今回、去年の宿題になっていた2つを組み合わせて、しっかり楽しむことにした!
南アルプス前衛の高山、行こうと思っていたが、結局行けず仕舞い。そして、ドノコヤ鉱山は、11月に呑気に向かったが、不発というお粗末な結果だった。
高山の南西尾根は、すっきりと西山温泉まで落ちている。これは末端から登りたいと思い、様子を窺うが、工事車両などが多くて駐車場所が何とも難しい。結局は、メジャールート?の奈良田の丸山林道始点から出発して、二等三角点『南城』へと登ることに。
林道を上がるのは好まないので、さっそくショートカットを仕掛ける。獣道を利用して問題なく。倒木なども殆どなく歩きやすい。
キランソウでしょうか。開花時期には既に遅いと思う。
架線から鳳凰山方面を眺めている。今日は30℃超えの暑さだそうなので、気温が上がりきる前に登るに限る。
植林の中には、ミヤマウズラらしき葉もいた。
3回目のショートカットすぐ上、整備されて日が浅い状態の場所。
4回目の最後は、法面の金網を掴んで登り取付いた。
尾根歩きが快適だ。歩く人もそこそこいそうなので、安穏としたものだ。
ギンランを発見!この周辺、2株だけ・・・。
ツツジが彩を添える。新緑には少し遅いが、それでも綺麗だ。
あれが、点名『南城』か。カラマツは新緑に近く、結構綺麗だ。アセビもまだ新緑の域と言えるか。
どうせ、ハシリドコロとか、フタリシズカしか無いんだろ…、と思っていたが、こんなのを見つけた!!花は散っているが、これには驚き。富士山麓の群生にも匹敵する規模かもしれない。こんな分かりにくくて林道も通れぬ場所まで盗掘にわざわざ来るまい。再訪することを誓う。
まずは、二等三角点、点名『南城』(1653m)に到着。一息入れる。直下辺りは、アセビが多い。やや上には、アルミ梯子があった。林業の際に利用したのだろうが、何とも・・・。
そのすぐ先には、電波設備らしきものがあった。現役感は出ている。
花はほぼ無いが、ギンランをまた発見。ここでは3株発見。
ツクバネソウは一部にたくさん咲いていた。戸台川でも見ていたが、開花にはまだ遠い状態だったな。
尾根上、樹林越しにしか見えなかった山が・・・。
やっと拝めた。
その先、ゴミ・・・。
一升瓶がたくさん。かなりの量。
林業用の遺物もすぐ近くにあった。丸山林道が通れていれば、この辺の管理は難しくなかったのでしょう。
新しめの標石があった。恩賜林の標石もあったように思う。
境界見出標は、そこそこ年季が入っていた。標識見たのはこれだけだった。
呆気なく、高山へ到着。解散した甲府ワンドラーの標識が迎えてくれた。
植林標識に、三等三角点、点名『高山』がある。展望は無い。さして面白みはないので、先の崩壊地へ向かう。
途中、富士山が見えた。
右ののっぺりは、丸山のようだ。1910.8mとこちらより高い山。富士山手前辺りが源氏山になるのだろうか。
崩壊尾根を少し下って見上げる。崩壊は進行形。浮石に乗って転落しないように・・・。
ツツジがあるが、ほぼ散っていた。左奥には、笊ヶ岳が遠望できた。足元が余り良くないが、ゆっくり眺めてしまった。
その後、一箇所、崩壊して痩せ尾根になっている場所があった。ここも数年経てば通行が非常に困難になるかもしれない。
そこからの景色も良かった。早川尾根から北岳も。中央は甲斐駒ヶ岳だろうか。
その先は、植林で安全。まったりと歩く。この様子は、南アルプスフロントトレイルでも特に歩きやすい場所と似ている。
見覚えのある場所。南アルプスフロントトレイルに合流した。去年通過時は、食料が無くてヘロヘロになっていたこと、先の崩壊を見ると、無理に往復などせずに良かったと思った。
イワカガミはたくさん見るものの、既に散っていた。
前回通過時には、こんな所を・・・と思ったが、今回は利用してサクサクと通過。相変わらず、地面は緩く面倒ではある。
さて、ドノコヤ峠を見下ろすと、どうにもガレ沢で歩きにくそうで気がすすまない。展望が良いので、楽しみつつ、少々思案。
今年も少しずつあちらの尾根にあるマイナーピークを倒していかねば・・・。
結局、峠手前の小尾根から沢を見下ろしながら下ることにした。
たまに、ザレて歩きにくい場所はあるが、概ね平凡な尾根だ。
ふと、目印を発見!歩く人いるんですね。あのガレ沢では、無理もないと思う。考えることは一緒かな。適当に下って、末端まで問題なく。尾根取付にも目印があった。
沢は水は十分流れており、汗を流して小休止。
振り返って1枚。下からだと穏やかそうに見える。
ドノコヤ沢の上部も平凡な沢歩きに終始し、前回の石積地点へ。
フタリシズカが生い茂っていた。この辺から水平に道がある模様。しかし、そんな明瞭なものはなく、獣道でも薄いと思うレベル。この辺も地面が緩くザレており、歩きにくい場所が度々ある。ロープがあった場所も通過したが、用をなさない。一応、それがルートと分かるかな…。
やっと遺物を発見!どうやら、火薬庫だったらしい。私が見ても何なのか分からない。
上を見上げると、ケーブルが見えて行ってみたところ・・・。
石積が広範囲に広がる。ツツジが今回も虚しい朱色で彩る。
既に倒壊した建物が少し下に。
上には横長の建物。倒壊しかかっている。完全に潰れる前に拝めて良かった!こんな場所に分校や商店があったのか…。
この周囲にもまだ石積が広範囲であるのを見送り、火薬庫付近まで戻って、再度トラバースしていく。年季の入った目印があるが、踏跡はあるのかないのかというレベル。
やや上が黄色くそして、ハイライト!
