遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

鶏冠谷右俣

そろそろピリ辛そうな沢へも行ってもいいかと思い、今日も単独で沢へ。
出発はいつも通り遅い。
事前に3つ程見た記録では、それなりに時間がかかっているようなので早めの行動にしないと良くなさそうだと思った。

サクッと東沢から鶏冠谷出合。
初めて鶏冠山に登った時、何となく恐ろしそうな沢だということは覚えているが、まさか一人で入渓する日が来るとは…。

中々綺麗な岩で流れも綺麗。小滝で足慣らししながら登っていく。


見栄えのする魚止ノ滝、10m。水流の右は登れそうだが、凄くヌルヌルしていて上部がどうか。
左岸を無難に巻く。でもここ、残置ロープあるけど、余り良くない!
滝上は割と穏やか。

小さな滝を楽しく越えていく。

意外だったが、さっきの滝は魚止めになっておらず、魚影も見られた。小さい滝が続く。

これも小さい滑滝。
この辺で、雷と思うような音が発生!
まさか、夕立!?があるやもと不安になる。谷から見える空は快晴そのものだが…。

渓流瀑という感じ。水線に沿って。
これを越えると、左には飯盛沢。アイスじゃなければ価値なさそう。
向かう先は、滑滝が多段となっている。

真ん中辺りの段は直登も2つのラインでできそうだったが、生憎とスラブ滝に余り魅かれず右から巻いた。
サクサク進んで、第一の核心、逆くの字滝。

20mあるそうだが、傾斜が緩く全く難しそうに見えない。
ほぼ上部まで普通に歩いていけるが、最後の3m程が足場が微妙。
右には残置スリングが4つもあるが、滑りそうな感じだったので無視。そのまま左の水線沿いを上がった。
足は悪いけど手は良いので、落ちないとは思いつつも、下まで滑り落ちるのは御免なので、少し緊張した。

こんなに連打されていて、何だかなぁな印象を受ける。やっぱり水線が自然なライン。
この後、短いがゴルジュ。

内部は穏やか。でもヌメル。

小滝・小さい滑滝が連続。

へつったり、右側の壁を越えることが多いが、難しい所は無い。
そして、鶏冠谷の右俣・左俣を分ける。

右俣に早速4m滝が落ちている。中々綺麗。右側に踏跡があり、簡単に巻ける。
そして、すぐ奥に大物、大滝。25mか30m程度あるそう。


後ろに引くに引けないので、何とももどかしい。
この沢のヌメりそうな様子は満点なので、直登なんてできる気がしない。
巻きは、左も右もどちらも行けるらしい。
無駄が無さそうなのは右(左岸)から落ち口に向かうラインが取れそう。
岩の上に少し土が被っているだけの可能性もあり、大きめに巻くのが安全と判断。
そうなると、左(右岸から)の方が楽そうだ。4m滝下まで戻って巻きに入る。
踏跡はいくつかあるようで、沢への復帰もロープの必要性感じず、安全に巻き終了。
またゴルジュが発達。こちらは素敵♪。

倒木が余り引っかかっていなくて良かった。
ただし、途中にあった4m滝だけは倒木があって良かったと思った。
ゴルジュが終了すると間もなく大きな滝。

30m程あるそう。右も左もどちらも登れそう。
左側から直登を探る。すると、残置ピトン発見!!

少し濡れながらしっかり足を決めて上がれた。

上部もそのまま水線左を適当に登っていける。
その後は特別難しくない小さ目の滝が続く。

これは左を。

この手の傾斜の緩い滑滝はフリクション勝負で水流を。

これも同じ。

巻きらしいことはせずに、概ね水線か近くの壁を登る。

青空の下、気持ちよく遡行。滑滝が多い。
序盤にあった雷らしき音は、どこかの崩落の音だったのかと思うような快晴。

その後も滑滝。

水流の左右に移動して登ることも。
左から支流が入ってくるところには、小滝。

木賊山の崩れているのが遠くに見える。流石にあそこまで詰め上げたのではたまらない。
支流には結構大きな滝がかかっている。

10〜15mはありそう。
一応、夕立の可能性も考えて早めに移動する。
まだ滑滝は続く。


難しくない上、そこそこ楽しめ、ゴーロ歩きの比ではない。
そして、再度支流が右から。本流は大滝が見えてくる。

大滝は上段で40mあるそう。その下2段は4m程度で簡単。

中々の眺め。直登は厳しい。ここで小休止。
予定ではこの辺で時間が足りず、右側の支流から詰めあがるのだろうと思っていたが、だいぶ余裕があり先へ進む。
この大滝を巻くのは、何となく直感で、左岸より右岸の方が楽そうな気がした。
比較したわけではないが、獣道が幾つもあって、簡単に巻けた。
巻いてすぐ奥二俣。

