何年かに一度、白山周辺に遠征に行っている。
笈ヶ岳に過去に登った際、南に繋がる稜線に魅了された。
今回、深夜出発、日帰りにて、登りに行くことにした。
高速道路の深夜割が使えるので助かる。
大窪から出発。鶴平新道というらしい。
標識はないが、入山場所は調べてきたので、迷わず進む。
イワナシがたくさん。開花まで少し早い。
カタクリも多く見られて、帰りに楽しもうと思う。
暫く登ると、ブナ林が素晴らしい。雪は出てくるが、傾斜は緩く、つぼ足で問題なし。
朝日が昇る。
このトラバース箇所で、アイゼンを装着。
冬シーズン、一度も使わなかったので、装着が新鮮に感じた。
猿ヶ馬場山とか、人形山など見えているようだ。
どんどん高度を上げる。まだ気温も上がらず、快適。
ショウジョウバカマ。これは鮮やかな株。この分では、山中で楽しめそうだ。
三方岩岳からの稜線も良く見えるようになる。
左手に目をやると、新緑に残雪。ツリーホールが面白い景色だ。
向かう稜線も悪くない。まだ結構登るよう。
左手には、三方崩山の稜線。
奥三方岳が見事。あの界隈では、高度があり、同定しやすい。
あれに登ったのも、もう4年前。白山本峰は5年前になるのか・・・。早い。
主稜線までだいぶ近付いた。
何とスミレ。黄色のスミレのどれなのか不明。
カタクリも稜線上にある。これはいい!!
白山もよく見えてきた。
意外とまだ登らされる。ここが、赤頭山だった?
振り返ると、どうやらそうらしいことに気付く。
奥は、猿ヶ馬場山。尖っているのが、籾糠山らしい。
雪のつき具合を見ると、この時期はてんで遅いんだなと痛感する。
やっと分岐に出る。高度についても1000m上げてきたので、それなりに時間がかかってしまった。
この先、藪は出ているが、どんな状況か。
目に付いた赤い実。何のでしょうか?
ほぼ、雪面を歩け、夏道も少し利用できる。
飛騨岩が見事。
馬狩荘司山。本当に通過点という感じで、山頂感なし。
最高点は雪面で、何もない。
振り返って、野谷荘司山。スキーでは美味しそうな斜面をしている。
三方岩岳、間近。
雪が少ない場所は、夏道で問題なく進める。
何とか、鳥も撮影!!休憩がてら、少し粘ってみた。
ウグイスの鳴き声もあちこちから聞こえる。
それにしても、白山の重厚感は見事。
中でも異彩を放つ、写真中央にある、火の御子峰。これ、何とか登りたい。
ヤマレコで超人的な記録を上げておられる、スーパードクターでも、単独では無理だったと話している。この残雪期においても、あの一角に雪がないことが、どれだけ危険な領域か窺い知れる。
さて、三方岩岳、着。二度目の訪問。
雪がこの辺全く無くて不思議だ。
振り返ると、まぁまぁ来たらしいことが分かる。
地図から察するに、猿ヶ山のようですね。
この界隈、まだまだ疎い。
白山、やっぱり見事。夏季~秋でこんなに展望が見られたら最高なんだけれど。比較してみたいものだ。
岩屋を眺めて・・・。
さあ、展望地から、向かう稜線が一望。地図と照らし合わせて、確認する。
概ね概要は掴めた。右奥は、大門山?
