11月は、祝日もあったのに山に行けず散々だった・・・。
リハビリ第二段として、前回偵察した大春木沢の左岸尾根を行く。
毎度おなじみ、山の内容より起床が最初にして最大の核心。
眠気を噛み殺して、6時そこそこに羽衣から歩き始める。
林道を離脱し、大春木沢を渡る。降雨後だが、水量に問題なし。
振り返る。ナナイタガレの崩壊した岩屑が堆積した沢。
ナナイタガレ上部は赤く朝焼けしていた。中々、神々しい。
尾根に楽々と乗る。しかし、序盤はやや急で疲れる。右はもちろん崩壊している場所あり。それだけに上部の展望は期待できそうだ。
堰堤の名残のような残骸はあるが、それも下部のみ。
すっきりした尾根になった。とても歩きやすい。
目印の類は全く見ない。それもまた良い。
アセビは所々で見る。シカの食害を受けないので、勢力はこれからも拡大していくのだろう。
ふと、足元に転がる人工物。境界見出標だった。
どうやら、この尾根は危険は無さそうだと思う。
その後も歩きやすい。
2週前歩いた対岸の尾根と比べてだいぶ歩きやすい。地図では、こちらの方が崩壊が進んでいそうだし、蛇行した尾根なので、苦労しそうなものだが、印象は全く違う。
そして、今回の目当てのナナイタガレの眺望。
これを前回も見たかった。
大春木沢の支流と思われるが、結構な落差の滝が見えた。
すぐ上は崩壊の伏流となってしまっているのだが。
そのうち、枯れたスズタケが現れる。
これが密度は問題とならないのだが、以外に鬱陶しい。
これまで樹林の間から存在を知るだけだった富士山が、やっと見えるようになる。
五宗山など、まだ行かねばならない未踏がある。
この山域もだが、ヒルの居ぬ間に踏破しておくに限る。
展望が良い崩壊の際を行く。
特に危険ではないし、尾根から少し離れたところで問題なく登っていける。
左奥に見えるのは、鳳凰山か?
とても寒そうだ。ここも、薄い手袋とベースレイヤー1枚では、立ち止まるとすぐに冷える。
遠く盆地を見ながら、ガレ・崩壊の展望も楽しめる。求めていたのは、正にこれ!
1500m程度から上は特に素晴らしい。
1800m近くなると、笹は生きており、好みの植生。
いい写真がどうにも撮れず・・・。
本当に気持ちが良い。絶好の展望と、環境。泊まりで来たらと想像せずにいられない。
際を登っていくと、ふと遠くに目印を発見。
これだった。前回も同じものは見ているが、これは何なのでしょうか。
南を向いているので、ガレの崩壊を観測しているとは思えない。
展望は十分楽しんだので、適当に進んで窪地のある付近で、登山道に合流。
僅かな距離まで登っていたので、さっさと希望峰へ登る。
さて、展望を楽しもう。
笊ヶ岳の見事な山容。前回も見たかった。
少し引いて・・・。2500mくらいから雪のようですね。
それにしても、北の何とも寒そうなことよ・・・。
ソフトシェル装備や手袋を替えるのが遅かったせいで、非常に寒くなってしまった。
青笹山から伸びる顕著な東尾根は是非とも歩きたいものだ。
沢と絡めないと、中々食指が伸びないが。
すっかり冷やされてしまい、フリースも中間に着て南へ再度歩き出す。
こちらの同好会はいまだ活動中なのだろうか。
この山域には、興味深い花が見られるはず・・・。
倒木はあるにはあるが、全く問題とはならない。
1970m付近で、登山道を外れ、いよいよ東へと進行方向を変える。
始めは倒木などですっきりしない。
数分下れば、丈の低い笹が生える尾根。
結構好きな尾根の感じ。
希望峰辺りでの寒さが一気に和らいだように感じられる。
遠く、駿河湾が光っているのも見える。
と思ったら、すぐに変化。これはこれで良し。
境界見出標がありそうなものだが、目印含め、人工物は全く無い。
正面に、点名『日向山』1666.3m峰が現れた。それなりに立派な山に見える。
というのも、ここからの下りが急だったため。
右に寄り過ぎたかなという状態で、適当にトラバース気味に地面を崩しながら降りた。
振り返る。逆からだと、うんざりするような登り勾配・・・。
その先は穏やか。
ふとした一面が美しい。
1666.3m。三等三角点、点名『日向山』。角が補修されている模様。
展望は無く、通過点だ。
その後、崩壊地。
ここも展望が良い。
南の対岸はどの山?
