夏バテしてきて、沢の爽やかさが恋しくなった。
シーズン一発目なので、感触を確かめることと、ある程度歩いて体力をつける魂胆。
行先は、ここ毎年行っている笛吹川東沢渓谷。
吊橋から見る鶏冠山は、見慣れて大人しく感じるようになった。
ハナチダケサシでしょうか。
鶏冠谷までの花を楽しむ。
鶏冠谷を見送り沢を行く。いよいよ水深が深くなる。
今日は気温が上がりそうだが、まだ涼しい。
顕著な滝前で、朝食をとりながら身支度を整えて・・・。
前回取付に何度もジャンプしたのだが、今回は一発で成功。
今日は、前回より水量が大人しいようなので苦労しなかったのだろう。
荷物が重くて少し大変だったけれど。
荷物を上に置いて、景気づけに飛び込む。寒くなってしまって、少し休憩・・・。
体温を回復しながら、おもむろに進む。
お待ちかね、ホラの貝ゴルジュ入口へ。
この色はいつ見ても美しい。日向ぼっこして・・・。
すいーっと泳いで上陸。
関門となっている滝も、明らかに水量が少なく感じた。
右壁トラバースのラインをチェック。
カチを上手く繋げて、足のフリクションを確認しながら・・・。
スリングが付いた一つ目のピトンの他にも2つだったか残置ピトンはあった。
ソロなので変な水流に巻き込まれるプレッシャーを克服し、完全フリーで無事突破。
これも飛び込んでもう一度登って楽しむことにした。意気揚々と飛び込んだものの、やっぱり寒くなって、震えが落ち着いてから。
空身であれば、全くここで落ちる気がしなくなった。
お次は・・・。
10mくらい先の岩に上陸できそう。
泳ぐ距離が長くなるのを嫌い、左から短縮を試みたものの、ぬめりで手前に着水してしまい、水流に流されてしまった。
大人しく水流の弱い右から泳いで凹角で休んでから一度這い上がった。
マントル力の衰えを痛感したポイント。
引き込まれないか不安だったが、やってみれば楽しく進めた。
次の区間も、突っ張りで楽しく。
水流は非常に強いが、水深は足が着く程度。
一度、流されてみると、やはり楽しい!
振り返る。
一ヶ所、写真を撮り忘れた3m程度の滝で、右ののっぺり側壁を上がってトラバース使用としたが、ぬめりがなぜかきつく、2回も水流で流されてしまった箇所はあった。ここは、左から泳いで進むのが良かったのかも。
余裕をもって、ホラの貝ゴルジュを楽しめた。
もっとびびって時間が掛かっていたら、このままウォータースライダーで帰ろうと思ったが、時間が結構ある。
地図を見てしばし思案。
結果、このまま、東沢支流の西ノ滑沢も行けると踏んだ。
コアジサイを見られる場所で着替えて軽食。
ミヤマカラマツですね。花はちらほら。
乙女の沢を通過。これは絶対アイス向けですね。
ここの岩壁は、毎度見事で写真を撮ってしまう。
岩に30㎝程度の大きな羽を見つける。トビなのか、タカなのか不明。
これは、序盤に見たハナチダケサシと同じ?
東ノナメ沢が見えてくる。存在感ありますね。
今日は水量は少ない。壁も乾いていて快適に登れそうだ。
水の色は美しい場所が幾つか。ここの出合は綺麗な場所の一つ。
樹林の中を見ていたところ、イチヤクソウっぽい植物を発見!
どんな花が咲くのか気になるー!何株かあるが、開花しているものは無かった・・・。
バイケイソウは元気良く咲いていた。割と散見。
ミヤマサナエでしょうか?いまいち判別が困難。
お食事中ですね。複眼や体に食い散らかしが付着しているのが印象的だ。
西ノナメ前沢。これもアイス向けと再確認。
ようやく、西ノナメ沢出合に到着。
ジリジリと暑い沢歩きは、ひとまず終了。
フリクション勝負でスラブを登れそうな気はするが、もう濡れる気はないので、滝の左から巻き気味で取り付く。
少し登って振り返る。滑り台した先は浅いので適さない。
ニガナ。ここは、花が多い!
