術後、自宅でじっと療養していられなくなった。こらえ性のないことと思うが、近場の山を軽く歩くことにした。山で右腕が使用不能に陥った際の仮定山行にもなる。ただし、バランスを大きく崩したらゲームオーバー。
行先は、笛吹市の達沢山の西に延びる稜線。3年ほど前、旭山の少し先で達沢山まで届かなかったので、その続き。
御坂路さくら公園展望台から出発。
数年前から知名度が上がりつつある桜の名所。行くのは初めて。
リンドウが複数咲いていた。カメラのアングルも制限があるので、これが限界。
歩道を上がると、展望台がある。草は枯れてきているが、夏は適さないか。
隙間とやや上から南アルプスなど見られる。中々良い景色だ。
さて、公園は終了して戸倉川右岸沿いの道へ向かう。
秋の景色を楽しめる。
ゲート開閉は問題ないが、片手だと時間が掛かる。
花は少々。
舗装路が続く。目的の支尾根の取付には、立派な堰堤があった。
上からの方がアプローチが楽かと思ったが、結局、上の写真の場所から沢を渡り、取付いた。
柵に沿ってやや上流に。獣道利用して、支尾根に乗る。
尾根上、目印が早速見られた。高度座標が入っている尾根なので問題ないだろう。だが、ゆっくり歩いていても汗が滲む。三角巾、綿の着衣で汗冷えしてしまうだろう。
ほぼ広葉樹。アカマツも多い。植林も交えて高度を上げる。876m付近では林業用ケーブルやトタンなど見られた。岩が少しある程度で危険は皆無。
さて、980.7m三角点が西にあるので、ここで回収に向かう。植林の標識があった。落ち葉が多い30mばかりの下りだが、ここも問題なし。境界見出標がこちらにはあった。
四等三角点、点名『鍋倉』。頭は十分に出ており発見は上からでも容易だった。
紅葉が見事な木が多くなってきた。
勾配が緩い尾根を200mばかり進めば、主稜線に乗る。道型あり、そういえばこんな感じだったなと思い出す。
赤の紅葉も見られ始めた。良い色づきだ。
1145m高点。ここからが主目的だ。さて、どんな感じか。
正面に達沢山が見えている。
紅葉がその先でクライマックスを迎える。
今季一番!!
腕が使いにくいので、時間を掛けて・・・。
本当に見事であった。この稜線上、ここまで心が躍るとは。
ミズナラ等多いのだが、カシノナガキクイムシによる被害か立ち枯れしているように見える木が多かった。やはり、根本や幹にはフラスが・・・。
一ヶ所だけ、北の展望があった。奥秩父主稜線が主役か。八ヶ岳くらいまでは見える。北アルプスも遠望できたが、遠く霞む。
大積寺山からの道も合わせる。
お、ナナフシ。これは生きていた。ツユムシらしき虫は複数死骸を見たな。
そして、3度目の達沢山に到着。目的も達成した。頂上の西からは若干展望が見えるのみで面白味は少ない。今回、御坂山塊の上から富士山の頭くらい見えると思っていたが、見えず。
さて、下山をどう採るか。このまま南西尾根を下り、三等三角点『上黒駒村』を踏んで戸倉川に下るのがいいか。体が問題なければ、東の1487m手前から四等三角点『矢野沢』の尾根で下りたいのだけれど、ちょっと不安だ。下りで冒険はできないからな・・・、と思い直し、すぐ東の一般登山道で下ることにした。
サクッと下山路分岐へ。見覚えあるぞ。鬱蒼としたヒノキ植林を下る。
炭焼窯跡か。この下にも2つあった。
この登山道では見るものは、このクリの巨木。つい2週前の銚子洞で見た木々が鮮明に残っているので、普通に見えてしまうが、それなりに立派だ。
植林作業路をそのまま登山道に流用しました的な道だな。
目先が明るくなると、道は鋭角に折れて沢を渡る。間もなく林道終点。熊出没注意の標識あり。簡易舗装で、落石はあるにはあるが、車でも入れそうではある。
車両通行止とあるな。オフロードバイクならば楽しいだろうに。
ホトトギスか?これ以外は、マツカゼソウくらい。
左の写真の案内の木はいないようだが。右写真は、山の神?
もう戻るのみと思ったが、余りにつまらないので、三等三角点を踏むことにして、少し戻って挑む。
ここからアプローチ。南が採石場か何かの敷地なので、左よりにはいかず、稜線に乗ることにした。
この尾根も手入れされている。上は間伐されて間もない植林があった。
問題なく登って、下が採石場。音は良く聞こえるが、様子は見えない。
さあ来たぞ。三等三角点、点名『上黒駒村』。四方は石で囲われ、標石の角は丸くなっている。伐採された枝の下敷きになっているのを発掘した。しかし、ここまで来たら往復が嫌になってしまった。時間を掛けてでも、戸倉川へと降りようと決意。
稜線上歩きやすい。これならば、最初から直に達沢山から下れば良かったかも。沢地形が危険そうなら尾根でと思ったが、何とか行けそう。
石の上にホオノキなどの葉が覆いかぶさり、思いの外時間が掛かった。何とか確実に下りてこられた。
角度は右斜面とほぼ同じ。通常であれば、5分もあれば下れる距離なのだが。
小尾根を一つ跨ぐと、作業路に合流した。堰堤を左に見て、その下から簡易舗装の林道となった。木には水とペイントされているが、水は全く流れていなかった。
自転車などの残置物を見る。植林がずっと続く。
植物としては、エビネの非常に弱弱しい株を見ただけ。
その後は、往路と合流して黙々と歩く。
秋を楽しみながら。周回完了。
紅葉を思いの外楽しむことができて満足だ。一応、この程度のバリエーションであればこなせることは分かった。痛みは全く出ないものの、肩への影響はいかほどか。メジャーな一般登山道であれば、全く問題ないだろうが、気が緩んだ頃にやられるかもしれないので、慎重に行きたいと思う!次は、京戸山からカヤノキビラノ頭、北の岩崎山を繋げたいところだ。