こちら左沢の様子。CS滝の上部にも5mそこそこと思われる滝がある。
水流が消えてからだいぶ長いんだろうな。

向かう右沢には早速、滑滝。10m以上はあるか。
傾斜緩く簡単で、左側を登って行ける。

また滑滝。結構大きい。20m程度はありそうか。水流左から右へと直登可能。
こいつもヌメるが、要所には必ず良いホールドがいて安心して登れる。

まだまだ滑滝が続く。これも水流を突破。

登り終えて振り返れば、黒金山と思われる山が遠くに見えている。結構登ってきたんだなと。

かなり水量も減ってきた。

そして、ここを最後に登った先は本当に水流が少なくなる。
ここで沢装備を解除して登山靴に履き替える。
すぐ右の斜面に取り付く。藪や倒木も全く煩い感じが無くて、若干標高を上げながら歩きやすい所を狙って好きに歩ける。
目立つピンクテープの新しいものが2つほどあった。
しかし、どうもそのまま上へどんどん行ってしまうようなので、こちらは無視。
そのまま適当に獣道をトラバース続けること20分程度で登山道へ合流。



登山道では遅咲きのシャクナゲがいくつかあったり、新芽の生命力を感じる様子に癒された。
流石に今更、木賊山や甲武信岳に登ったところで特に何の達成感も無いので、戸渡尾根を下る。

徳ちゃん新道は3月に行ったばかりなので、今回は近丸新道から珪石作業跡を探索しに行く。
尾根途中にあるが、分かりやすくロープがあり先を見に行く。

古いエンジンや廃材などが転がっていた。小屋はだいぶ前に倒壊しているらしい。
小屋から先では少し崩れていて行きにくそうだったので、ここで引き返す。
事前の調査不足で、徳ちゃん新道側の斜面には、三富鉱山があって、そちらはもっと魅力的であったことを知る・・・。
またヌク沢なり遡行後に訪問しようか。
珪石が散らばる登山道をどんどん下る。

近丸新道には古い道標があって萌える。
そして、ヌク沢を渡渉。
渡渉という程、今日は水量がなくて左岸に渡れる。
ロッコ道跡は覚えていたが、この小屋は見た記憶が無い。

どうやら火薬保管庫らしい。
他にもこの山域には軌道敷跡があるので、探索したい。

所々は保存状態の良い箇所あり、枕木も見られた。
沢を横切る際は所々崩れている場所はあるが、問題なく登山口へ。

結果論であるが、だいぶ余裕があった。
特に、飯盛沢付近にあった滑滝で遊んでいても良かった。
鶏冠谷右俣の楽しさは、逆くの字滝、2つの大滝の見物、そして、大滝下で終了するには余りに惜しい怒涛の滑滝。
ガイド本にあった、『右沢はホールド乏しい厳しい滑滝登攀が続く』というのは異論あり。
逆くの字滝辺りが普通に登れるなら快適に登れるはず。
魚留ノ滝や大滝の登攀をしない限り、単独で遡行に問題なく、十分楽しめる沢に感じた。

  • コースタイム

西沢渓谷駐車場(9:25) → 鶏冠谷出合(9:55) → 魚留ノ滝(10:10) → 逆くの字滝(11:10) → 二股(11:35) → 30m滝(12:00) → 支流滝(12:55) → 奥二俣(13:50) → 遡行終了点(14:35) → 登山道(15:05) → 徳ちゃん・近丸新道分岐(15:20) → 珪石作業跡(15:40) → ヌク沢(16:10) → 近丸新道登山口(16:40) → 西沢渓谷駐車場(17:00)