坑道入口らしき箇所を発見! 奥に入る勇気はない・・・。
西にやや移動したところ・・・。
もう1つ発見。ここには水が溜まっていた。塞がれている?
更にもう1つ隣にもあった。どうやら簡単に見つけられるのはこのくらいのようだ。黄色い岩が捨ててある斜面へ向かう。
ずり場というそうだ。よく掃き出したね・・・。
当時の人もこの景色を見て仕事に励んでいたのだろうか・・・。感慨深いものがある。
周囲を見ながら下っていく。
すると、数段になっている城跡のような場所へ。これだけ斜面を均して石積組むのはさぞや大変な労力だっただろうと思う。
何に使用していた機材なのだろうか。ヤンマーのもの。
採掘した鉱石を砕いたり運んだりしていたのだと思う。
この遺物が失われてしまっても良いのだろうか・・・。保存の価値は十分過ぎる。
大正時代から恐らくはあるのだろう。それがまだ石積は健在。凄いことだ。この辺、水平に歩いてみるが、これ以上はよく分からない。
さて、ドノコヤ沢までどうやって降りるか。前回見た崩壊地を下るのは余り気が進まないので、少し上流側から沢型利用してガシガシ下った。これ、バリエーション登山しない人であれば、冒険の域にも感じられると思う。
ドノコヤ沢から遺構がある場所を眺めるが、とてもそんなものがあるとは思えない。今回見ても、印象は変わらない。
クワガタソウでしょうか。幾つか見られた。
大滝は過ぎてしまったが、次に大きな滝を見る。遡行価値としては薄いが。
もう勝手知った内容で、出合まで難なく。
ところが、そこには驚愕の光景が・・・。
こんなの、渡れないよー!! 足をすくわれずに渡れるのは、腰が限界だが、これは水量も水勢もそれなりにあるので、深さはともかく胸以上となって流されること必至。沢登りで何度も経験しているので、危険は本能的に察知している。沢装備が充実していれば話は違うが、今日は全身水没して死に物狂いで泳げば、何とかなりそうかな、というや博打染みた選択。周囲の様子を観察するが、おいそれと渡渉できる場所に行けるわけもない。へつりで上流に行ければ何とかなりそうだが、そこに到達するまで、どれだけ登り返して下れば良いのだろう・・・。
ひとまず、過去に見た記憶を呼び起こし、植林が見えた下流ならば芽がありそうと踏む。が、そこに至るのに、1045m高点近くまで登るのもうんざりするが、試してみるしかない。結局、そこまで高度は上げず、森林鉄道の跡と思われるトラバース道をきわどく進んで小尾根を下り下流へ。だいぶ渡渉できそうな雰囲気になってきた。そして、2ヶ所ほど目星をつけて、最終的に腰ほどで対岸へ渡ることに成功した。
渡って一枚。とても疲れた・・・。主に精神的に。渡渉が本当にできないとしたら、高山まで1000m近くを登り返して下山するしかなかった。そうなったら、下山はどんなに順調であっても20時は過ぎるだろう。登り返す尾根がおいそれと楽に登らせてくれるとも限らず、下手したら遭難に近い状況になるところだった。近年稀に見る危機的な状況を回避したことに安堵。道中の車から見ていた早川は特別増水している様子がなかったし、過去の様子からもこの状況は予想だにしなかった。幸運以外の何物でもなかった。
ともあれ、数年来訪問を切望していたドノコヤ鉱山を見られて大満足♪ 芦安山岳館で再度知識を補完して、芦安から再訪してみるのが楽しみだ。
高山 ドノコヤ鉱山 / Argonさんの高山(山梨県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