駿河湾も今日一番に良く見える場所だった。
踏跡はあるが、どうしてかこの稜線上には人の気配が感じられない。
そのすぐ先、進行方向が北東に変わる箇所は平坦であり、作業小屋でもありそうな雰囲気だった。
振り返る。代り映えはしない。しかし、意外に樹林がいいかもしれない。
1332m高点付近で、恩賜林の標石などが見られ始める。
境界見出標も発見。これは古いが、その先には赤が鮮やかな新しめのものも続く。
何故ここから?中途半端な印象を強く受ける。
アセビの幼木。若葉が赤く鮮やかで目を惹いた。花を見ているような気分にさせてくれる。
その先の崩壊地のアセビの花付きは見事。
控え目に咲くものと、このように賑やかなものの違いは何だろうか。
富士山すっきり。
雪自体は少なめに見える。今日は極寒に違いない・・・。
直下は大城か門野の集落でしょうか。遠くには海も。
右の高そうに見える山は篠井山でしょうか。
その後も平和な尾根が続く。
1100mほどまで来ると、植林。
ここが、右の尾根に引き込まれそうになる場所。
小尾根に近い感じだが、境界標識がある。
この辺から、春木川が眼下によく見えている。
登ってきた尾根とナナイタガレも見えた。良いコースだった。
林業用の遺物のようだ。ラジエターらしき部品も転がる。1062m高点手前にある。
植林が散見されるが、広葉樹も交じる。
地図上では複数の道が交わる峠のような地点。東西の道はよく分からない。
そこを北から見下ろす。うーん、さっぱり。
さっさと登って鷹取山の分岐へ。
標石はあるが、この植林だと恩賜林ではなさそうですね。
調子が良ければ、身延山から粟倉山も踏もうかと思ったが、時間的には鷹取山を往復するくらいで丁度よさそうだ。
鷹取山への尾根は境界見出標や目印は多い。
普通のバリエーション尾根ですね。
と思ったら…。
ちょっとした崩壊があった。振り返って撮影。
注意していれば何というところではない。南に踏跡あって安心。
痩せて脆い感じの尾根。登りがちょっと億劫だ。
あれが鷹取山かと思ったが、そこまで登ってみると三角点はまだ先。
全部が植林。窪地を左手に見ながら歩く。
鷹取山の三角点手前に、これがあった。特に何か彫られているわけではないようだが。
ここも、霊場の一つに入っているので、その類でしょうか。
三角点も容易に見つける。三等三角点、点名そのまま『鷹取山』。
この一帯は植林地帯の模様。下部は暖かい時期はヒルが相当なものだろう・・・。
倒木に腰かけて呑気に行動食をとるが、こんなことはこの時期にしかできないだろう。
さて、ぼちぼちと戻る。
写真も撮りつつ。この辺、明るい樹肌の木が多い。ヒメシャラでしょうか。
登りが少々疲れるが、さっさと戻って北上。
崩壊地がまたあった。廃ケーブルが左に長く伸びていた。
右に寄れば危険は無い。
境界見出標は木に食べられているものが複数この尾根には見られた。
ふと、見覚えのある植物を発見する。
ミツマタ。この界隈はありそうだなと思っていた。
この時期は目立つが、余り見られない。
甲府の街がよく見える。今日一番かも。
身延山と毛無山、そして富士山の並び。
緑は目に優しいのだが、奴等が花粉を飛ばす前に、できる限り歩いておきたい。
身延山へ向かうには東の尾根を行くのだが、それほどしっかりとした道があるように見えなかった。
そちらは見送り、歩きやすそうな稜線をそのまま北へ行く。
1090m高点近くの西尾根には、新しめのテープが続いていた。
辿ろうか迷ったが、主稜線を進む。
大して変わり映えしない尾根だったが、突然、林道が見える。
地図上の道は、林道だった!
植林の中の作業路みたいな道を想像していたが、これは・・・。
林道に降りて、すぐ先に見える展望地へ。
こちらもまずまず。先の景色ほどではないが。
そこにはミツマタが幾つか。こちらは稜線で見たものより花付きが段違い。
車で上がってこられたら、ここは素敵な場所だ。
舗装路を歩いて下山開始。
寺院の地図記号の場所へ。
荒れている。簡易椅子が積み上げられていた。
賽銭箱があったのが往年を偲ばせる。
ここからは、白根南嶺、笊ヶ岳など中心に見られた。
登山靴の3回目の使用であり、硬い舗装路は足に優しくない。
若山牧水の碑。
ここから石畳でいい雰囲気。
廃業した店の前の南天だろうか、その葉が鮮やかに紅葉していた。
集落の様子を眺めながら戻る。
地図にある道でショートカットしようとしたが、道は怪しく、この時間に通行したら通報されるかもしれないので、止めておいた。
来年、今度こそしっかりカメラを持って再訪しよう!
フクジュソウとセツブンソウを楽しみに。
後はやっつけの舗装路歩き・・・。暗くなってきたが、スタート地点までヘッデン利用せずにこなせた。
まずまず歩けるようにはなったが、登山靴の重さが辛いと感じるようでは、冬の活動が思いやられる。
希望峰・丸尾・鷹取山 / Argonさんの鷹取山(山梨県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