最近、過去に訪問した場所がふと思い出され、気になって再訪することが増えた。今日もその一つ。それだけでは流石に物足りず、未踏峰なども組み合わせて向かう。
15年ほど前、御殿山に登った際、大雨にやられるのが怖くて急いでバイクを駆り帰路についたのだった。この時、横目で見るのみだったが、イワタバコのおびただしいまでの葉をよく覚えていたので、今回再訪するに至った。
行先は、南アルプス・フロントトレイルの源氏山付近から西。無理なく周回できそうな十谷を起点とした。
五開茂倉林道はずっと通れていない。西の奈良田からだと十谷峠まで車が入るもの、東からだとここまでだ。釣師と思われる車が数台。こんな所から登山で入る人などおるまい。北へと大柳川沿いの五開林道を歩く。
フタオモドキナミシャクでしょうか。中々、警戒心が強いよう。
それにしても、ここはイワタバコが凄い・・・。
こんなに花付きが良かったか?
ゲート前でもたくさんいたので、出発が遅れる。1カ月くらいは楽しめるのではないかと思う。
数キロ歩いて、目的の尾根である源氏山南東尾根に取付く。
沢登りでも楽しそうだが、釣り人が多いのが分かる掲示あり。沢を飛び石で渡り登り開始となる。林業の残骸のケーブル等見る。踏跡あるように感じる。
ふと、ミヤマウズラを見る。あと1ヶ月もすれば花が見られるだろうか。
イチヤクソウの葉も見たが、多くはなかった。
ウメガサソウも僅かに。これも少ない。アセビの葉に擬態しているように感じてしまい、発見しにくい。
自然林と植林が混在しているが、歩きやすくて良い。
のっぺり地形は植林地帯で、適当に登り上げる。そこそこの等高線の詰まりで、高度が稼げる。
勾配が緩むとアセビが茂る場所を通過。
間もなく林道に出る。
道路がまぶしい!!
尾根を歩いてもいいが、変わらず植林のようで、取付くのも面倒に感じてしまい、林道を歩くことにした。
ニシキウツギが斜面から見下ろしていた。花はこのくらい。
じりじりとあぶられ、照り返しにも暑さを感じる・・・。
あれがもう源氏山のようだ。林道はまだ続くが、そのまま尾根を行く。
吹付がまぶしくて、何だか転がり落ちそうになる。振り返っての一枚。
アセビがかぶさるが、短距離の登り。
東側には伐採された山肌あり。あれはどこだ・・・?
すぐに林道に合流。尾根のどちらから登るか検討して、向かって左の吹付が切れたところから金網を掴んで登り上げた。
尾根上すぐに目印が見られる。右側が自然林のようだ。植生はどうか・・・。
ギンランを発見。3株見つけて、花は2株。
これは何だったか・・・?
そして、恐らくツバメオモトらしき葉を見た。かなり元気そうな株だった。
近くのツクバネソウは少々遅い模様。この一角、食害に遭わない場所に見え、植生が違う。こうまで違うものか。岩も出てくると、ギボウシもあり。
完全に自然林に置き換わる。着生ランがいそうな木が多数あったが、見つけられなかった。きっといるに違いない・・・。
薄暗くピンボケだが、ヒメミヤマウズラを多数発見。小さいが不思議とよく目についた。イチヤクソウも混在しているような場所。
源氏山直下は整備が十分。富士山展望地までこんな風になっていた。富士山自体は今日は頭が僅かに見えるのみ・・・。
味のある山頂標識を見る。山梨百名山の標識は立派に感じた。
登山経験が浅かった当時、さらりと通過してしまった。今見返すと何ともお粗末な感じだった。今回は先程同様にじっくりと観察しよう。
3000mクラスが並ぶ。赤石に荒川。去年、やっと触りに行くことはできた。
イワカガミは遅い。この標高では当然で、花は完全に散った後だ。余り多くはなかった。
イチヤクソウらしき蕾を見る。ちらほらと混じる。樹林は中々気持ちが良い。
林業用の廃材が散らかる。南側は植林だ。
スズシロソウ?