仙人窟岳の手前、ちょっと藪が幅を利かせているような・・・。それに、山っぽく見えない。ただの笈ヶ岳の前座に過ぎない印象。現地に行かねば分からないか。まぁ、何とかするしかない。
夏道が出ていたが、すぐに雪面が広がる。適当にハイマツを突っ切り、尾根を下る。
雪の上をなるべく歩く。しかし、暑い。
これ、暑さ大丈夫かな・・・、と一抹の不安。
懸念した点については、藪・暑さともに後に苦しみ、的中することになる。
雪が無い場所には、カタクリ。しかし、ここは登山道上のはず。
開花期、訪れる人は如何ほどか。
振り返る。帰りは、あれを登らねばならないと思うと、ちょっと憂鬱だ。
展望台があった。私は、白山ホワイトロードは通行金額、中々のお値段なので、おいそれとは来られないが。
ここからは、夏道・一般登山道がないので、楽しみ。
日焼け止めをこってり塗り直し、一息に登って、瓢箪山。
特別な山頂感はない。
新雪は埋まるので、回避しつつ進む。
振り返る。照り返しがきつくて、暑くてたまらない。少しだけ風があるはずな上、高低差が少ないのに、これは…。
雪は藪を埋めるに十分なので、恩恵の方が遥かに大きいが。
そこが、国見山で、こちらも山頂らしさは感じず、通過点という印象だ。
まだ歩きやすい。
雪壁のようになっている場所はしばしばあるが、ピッケル駆使して、ガシガシ登る。
高さは3m程度で超えられない箇所はないが、いちいち疲れる。
笈ヶ岳くらいまで、まだこの時は行けそうな気分でいた。
さて、国見山の少し先の1690mピークから見下ろす。
まだ結構、仙人窟岳までありますね。
ここからの下り、雪面が崩壊していて、直線的には行けない。
1530mくらいまで高度を落とすのが勿体ない。
藪も突破しつつ…。一気に疲労度が上がるので、景色を糧に。
人形山でしょうか。あれも、行きたい気持ちが強くなった。
藪はどんどん手強くなる。雪を利用したいが、ブロックが崩壊していくのを数回見るので、余り気が進まない。
加えて、息が整うと、眠気が強く、あくびしながら藪漕ぎ。
いよいよ、核心部に来る。
困るね~、この雪の少なさ。
雪の状態も腐って余り良いわけではないし、稜線からだいぶ後退している。
休憩して、気合を入れて登りにかかる!!
藪密度はかなりのもので、はかどらない。ピッケルも奪い取られそうになる。
笹は滑るし、足蹴にした枝のしなりや反発も素晴らしく良く、アイゼンが引っ掛かって本当にストレス!!
振り返って…。帰り、またこれを突破するのか…。
マンサクの花。同名の日本酒飲みたくなりますね。
雪がたまにこうして使えるので、飴と鞭が交互に繰り返される。
ここは、1646mピークから振り返っている。
何で、この区間だけ、こんなに雪が無いんでしょう!?
南面に面していて、そこそこの傾斜があると、融雪が早いのかな…。
地図にして大した距離ではないのに、実際の光景はまだまだ遠く感じる。
藪に体を預けて休憩する羽目に・・・。あくびが止まらない。
イワウチワも開花しているのがあった。しばしば見る。
何とエンレイソウもあった。この時期、こんなところで!! 嬉し過ぎる。
カタクリも藪の下に幾つも咲いている。
もう花だけ見ていたい。
有難くない景色が進行方向には続いている。
一応、獣道が薄っすらと稜線付近にはあるらしく、辛抱たまらず、アイゼン外して藪漕ぎスタイルに完全に切り替える。
仙人窟岳の直下から、また雪が利用できて、再度アイゼンを装着。
やっとの思いで登り上げ、頂上へ立つ!
以前に歩いた尾根も見えて、本当に嬉しかった。
笈ヶ岳には登っている人が何人か見えた。直下は藪漕ぎのようだが、こちらよりは遥かにましだろう。
山頂は藪。後ろは白山。
特に人工物は見当たらない。雪に埋もれているのかもしれないけれども。
休憩して、展望をたっぷり楽しむ♪
ここまでで、だいぶ水を消費してしまったので、帰りがかなり不安だが。
歩いてきた稜線。三方岩岳まで戻らねばならないので、かなりの距離を感じる。
国見山に着いた時は余裕があったが、この時点で、笈ヶ岳まで行こうなどという気は無くなっていた。
あの山は・・・?赤兎山の稜線?
