遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

大黒山 偃松尾山 笊ヶ岳 小笊 大金山

脚力と体力の衰えがどんなものだろうかと不安になっていたこと、未登藪山や長距離登山を暫くしていなかったことがあって、ちょっとハードな山行を計画。

南アルプス白峰南嶺―笊ヶ岳をメインとして、東に延びる顕著な尾根上にある大黒山と大金山をやっつけることにした。

先日、沢をご一緒したお二人が、少し前に偃松尾山をハードな日帰りをされていたことで、未登となっていたことを思い出した。何年か前に直近まで来ていながら踏まなかったのを後悔していた。そんなことも発端にある。

 

メリットは・・・。

  • 体力・脚力の現状把握および維持
  • 未登である大黒山・偃松尾山・大金山が一度で片付く

 

当日は夜から所用があり、下山は16時にしておかねばならない。

逆算すると、出発は2時前にはしたい。

仕事を終えて準備等して、結局、睡眠取れずに出発となった。

駐車場所は路駐になったが、問題ないだろう。

無駄に変な道を選んで、保川に架かる吊橋を渡る。

十分に現役。蜘蛛の巣が鬱陶しかった。

鈴を付けて保川右岸の林道を歩いていく。路面状態は悪くない。

途中、作業路らしきものを見た。ちょうど、大黒山から東の1316.3m三等三角点『小屋平』から伸びている尾根末端だ。これを利用してもいいかもしれない。

スタートから2kmほどで林道終点。

当然真っ暗なので、どこから対岸に渡るか悩む。

道はあるような感じだが、外れて適当に沢を飛び石で渡った。

渡ったらすぐ上に吊橋が架かっているのが見えた!

ちょっと怪しい様子だが、知っていたら渡ったかと思う。

ここはいつから登山道として利用されなくなったのだろうか。

ここから尾根登り。踏跡は幾つもあるが、本筋っぽいのを選んで登る。

中々の急な登り。ロープがあるのを幾つも見る。

作業小屋が潰れたのだろうとこの時は思ったが、どうやら山ノ神だったよう。

ケーブルも散見。洗濯機らしきものも転がっていた。

800m~900mが地図通りにかなりの急勾配で手も使いながら登る。

こんなネットが張り巡らされている場所も通過。

林業盛んな頃のものでしょうか。

どこかの台地に作業小屋があったような痕跡あり、ケーブルやら何やら転がっていた。

歩きやすくなったが、アセビや倒木が出てきてやれやれ・・・。

真っ暗なので、どう回避すれば楽なのか分からず、たまに捕まってストレスを感じる。

歩き始めてしまいさえすれば眠気は抑えられると思ったが、少し足を止めると、あくびも止まらない・・・。

4時半くらいには眠気がピークになって、三角点手前で危うく寝落ちしそうになった。

植生も変わってきて、亜高山域の様子。

三等三角点、点名『大黒山』も無事に発見した。

やや下にあること、起伏もあり、5分程度を要した。

ここからは歩きやすく感じる。先ほど、僅かだが意識が飛んだようで、若干眠気が軽くなった。

倒木や灌木が密度が濃い部分は容易に回避できた。

大黒山は、のっぺりしており、どこが最高点か分からない。

多分、この辺か僅かに手前のよう。

5時には到着するだろうと思ったが、10分ほど届かず。

何と、大黒山の少し西でテントを張っている人がいた!これにはとても驚いた。

しかし、この尾根に大きなザックでは難儀しそうだなと思う。

灯りは付いており、話をしてみたい衝動に駆られたが、静かに楽しみたい人も多いので、止めておいた。

その後も特別変わらない道。

朝焼け。振り返る形になるので、ご来光などは拝めない。

徐々に明るくなり、ヘッドライトが要らなくなった。

こんな様子。ずーっとこんな感じ。

ここは植林だろうか。保川沿いの道が現役だった頃は、この一帯にそれなりに人が入っていたのだろうと思う。

ふと、樹林の間から富士山が見えた。嬉しい。

そして、下山路のランカン尾根。アップダウンがちょっと面倒そうだ。

一番強く抱いた印象は、当然ながら「長い」だ。

幕営するには事欠かない程度には適地あり。

大きいザックだと辛いだろうが。

展望地は一部にあった。

黒桂河内を挟んだ向かいの尾根もちょっと気になるが、その先の山は?

鋭い北岳が目を惹く。

白峰南嶺らしい景色。とても好きだ。

うーん、偃松尾山はあのピークの先でしょうか。

自身はないが、どうやら東岳悪沢岳)かな。

蜜な場所はあるが、日帰り装備なら楽勝ですり抜け可能。

稜線の藪がきつい箇所が多いので、尾根の左(南)をトラバース気味に登って稜線に復帰というパターンで進んだ。

たまに岩が出るが、登りやすいところがすぐに見つかる。

偃松尾山の手前の崩壊地。地図にある場所。

ここは、紅葉もそこそこ楽しめた。ちょっと時期は早いか。

しかし、何といってもここからの笊ヶ岳が素晴らしい。

手前の尾根は、廃道になって久しい大武刀尾根だろうか。

保川の遡行と合わせても抱き合わせにくいところだ。

偃松尾山まで残り100m程度の登りなので、ストックは藪に備えて畳んで上がる。

しかしながら、踏跡は上部の方がむしろ明瞭であり、倒木も殆どなくて歩きやすい!