オオヤマフスマはどこにでも。
傾斜が強い逆層の滑滝。そのまま左手を巻きで登る。
ヤマオダマキも何株もあった。
ワイヤーが多数。
これも登れないので、左の草付きをメインに上がっていく。
横から。観賞には良い。
日陰にはいくつもギンリョウソウが出始めていた。
この滝横には、残置スリングがあった。
これも無理ー。巻き巻き。
この滝上で、二俣っぽい感じで、左本流、右枯沢。
これより、今までのスラブ滝からがらりと様相が変化し、樹林帯の優しい雰囲気の沢となる。
こういう渓相も素敵。
すぐ上、水流を行く。簡単。
お次の滑滝は右の草付を登った。
余り濡れないで済みそうなので、水流を直登していく。
8mくらいかな。これは左を巻き気味に。
とても小さい花を見つける。これは何でしょうか。調べても不明!
30~40mくらいありそうな滑滝。
逃げやすい右を進む。
中々綺麗でサラサラ水音を聞きながら・・・。
顕著な大き目の滑滝はこれで終了。
以降、森の中の小川へと変わる。
苔の緑が優しい。大好きな様相。
スダヤクシュ。
この辺はとても多かった。
ゴルジュで遊びすぎた影響か、登りでは足が辛くなってきた。
癒し半分、苦労半分。
上部は、ふかふかの地面と崩壊で疲れた。
石塔尾根に乗って、石塔頭を目指す。
倒木は多くて、面倒臭い。
突っ切ったり、巻きも交えたりしながら進む。
石塔頭に到着。相変わらずの倒木。
お手製の標識や目印の一つでもあるかと思ったが、頭の赤い杭以外、何もなかった。
少し先にテープが見えたので行ってみたが、それ以外無し。
この先はいずれ。
さて、再び倒木処理がやや大変だが、戻って鷹見岩を目指す。
南面は植林らしく、当時の遺物が散乱している箇所が幾つか。
西滑頭が近づくにつれて倒木は少なくなったような。
三角点の手前には白い標石。
こちらが本命、西滑頭。三等三角点、点名『薊沢』。
西沢支流のアザミ沢からとっているようだ。
展望無し。手製標識がある。
小休止して先へ。
酒瓶が転がっていた。
空き缶もしばしば見る。
1880m付近、人工的な感じがする岩。何か彫ってあったのかも。
1810m付近、ここでも一升瓶が散乱していた。
小ピーク感あり、尾根が分かれる場所。
その後、多少展望が見える場所を通過。
東ノナメ沢が良く見えた。あんなの壁にしか見えないが、去年登ったんだよね。
遅咲きのシャクナゲが2箇所ほど。これは、旬!
シャクナゲ藪は稜線上にあるにはあるが、ほぼ回避でき、藪漕ぎという感じはしない。
何か岩があるなーと思って、右を巻いたところ・・・。
東には鎖が架かっていた。すかさず登る。
これが鷹見岩だったよう。
後ろは黒金山。
これはどこだ? 南東だと思うが。
主役は、鶏冠山だと思う。この場は石塔尾根の中で特に良い。
ここから先、少し目印が増えた感あり。
この先、吊橋まで尾根を歩くか、七ツ釜五段の滝付近に伸びる尾根を歩くかの二択。
尾根より沢派な気分だったので、後者を選択。
1650m高点から南東尾根を下る。目印は概ね視界内にあるが、不明瞭と感じるところもあった。
古い標識、岩へのペイント、空き缶などあり。
適当に尾根を下って西沢合流直前。
色々と整備しているようだったが、進んでいるのでしょうか。
橋は流されて、渡渉が必要な状態。沢靴で歩き続けて火照った足には丁度いい。
何年ぶりかに見た七ツ釜五段の滝は絶品だった・・・。
これは、名瀑百選に入りますよね。
釜無川支流の中川の七ツ釜も間近に立ったら、さぞや・・・。
おや、通行止区間だったよう。直前に穴が空いていた。
言われてみれば、序盤、滝見橋へ工事車両が通りますといった旨の標識を見た。
これは、一般的にアウトかも・・・。
こんな時間にいるのは、私のような酔狂な人間しかいないはずなので、トロッコ道の無駄に長い歩きを嫌って滝見しながら戻ることにした。
改めて、西沢渓谷って素晴らしいと思う。
これ、沢登りで来たら、極悪非道な沢だと思う。絶望的な滝の数々。
そんな沢屋目線で見ると、違った楽しみ方ができる。
タマガワホトトギスを発見!
暗いので、撮影条件は良くないが、何度もシャッターを切る。
その後は、お気楽に歩道を歩いて終了。
リベンジも余裕を持ってできたし、シーズン一発目の沢としては、いい出足だったかと思う。
ただし、もう少し歩ける体力とボルダー力を向上させておかないと、目標の沢には届かないと強く感じた。
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