ベニドウダンが登山道に咲いていた。良く目立つ。これは嬉しい。地面に散った花を見る方が多いように感じている。
ここがトラバース道の分岐だったが、少々行き過ぎた。ロープが張られて廃道になってしまったのか?林業で地形が削られたり掘られたりしている。距離が遠くなるので、ロープに関係なくトラバース道を当然のように選択する。
が、これが中々面倒な崩壊地を通過する。
南アルプス・フロントトレイルにはお馴染みの景色だ。2箇所そんなところがある。目印はあるが、基本的に道は無いようなもので役に立たない。
靴のソールがボロボロで、砂が乗っている下が硬い地面だと危なくて時間が掛かってしまった。それでも、わざわざ100m高度を上げて足馴峠に下るよりは良いと思われた。
クワガタソウを途中で発見。それほど多くない。
カラマツ植林で、面白い植物は他にほぼ無いですよね・・・。この写真でもどこに道があるのか分からない。足馴峠の直前になると道があった。
足馴峠。水瓶のようなものが残置される。標識は南アルプスフロントトレイルのもの。
格段に歩きやすい登山道を南下する。
カラマツは保護されている場所あり。新緑も終わりですね。
自然林も混じる。100m未満の起伏で、道は良く歩きやすい。どんどん足が進む。
1821mは岡松山。展望無し。さっさと先へ。
中々に良い樹林である・・・。楽しみつつ、どんどん進む。
1854.6mは倉尾山。三等三角点、点名『尾城』。
三角点の上には富士山が写る。源氏山では頭が僅かに見えるだけだったが、見える部分が多くなっていた。頂上は周辺の木々が伐採されており、展望が得られる。
手前は雨ヶ岳や毛無山の稜線でしょうか。
手前にあるのは、御殿山や富士見山でしょうか。
西側の展望もまずまず。ここでも3000m級が見える。
この辺の展望を楽しみながら小休止。満足して先へ。
倉尾山直下、やや西向きの歩きやすい尾根に引き込まれるので、ここに標識。
登山道ではない尾根は、とても楽しそうに地図上では見える。
トラバースしたり、斜面を急降下したり・・・。それでも、ロープで整備されているので、ルートファインディングは必要ない。無ければ中々厄介。これも、フロントトレイルらしいなと思う。
巨木。立派。思わず見上げてしまう。
その先、休憩所。片方のベンチがなぜかひっくり返っている。
ここも伐採されて、富士山が見える。今日はもう展望はこちらは期待していない。
ツツジの咲き残りを楽しむ。尾根は変わらず歩きやすい。
植林だが、ある程度の管理はされている様子で、幼いものは囲われる。ただし、破れているところがあり、行き届いているとは言えないが。
ここからの景色は良く、笊ヶ岳など遠望。
あのどっしりしたのは別当代山でしょうか。
鞍部にも標識。トラバース道もあるようで、エスケープと書かれている。無論、尾根上、本線を行く。
僅かな登りで、1534m高点へ。展望もなく地味なピーク。
十谷峠へ向けてもう少しの下り。何と峠で幕営している人が複数いた。邪魔しないように軽く会釈して林道に降りる。
ここの標識は立派だ。十谷側を見ている。逆はゲートががっちりだが、そこまでは西側から入れるはず。
この時間の信頼性はどうだろうか。十谷集落へ車で30分もかかりますか・・・。ここから南は、富士見山まで歩いているが、また歩いてみたいものだ。
さて、ここから十谷側へ林道を数分歩いて、尾根を下る。地図には点線で道があるが、入口の様子は既に廃道感あり。標識も当然無い。
概ね植林で手が入っているようで、地面には間伐された木が転がる。見通しが割と良い尾根で歩きやすい。尾根だし、点線が引かれたほどなので、それなりの道があったのだろう。
傾斜は急と言えないが緩くもない感じであり、九十九折の箇所もあり。ただ、途中でよく分からず、適当に歩きやすい場所を下った。
400m近く高度を落として、林道に合流する。ガードレールを跨いで尾根をそのまま下る。
こちらの方が植林で殺風景な感じがする。相変わらず、道はあるのかないのか。
尾根上、保護ネットが現れる。比較的大きく囲ってある模様。中に侵入するのは気が引けるので、外側を沿って歩く。そのうち無くなるか適当なところで中に入るかなと進んでいると、角が絡まってご臨終して頭部だけになったシカに遭遇…。もうここしかないと思う場所に都合よく穴が開いて目的の尾根を辿る。
岩が転がる付近を破線路はトラバース気味に付いているようだが、さっぱり分からないので、そのまま尾根を直進。間伐材など混じり少々下りにくいが、お構いなしに下る。最後がちょっと急。黒いホースに導かれ、建物が見えてそこ目掛けて降り立つ。
この脇に出た。奥には渡るのに怖そうなつり橋。
源氏の湯の敷地の露天らしき設備など見ながら下流へ。
下流側の「ゆうぎりばし」と書かれたつり橋は現役で揺れを楽しみ渡る。どうやら、源氏の湯は営業しなくなって数年は経過している模様。旺盛なヨウシュウヤマゴボウが何だか悲しい。
ここから林道歩き。花を再度楽しみながら戻る。
ヤマタツナミソウでしょうか。
ウツギがとても元気。咲き誇る。
シモツケ。山で見ると、初夏を感じる。
水量は多くはないが、湧水のような場所もあって良い。そろそろ、沢登りで予定が組めたらいいなと思わせる。涼しげで良い。
銚子口二段滝は、この時期、林道からは殆ど見えないので、割愛。行くならば新緑初期か、以前のように晩秋が良いだろうか。
この界隈、十谷では山王という廃集落があるので、秋か冬に探索したいものだ。
源氏山・岡松山・倉尾山 / Argonさんの源氏山(山梨県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