結局、藪は拍子抜けで偃松尾山に到着。

ヒッチ氏の標識付近が最高点には感じるが、同じような高度でハイマツが幅を利かせている。

生憎と藪漕ぎは遠慮したいので、左よりに少し下ってから、登り返して容易に回避。

そこには、標識あり。

そんなことよりも、その先の展望が気になっている!

大展望が広がる! 待っていました。

中央の荒川岳の立派なこと・・・。

右から順に・・・。

塩見岳

県道出発の伝付峠越えの日帰りでは、私には蝙蝠岳がせいぜいだろう。

赤石岳。赤石沢は絶対に行きたい!

左:上河内岳、右:聖岳聖岳東尾根は登らねば・・・。

存分に楽しんで登山道に復帰しに向かう。

ハイマツは余裕で避けられて、薄い踏跡を利用でき、ここも拍子抜け。

登山道に無事に合流し、登りの核心は全てこなした。

笊ヶ岳まで、まだ概ね200mほど下って、300m高度を上げることになるが。

ここからの登山道は樹林が好みの区間だったことは覚えている。

ペースアップを図るが、紅葉に足止め。嬉しい。

立ち枯れの木も覚えている。14年も前だがそれだけ印象に残っている。

水場の標識。どの程度下るのでしょうか。

紅葉と富士山の写真も撮れた。

富士山にはそろそろ雲が纏わりつきそうな様子だ。

その後も写真撮りまくりで足がたびたび止まる。

この紅葉の素晴らしさよ。

下に目を向けても、また良し。

キノコはたくさん。

足元の紅葉も・・・。ゴゼンタチバナも葉を赤くしているものがあった。

モノトーン。

椹島への分岐。目印は先に新しいものが追えた。

西の倉沢はとても厳しい沢なので人生目標かな。

登りでも足が止まり、いよいよ森林限界を迎える。

足元のヒカゲノカズラに迎えられる。

振り返れば・・・。

見事な展望が再度広がる。

今回一番の紅葉! たまらない。

登りをこなし、笊ヶ岳で登りの終点を迎える。

静岡県の立派な標柱は、14年前は黄色で綺麗だったが、色褪せていた。

二等三角点、点名そのまま『笊ヶ岳』は、標柱の傍らこじんまりと佇む。

ゆっくりと休憩と食事して、展望を楽しむ。

手前の偃松尾山の奥中央は間ノ岳北岳、脇を塩見岳鳳凰山が固める。

左から、上河内岳、聖岳赤石岳と並ぶ。

左:赤石岳、右:荒川岳。特にこの2座の重厚感は見事だ。

荒川岳は大きい・・・。右の東岳悪沢岳)は独立した山のように見えるほど。

布引山は左に切れているので、前衛は青薙山か。その奥は大無限山で、右にちょっとした鋭峰っぽいのが大根沢山、その右の双子峰っぽく見えるのは信濃俣だろう。

最奥の稜線は、黒法師岳辺りが見えているのだと思う。

甲府の街が見える。手前には先ほど通過した大黒山、その先に南アルプスフロントトレイルの稜線、甲府盆地を挟んで、奥秩父の稜線まで。

最後に、これから下るランカン尾根方面。

小笊の先に富士山。これをまた見られて良かった。

左奥は丹沢か。その右手前に毛無山。富士山を挟んで、奥には愛鷹、その手前は天子山地となるか。

さて、下山も長いので、ぼちぼちと下る。

ゴゼンタチバナの実がここには幾つかあった。

踏跡は明瞭で問題なし。

本日のメインの偃松尾山。奥は左から、千丈ヶ岳・間ノ岳北岳

登り返しも踏跡明瞭でさくさく。

途中から振り返る。

青い標識は古いが、過去に見た記憶はなく、子猿の手製標識だけだったような気がするが、写真を撮っていないのでどうだったのか。

割れて片側は落ちていたので、そんな時期だったのかも。

頂上はもっと藪が被っていたと思う。

最高点は藪だが、踏跡があってしっかり踏んだ。

小笊を振り返って一枚。

数メートルはシャクナゲとハイマツに邪魔されるが、すぐに消えて歩きやすくなる。

小笊も下から振り返って一枚。

結構、紅葉している。

歩きやすく、雰囲気の良い樹林帯。

目印はたまに見られる。

写真は相変わらず撮りつつ進む。

この標石は恩賜林でしょうか。2つ見たので、恐らくそうだろうと思う。

巨木も一部で見る。好きだなー。

この樹林ですよね。

苔も交えて、これまた良い。

倒木もあるにはあるが、気にならない程度。

足元にはイワカガミがとても多い。開花時期は、さぞや見事だろう。

2261m高点の先の右(南)が崩壊しており、そこには花が見られた。

リンドウ。5つほど花を見つける。

イワシャジンは2株花を咲かせていた。風になびく上、危険な場所にあるので思うようにいかなかった。

