先日の沢でMさんと話して、ずっと気になっていた谷川の笹穴沢へ行くことになった。
2級上の沢ではあるが、何となく今年はソロで行くには不安を感じていた。
結果、それは的中したのだった・・・。
前日は残業に加えて、山にいない日は家業の土木作業もあってヘロヘロ。日付が変わる頃、平標登山口付近で車中泊。快適でしっかり眠れるかと思いきや、殆ど眠れず、調子が悪い。4時半に、Mさんと合流し、私の車はデポして川古温泉へ。

泊まりたいと思っているが、入口の様子は全く惹かれない・・・。猫がうろちょろしていた。駐車スペースが微妙だが、まぁ・・・。ここはゲートがあるので、ぼちぼち歩く。


ヒル街道と名高いそうなので、前日にはばっちり対策してきた。僅かな雨が落ちるが、大したことはないだろう。

分岐を右へ。一時、舗装となるが、すぐに未舗装。

ここの左手が、金山沢出合。きっと、来年は赤谷川本谷へ行きたい。ドウドウセンを通過せず、この谷を遡行したことにはならない。

ここでネオプレン上下を装着。寒そうな遡行に備える。


ちょっとした小滝だが、2つとも釜は深いので左岸巻き。

顕著な滝。今年は積雪の影響で荒れているだろうと思っていたが、予想通りにそんな感じだ。


しかし、滑、小滝が綺麗だ。晴天でないのが残念。

いよいよクロガネ岩峰が見えてきた。

あれがクロガネ岩峰か。沢自体の滑も負けてはいない。


ぼちぼち進む。渓相は非常に良い!


ん?10月にもなって、こんな花が咲いているとは驚き。

雪渓が遅くまで残ったことをうかがわせる滝前。

ひんやり。シャワーにはならないが、そこそこには濡れる。

雪渓がやはりまだ残っていた。一部では雪渓上を歩いたが、支障なし。

右が簡単に登れるが、ホールド上には砂や泥が残っている箇所あり。



10mはないが、滝が多い。嬉しいな。


雪が多かったせいか、オタカラコウやギボウシがまだ咲いていた。それに、柔らかそうなイタドリもあり、殆ど食べられていた。

この滝は左壁を上がる。が、岩が砂や泥が乗っており、最後は草を掴んで上がった。Mさんにはお助けを2回出す。意外に悪いやつだった。
そして、白眉の大滝へ。


30mとか50mとか言われているが、50m近くあるか。立派!!
右の小さい流れから上がって狭いテラスへ。3本ハーケンが打たれている場所でロープを出していざ!ここも序盤は岩の上が汚くて大きな動きを要求されるので、ちょっと緊張。水流に向かっていくと、そこには残置ハーケン。カム以外にプロテクションは持ってこなかったので、有り難く使わせてもらう。この辺が中間で易しい。最後は水流のスラブをたわしで磨いて問題なく突破。右上の灌木でピッチを切る。ロープは引いていったものの、中間辺りの残置ハーケン以外、中間支点は取れなかった。笛を吹いても全く聞こえないが、問題なくMさんも登ってこられた。

ロープは仕舞って先へ。霧雨で寒い・・・。ガスがより濃くなってしまう。

大滑。実に見事。晴天であったならと思わずにはおれんが・・・。

ここの左壁に立派な新しいボルトがあった。全く難しい場所ではないので、下降用?
ぬめりを気にしながら、左右しながら登る。全く落ちる感じは無く簡単。



滑がずっと続き楽しいところだ。

右に曲がるこの滝で休憩。風があって寒い・・・。ネオプレンにハードシェル上を装着していなければ低体温症になってしまうところだ。これは左から越えて・・・。


小さくなった滝を幾つか越える。

顕著な最後の滝。8m程度。左のクラックというかルンゼが登れるそうだが、生憎とそんな状況じゃない。止まっていると冷えて大変。右岸から笹を掴んで適当に巻く。


詰めの様相になってくると、イワショウブを主として花も見られた。

ぬめりがありそうだが、そうでもない。ここは左へ。


ガスガスの中、平標山の南辺りに向かって詰めていく。
笹薮だが、大した抵抗ではないので、ガシガシ進んでいたら、少しMさんと距離が開いてしまって、直前ではぐれる。

3回目の平標山。当然、風雨で。3戦中1勝2敗だな。笛が聞こえるが、風が煩くてどこから鳴っているか分からない。しかし登山道には出ているはず。下っていくと合流でき、歩きやすい登山道・木道を行く。

避難小屋併設らしい。この天気なので閑散としているかと思いきや、テントも数張あるし、小屋内も盛況。休憩と着替えをしてさっさと下山。
この後も歩きやすい登山道で、下部は植林になった。

靴の汚れを落として、林道を歩く。更に先のゲート付近で洗い物をして、やっつけの下山完了!
新日本百名谷らしい素晴らしい沢だったな。今年は雪が多くて、お盆前に遡行しているような様相に感じた。倒木が滝壺に多く、壁には砂・泥が乗っており、例年より遡行しにくかったように思う。初めてだから知らんけど・・・。いや、睡眠不足と疲労の影響が強かったのかも。何となく単独で気が進まない感覚は、やはり正しかった!
その後は、日本酒を買い求め、「いこいの湯」で温まり帰路へ。