遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

嫦娥岳

数年前から南アルプス全山踏破に向けて歩いているが、中々進まない。

せめて、北部の困難な山から外堀を埋めていくようにしようとしているが・・・。

特に困難と言われるのは、主に3座。

  1. 坊主山 (甲斐駒ヶ岳北西)
  2. 離山  (鳳凰山地蔵岳北西)
  3. 嫦娥岳 (鋸岳南東)

黒檜山も入るかもしれないが、ここは体力勝負で技術は必要ないと踏んでいる。

他は時間があって体力が残されていれば問題ないだろう。

既に、坊主山と離山は攻略している。今回のターゲットは嫦娥岳。

記録に上がっている南西尾根の登降、第三尾根を詰め上げるルートは当然検討するが、それだと余りに面白みが薄い。

まずは、自分で考えて登ってみたいところ。明らかな弱点があり、熊ノ穴沢から頂上の300mほど上部に食い込む沢を利用して、若干の上から踏むのが最善と思われた。

恐らくガレ沢だろうが、チョックストーンが挟まったり、岸壁が出たりした場合は、隣の尾根に逃げてもいいだろう。

さて・・・。

敗退は考えないようにして、出発は日没に間に合えば十分な時間に戸台河原を出発。

一昨年、イワンヤ沢に行った際は入れなかったが、戸台河原駐車場に入ることができた。車高の高い車はいいが、そうでない場合は、駐車余地は4台ほど。先客は1台のみ。

しかし、何と靴のインソールを入れ忘れるという失態。アーチのサポートがなく、着地の衝撃がダイレクトに伝わり、長距離だと影響が出そうだ・・・。

この景色、よく覚えている。だだっ広い河原を黙々と歩く。

今日は、植物観察にも比重を強くおいているので、出だしから2つの花が迎えてくれてとても嬉しい。

堰堤は、はじめ左から越えようと思ったが良くなくて、結局、右から・・・。

何だろうか!?ハナゼキショウ?

ギボウシはたくさん!これは、最後の林道歩きも期待できそうだ。

さして水量は多くないはずだが、登山靴を脱いで渡らないとならない場面あり・・・。

以前はどんな風に道が付いていたのか。

平成5年の堰堤も、最早用をなしていない。

駐車地点の詰所みたいな場所も押し出しで凄いと思ったが。

いよいよ、嫦娥岳が見えてきた。ピークは右。逆光で様子がよく分からないが、岩山に木が生えているだけと思った方がいいだろう。

古い標識を発見! 嬉しいね。

角兵衛沢は見送って、その次の熊ノ穴沢まで向かう。

途中に花を見る。クモマナズナタネツケバナのように見えるが、葉の様子が違うように見える。何でしょう?