ヤマハハコやリュウノウギクらしき花も見えた。

そこからの景色も中々。

となれば、県境の山が見えているのか。

その辺を振り返る。

横に行き過ぎると大変なことになるので、慎重に通過した。

ここからの登り返し、地味に辛い。

2125m。特に何もない。ほぼ変わらない植生。

同じような様子で道が続く。

そこから北東の小ピークには、やはり恩賜林の標石でしょうか。

三角点までに、怖いところがあった。

ギャップになっており、ルンぜが恐ろしい高さで下に見えた。

睡眠不足の影響でフワフワ感は変わらないが、緊張感が上がり眠気はやや薄れた。

ずっとこの歩きやすさならと少しでも考えてしまって何だかな。

たまに人工的な柱があった。何を目的に設置したのだろう。

割れた一升瓶が転がっていた。こんな高度まで林業でしょうか。

三角点まで、地味な登り・・・。

三等三角点、点名『青閊』。木製プレートは、静大ワンダーフォーゲル

再度眠気が出てきて、少し目を閉じると危険を感じた。一瞬で寝落ちするやつ・・・。

食料と水はたくさん持ってきたので、消費していく。

周囲を見ると、錆びた一斗缶が転がっていた。

三角点から300mほど歩いた地点は、要注意と地図を見て思っていた。

新旧三連で目印があった。ここは、やっぱり皆が気を付ける地点だ。

急な斜面を小尾根に引き込まれないようにしながら注意して下る。

植生も変わり、アセビが混じり、植林カラマツが出てきた。

これ、笹山東尾根と全く同じ印象を受けた。

大金山が近くなり、鞍部のような場所へ。

目印あって、何だか作業路らしき道あるなと思ったら・・・。

予想以上に立派な作業路だった。

大金山の北西を巻くようについている。

南はアセビの藪っぽさがあり、気が進まず北から最短で踏みに行く。

幸いにして、直下まで林道が巻くようにそのまま続いており、外れて僅かで踏むことができた。

大金山の最高点には、赤テープが巻かれていた。

先はさらにアセビが高密度であり、これが最適と思われた。

ここから、まだ900m近くを下げねばならない。

ここから、稜線上を暫く歩く。

アセビのトンネル。速度を落とさずに歩ける。

その先、崩壊地の際に出る。

早川を眼下に、前の山は富士見山の稜線が続く。

振り返る。左の山は七面山辺りか?

稜線上を少し進むが、左に林道が見えて、そちらを進むことにした。

幼木は育ちつつあるが、気を抜いて歩けて助かる。

1156m高点から北東尾根を辿るので、途中で離脱。

200mほど高度を落とすと、注意している地点。

直進した方が自然な感じだが、右の間伐・倒木の多い尾根へ。

これが中々歩きにくい。

こんな倒木もあったり、一部はアセビが被さってきたりして・・・。

かと思えば、一転して。

こんなに歩きやすくなる。

765m高点手前に、色々人工物が多い場所。

今回初めて、境界見出を見た。

目印は右へトラバースを誘っているが、先は開けている様子なので行ってみると、反射板があった。

そこから稜線上は藪っぽい様子で、戻って目印通りに進むことにした。

先と比べると、高度がとても落ちたのが実感できる眺めだ。

ママコナが咲いていた。稜線上にもたくさんあったが、花は散っていたので、ここで見られて嬉しくなった。日当たりはとても良いので、こちらが早く散りそうなものだが、分からないものだ。

植林の中をトラバース。道は細いが問題なし。

ただ、一部歩きにくい・・・。

鉄塔を通過。

その先、小屋を右に見て少し下ると林道が見えた。

突っ切れば最短だが、この道がどこへ出るのか気になり辿ってみる。

スイッチバックで社があり、呑気に眺めていたが、何と入口付近にスズメバチの巣があり飛び回っていた!最後に襲われないで良かった・・・。

高圧線の作業路を兼ねていたものらしく、ここから出た。

寺の敷地と思しき道を抜けて、車道歩き少々で駐車場所に到着。

イムリミットにも間に合わせることができた。

ヘッデン利用で長時間行動も何とかこなせたことで、同程度の山行は、そこまでストレスなく計画できそうだと分かった。

幾つも県境山梨側の尾根上にマイナーピークがあるので、もう少し頑張りたいと思う。

差し当たり、大唐松山から農鳥岳が行けたらいいかな。

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