっていたお蔭で、苦しまずに済んだのかも。
そして、GPSが使えないことで、より緊張感があった。
行動ペースにも大きな影響となるのを痛感したし、周囲の地形や高度を観察することにも注力した。複雑な地形だったら、まずいことになっていかもしれない。
時間や体力が許す限り、これからも赴くことができればと思う。