マイモーズの悪場のF1にやっつけられた3日前。
K君に前回無理して付き合ってもらったのもあり、敗退したのが本当に情けない。
悔しすぎて文字通り三日三晩頭からこいつが離れなかった。
上部で落ちても多分重大な事故にはならなさそうだったし、一緒に行ってくれる人がいるはずもなく、意を決してソロで行くことにした。
天気良く、気温も高い。条件は最高と思われた。
身支度を整えて、下降し、いざF1と対峙。
前回より水量少し少ないような気がするが、どうでしょうか。
まずは、右岸側の大岩にあるリングボルトにロープを固定して偵察。
溺れるのは御免なので、上部で落ちたらどうなるかリハーサル。
クライミングシューズを履いて、空身でトライ。
敗退後、3日間反芻していたので、前回到達地点まで流れるように登れた。
前回より少しだけだが、上から被る水圧が弱いよう。
懸念のはがされてしまったホールドをしっかり保持でき、手も足も決まった!
その後、何とか外傾しているが足は踏めそうで光明が見えた気がした。
ビビりながら滝を滑り落ちる。
壁を蹴って滝壺で揉まれるも、ロープを手繰ることなく浮かび上がれた。
さて、休憩しつつ荷揚げ準備をして、いざ・・・。
何度も、「これはハイボルダー課題だ・・・、落ちてもマットより安全な水だ・・・」と自分に言い聞かせて。
このトライも、中間部までミスなく上がるが、ここからが勝負なので、メンタルを落ち着けるべく十分休む。
ド・ガバから左足を決めて左手から右手と出してしまったら、もう戻れない。
時間はかけずにムーブをこなし、やや安定。下で見ていたリングボルトは右にある。
それ以外の残置物は見当たらない。
向かう先の足のシークエンスを考え、苔で緑がかったダルい手のホールドを下に入り重心移動しながらのバランスクライム・・・。
落ち口がもうそこだが、最後の一歩も外傾なので踏み出しは緊張したが、上部は殆ど止まることなく突破することができた。
憶測だが、自分が登ったラインはより滝に近いのだろうと思う。
中間の右ガバに支点を取って突っ込めば、Ⅴ程度になるのだろうか。めちゃくちゃ苔生していたけれど・・・。
勝利の雄叫びを上げることもなく、岩の上にへたりこんて息を整えた。
落ち口にはキャニオニング用と思われる支点があり、それを利用して荷揚げ。
片側は抜けている。
水流が強くて力が要る。この手の技術も高めていかないと・・・。
どうやらこの時、ザック内のカメラが衝撃でご臨終したようで、せっかく重いのを持ってきたのに、ただの重りとなってしまった。
落ち口から見下ろす。
この支点からは降りたくないですね。F4で敗退したら、左岸にある木で懸垂すれば一番楽で確実に思えた。空中懸垂にはなるけれど、瀑身で叩かれて溺れるよりはマシ。
続いて、F2が控えている。ただの段差。
右足指が痛くて、クライミングシューズを脱ぐと爪が割れていた・・・。ラバー沢靴に履き替えて進む。
あえて水流ど真ん中を行く。簡単。
左に屈曲してすぐF3。
一見して左が最も今日は良さそう。右からも手前から巻き気味に越えられると思う。
少し泳いで左壁に上がってトラバース気味に突破。余裕あり、楽しさを感じられた。
上がってすぐ右がF4。
過去の記録を見ると水流突っ張りが楽そうで、実際その通りに感じた。
滝の右壁だけで登って5.10dと評されているようだが、さて如何に。
右壁巻きルートは、最も楽そうで今日の条件からすれば逃げのラインと感じたが、そんなに甘くないんでしょうね。ここは上部に残置が見え、上から見ると最後は斜め懸垂になる模様。
まずは、釜がどのくらい深いのかチェックしに飛び込む。
うん、左側はえぐれており、間違いなく足はつかない。
瀑風で寒くなってしまい、泳がずにコーディネーションのムーブを試す。勢いを少しつけ、足を素早く踏みかえて左壁突っ張りに成功。右壁の様子も観察しつつ、そのまま落ち着いて突っ張って高度を上げる。中間部を過ぎると左壁に手でも足でも使える良いホールドがあり、とても安心。易しいとは言わないが、楽しむことが十分にできるレベルだった。
落ち口には、F1上同様にキャニオニング用らしき支点があった。これにロープをかけて滑り降りて右壁のみのラインも試してみることにした。
クライミングシューズでないと、皺が踏めないように見えたので履き替えてトライ。
一度目、手のホールドが滑ってダメ。二度目、中間で足スリップ。三度目、何とか上部付近まで行くものの、滝に揉まれたくないのと左壁の誘惑に勝てずに使用してしまい、そのまま上がってしまった・・・。
これは苦手系。手が悪く、足を決めてじわじわ上がるスラブ登攀。
ひとまず、F4も無事に登って安心してそのまま進む。
深いゴルジュは続いているが、もう安心。バシャバシャ適当に歩く。
開けて林道が上に見えたところで、靴を履き替えて寛ぐ。
本当に良かった!!
余りに早いので、倉沢をもう少し進むことにした。
すいーっと楽しく泳いでいく。日が当たるとこんなに綺麗なのか。
2mもなさそうな滝。泳いで滝の右を登る。
下段は左が行けそうに見えたが、荷物が水を吸って重くて登れず、右から越えた。
上から見ると水が綺麗で飛び込みたい衝動に駆られたため、意のままに・・・。
空身だったが、左から越えるのは大変だった。
上段は、水流右をプッシュしつつ、足が滑らないか祈りながら越えた。
水路を行くと、正面上に林道の橋が見えた。
ここで上がるのが良さそうで、装備解除して林道に上がる。
嫌いな林道歩きだが、1輪だけ咲いていたヤマホトトギスが健闘を讃えてくれた!
林道ゲートは、ゴールテープのような感覚だった。
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