藪は憂鬱だが、ぼちぼち戻る。
木々も綺麗だ。雪景色に良く合っている。
カタクリも開花している株がだいぶ多くなっていた。
群生している場所が見えて行ってみたら、藪で戻るのにとても苦労してしまった。
何とか藪区間を突破して…。もうヘロヘロ。
この辺から吐き気で気持ち悪くなる。脱水みたいで、水を飲むと調子が良くなる。
国見山は省エネで、トラバース。
雪にはクラックが入っているので、危険個所は足早に通過した。
三方岩岳まで、まだあんなに登り返しある…。
何が辛いって、水の不足!!これ以上無駄に水分を喪失するわけにはいかないので、ペースもセーブしまくり。2Lはあったはずなのに。この消費量、夏にも匹敵する。
白山ホワイトロードは、まだ雪に埋まっており、あれを呑気に歩くのは無理かな。
再度、標柱が出ているのを見る。ここから下れるようだが、どんな道なんでしょうか。
ミツバオウレンですか。
夏道が出ている場所の日陰に、幾つか見られた。
雪解け水が流れているが、腹を壊すのは御免だ。
何度も休みながら、登り上げる。
写真を撮るのが休憩となるのだが。
さて、三方岩岳から、やっと下り。
夏道では何の記憶もないが、この時期、トラバースする斜面は灌木も少なく谷に落ちており、岩のそばを通過する際は、ブロックが崩壊する恐怖に苛まれる。
下るルートを見極めるべく、岩の上に登って観察。余計な体力を使うが、安全には代えがたい。ハングした崩壊した雪庇をなるべく避けたルートで・・・。
無事に通過して振り返る。あの頂点から観察していた。
朝に歩いてきた稜線を横目に。
人形山や三ヶ辻山を正面に。
軽快に下るが、どうやら汗で靴擦れになってしまい、徐々に悪化し、これもまた辛い。
脱水、疲労、靴擦れのトリプルパンチ。どれも自分の準備や力不足によるものだ。
日が傾いてきて、これは、ヘッデンも可能性あり?
順調に高度を落とすが、雪はかなり残っており、不思議な感覚。
でも、もう危険な場所は出てこないでしょうね。
気も緩んで、何度も振り返りながら下る。
何でしょうか?
道路が接近してきた。今日は三角点も埋もれているだろう。
フキノトウたくさん。この辺、不明瞭だが、適当に下るのみ。
ここで、アイゼンは外した。
ブナ林がこの時期も素敵。思わずペースが落ちる。
それに、ぬかるみもあり、意外と歩き難い。
綺麗な状態のタムシバ!
直角に折れて、終盤。
この辺も、まだまだお花が多い!この高度でもショウジョウバカマってあるんですね。
沢沿いの道に出ると、夕日で色合いが素敵。
群生!こんな状態にもなるんですか。
そして、登山口へ。届はコンパスでやっているので、特に要らない。
沢で、スパッツや靴を洗ったり、ザックのゴミを落としてすっきりする。藪のゴミの量も、半端じゃない。
車道を歩いていると、脇にはお花。イチリンソウ!?
道中、他にもカタクリも多い。これは・・・。
空き地には、本当にたくさん。
車まで戻った時には、既に帰る気がなくなった。
まずは、温泉へ直行!!
・・・と、こんな感じで、花見しに残雪ハイクに行ったような締めくくりとなった。
順調というには遠いが、白山も未踏峰をつぶしつつある。歩き方やら雪の付き方など技術的、地理・地形的な面で学ぶことも多かった。来年は楽しみだ。
そろそろ、本当に、山スキーかな!
赤頭山・馬狩荘司山・三方岩岳・瓢箪山・国見山・仙人窟岳 / Argonさんの瓢箪山(石川県)・三方岩岳・赤頭山の活動データ | YAMAP / ヤマップ