次回のために、嫦娥岳に最短で登れそうな沢型と尾根を偵察。

この渡渉は、ギリギリ飛び越えてこなした。

沢はガレ沢で問題なく尾根に取り付けそうな感じなのが分かった。

また面倒な渡渉を2回やって、熊ノ穴沢出合。

荒れまくっているが、ペイントがあって驚いた。

出合から10分も登れば、緑色のロープが複数、標識もあった。

歩きにくかったのは、出合付近だけで、気持ちの良い樹林帯になった。

暫くは、最も右の沢に水が流れていた。

また古い標識を発見! 何年物かな…。

黒々した岩が転がる沢となり、ツツジが歩きにくさを労ってくれる。

次第に、鋸岳の茶色い特有の岩に変わっていく。

振り返れば、中央アルプス

中々ゴロゴロして歩きにくい。天気が良いのはいいが、照り返しもきつくて暑すぎる。

ズームもしてみる。

ここまで登れば、目当ての沢がすぐそこだ。

こんな様子で、詰める支流沢は、これまでとほぼ変わらない。

少し登って振り返る。岸壁が聳える。右の影の部分も岸壁。

威圧感はひしひしと感じる。

さて、情報がないガレ沢も特別なことはなく、上がっていける。

見通しが素晴らしく、終点がかなり下から見えていた。

途中、コミヤマカタバミが多かった。

全く注意が要らないわけではないが、順調に詰めあがった。

下から見て、傾斜はそこそこあるものの、恐怖感を感じるほどではなかった。

嫦娥岳に向けて下る。稜線上は概ねこんな感じ。倒木と藪は少々ありそうだ。
もう余裕だと思うが、油断するとやられるかも…。

案の定、中間部に、岩場があった。写真はその中間辺りから上を見ている。

左右どちらから岩場を下るか少々悩むところだが、下を見下ろして右を下った。

手を使わないと下れないので、少し勇気が必要だが、問題なし。念のため、スリングを木に付けて目印にしておく。

以降、何も難所なく、嫦娥岳の頂へ・・・。

周囲を囲まれた三等三角点、点名『城ノ山』。

標石の状態は良かった。

山頂はただの藪山の景色だが、満足度は高い。

少し南を見てみるが、藪で状況は分からないよね・・・。ただ、戸台川が見えていたので、非常に急であることは理解した。ロープ無しでは、とても行きたくない。

小休止して、戻る。少し頂上から上に、赤いテープが巻かれていた。これ以外は稜線上人工物は見なかった。

スリングを残した岩場付近で少し展望を・・・。

乗鞍岳も見えていた。

一応、北岳なども見えるが、非常に無理な大勢にならないとうまく撮れない。

岩場には、イワカガミが咲いていた。嬉しいね。

再度、ガレ沢をサクッと熊ノ穴沢まで下る。

振り返る。熊ノ穴沢は隣だが、似たようなものだろう。岩屑が動いて、歩きにくそうなことこの上なし。

暑いので、さっさと下る。

休憩無しで出合まで行こうと思ったが、花を発見。

フデリンドウですよね。開花しているのは、上りでは見なかったので嬉しい。

渡渉前に小休止。

再度、戸台川を飛び石で何とか渡り、熊ノ穴沢出合を見る。

梅雨時期などは、渡渉と岩の滑りが気になるところだ。

丹渓山荘まで、2回だったか、渡渉が何とか飛び石でできた場所があった。

この廃道になった尾根も、とても気になりますね。

そこから少し先、上に丹渓山荘があった。

ずっと訪れてみたかった場所だ。建物の奥行が意外にある。

往年の様子が偲ばれる。ここを利用していた人はどういう思いで・・・。

じっくり探索するには良い場所にあると思うが、長雨や大雨の際は目も当てられない。

鋸岳~甲斐駒ヶ岳の稜線を振り返る。また来ることがあるだろう。

丹渓新道は、再度渡渉が待っており、こちらも何とか飛び石でこなせた。

やれやれ・・・。意外に、これが今回ストレスだった。いつもは沢靴なので、流されなければどこでも歩けていたので、違いは大きい。

対岸、岩にペイント。「タンケイ」と黄色で書かれる。

目印は十分見られた。

その後の樹林帯がとても素晴らしい。原始的な様子が残っているように思う。

踏まれ具合は少ないが、元々の道が良いせいか、問題なし。

2合目と書かれたプレートの箇所に、こんなものが。

昭和46年!!半世紀以上前だ。開発で発破をかける際の注意喚起らしい。

倒木処理されたのは何年前なのだろう。道の様子から、整備はとても行き届いていたことと思われる。ジグザグに傾斜を殺すようにつけられた道は崩壊しやすいが、まだまだ現役。

スミレのどれかと、コミヤマカタバミが足元には良く見られた。

そして、林道がすぐそこに輝いていた。

鋸岳が見事。そして、気になるのは、写真右に移る看板。

時代を強く感じさせる。好きだ。

嫦娥岳から主稜線まで、先駆者の記録がこれまで上がっているので、頑張れば行けるだろうと踏んでいる。

ここからぼちぼちと花見しながらやっつけの長い林道歩きだ。靴のインソールがないのがかなり効いてきて、足裏が既にまめになる寸前なのが憂鬱・・・。

甲斐駒ヶ岳の白さはいつ見ても素敵だ。

コミヤマカタバミはこちらの方が群生が多い。

ネコノメソウもたまに見た。

イカリソウは赤みが強く、花付きがとても見事なものがあった。

エンレイソウはとても瑞々しい様子。旬を見ることができた。今年は開花を見ていなかったので嬉しい。

歌宿。ここがバイクで走れたら気持ちがいいだろうな。

徐々に進んではいるが、足を休ませながらで中々捗らない。

一昨年言ったイワンヤ沢の辺りの岩の露出が見事。石灰岩だと、植生も期待できそうなので、あの辺りの探索はとても楽しそうに思う。幕岩の稜線は登れそうなように見えたので、ここを経由して横岳峠まで拡張するのも楽しそうだ。

中央アルプスが見えている模様。まだ周回までありますね・・・。ついに足にまめが完全にできてしまい辛い。ショートカットを交えて、最後のお楽しみの地図にある建物のある歩道へ。

予想外に良い道だ。倒木は多少あるが、現役と言っても良いくらいだ。舗装路歩きより断然足に優しく気持ちが良い。薄暗くなってきたので、足早に。

お!!廃車!!タイヤは付いていない。建物は作業小屋もあるが、居住していた模様。

住まなくなって久しいのが見て取れる。

ここから道が不明瞭になりがち。

導水管のような黒いホースらしきものが見えたが、構わず駆け下る。

もう1カ所に出る。クリンソウが咲いていた。

住んでいた人が植えて愛でていたのだろう。何とも哀愁を誘う。そういえば、上の建物では、キツネノカミソリらしき葉があったな。

横長。こちらも結構な傷み具合だ。

やや下にある棟は、一応使えそうな様子だった。

電線の無い電線。上の建物には洗濯機があったので、ここから更に上に引いていた模様。地図では3棟しかないようだが、もっとあって小集落のような感じだった。

自然に帰りつつある道を歩いて、戸台大橋の袂へ出る。この道を歩けて良かった。

遠目に簡易ゲートに身構えるが、右から徒歩であれば楽々通過できた。

最短で駐車場所に戻ろうとしたが、そちらの道は、工事関係者以外は立入禁止とあったので、大人しくショートカットして上の道に出て戻った。

これもゆっくり見ると、登山者用の山荘が2つあって中々楽しい。

距離は長くなったが、ヘッデン利用にならず完了!

そして、今日の目当ての花は3種類全部見られて満足♪

シナノコザクラに・・・。

ホテイランに…。

ムシトリスミレ。

紅葉の時もまた特に良いと確信している。またその時期行けたらいいな。

嫦娥岳 / Argonさんの嫦娥岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