遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

雨畑川 ギョウザ

3人で沢登り。

場所は、山梨県南部、雨畑川支流ギョウザ。

日本登山大系には、倉沢に続く極悪ゴルジュと記載がある沢。

だが、年1回未満であるが、ネット上では記録が散見され、思ったほど険悪さはないようだ。

しかしながら、こんな沢に入渓しようというのだから、それなりの沢屋の記録には違いなさそうであり、油断はできない。ウェットにライフジャケット、念のためタープやエマージェンシー用品もザックに入れたため、ずっしり・・・。

車で入れるところまで向かう。この迂回路も長いことそのまま。

室草里で、チェーンゲート。ここまで車。

地元の元林業をやっていた男性から、少しだが、この辺りのことを伺う。稜線まで殆どを伐採したそうだ。林業も木材価格が高騰により、若い人でもそれなりにやっている人がいるそう。

ギョウザという名にはピンときていないようだったが、ゴルジュに『八丁暗がり』と名があることを教えてくれた。遠沢や御馬谷の名は出てくるが、ギョウザの沢名が無いことは不思議に思う。やはり、行田山(大谷崩れの頭)から由来?→行沢というのが濃厚か。そうなると、沢名が元々行沢としてあり、山名がギョウザ(ギョウダ)山となるのがしっくりくる。

集落内、駐車禁止と注意書きがあり、駐車場所は限られるので、停めていいでしょうというところも教えてもらって感謝。工事車両が通るので、そうしているらしい。

カメラは持ってきたが、SDカードが入っておらず、ともに駄目・・・。テンションだだ下がり・・・。何枚か買って、車に積んでおこうかな・・・。

ぼちぼち林道を歩く。

橋から見下ろす雨畑川。水量は平静に感じる。

ヘアピン手前、右に廃屋がある場所。左に道があり、これを雨畑川へと下って入渓。

支流の小滝を観賞。河原歩き。

へつりポイント一つと、渡渉1箇所。渡渉ははじめビビったが、やってみると大したことがなく、木の棒を補助に難なくできた。ここで、ウェットを装着。

ギョウザ出合。左がギョウザ。楽しみだ!!

ここからだと、吊橋は見えないが、まだ現役なのか・・・?地図上の点線の道は、高低差もあり、できれば通りたくないのが懸念ではある。

曇天であり、沢は陰鬱な雰囲気満点だ。

暫くは、沢歩きで少々退屈。

見栄えがする6~7m滝がやっと現れる。

右壁、Ⅲ~ちょっとⅢ+くらい。各自、フリーで普通に越える。

これも同じくらいの高さの2条滝。

直登は不可能に近く、倒木左の少々細かい場所を上がった。因みに、簡単に巻ける。

植林が右岸を中心に、これまでもあり、ケーブルはよく見る。

右岸に小屋。一応、雨は凌げそうな様子。

両岸はそれなりに高いのだが、余りゴルジュという感じはせず、まだかまだかという感じ。

滑滝は少し。

綺麗な場所も少し。ただ、倒木は多め。

伏流が落ちた綺麗な場所も通過。

水流は概ねぬめりが少ないので・・・。

水流直登で楽しむ。水流際は、当然ぬめりがあるが、この沢はラバーが有利か。

ゴルジュ入口かと思われるような滝が出る。5~6mくらいか。

先行し、右からちょい泳ぎで取り付き、右壁を登って突破。

細かい(と言っても、ガバカチ)し、ぼろくて、ピリ辛。Ⅳ~Ⅳ+程度あると思う。フェルトでは細かいので、靴が負けるかも。

ロープは自分が持っており、ゴボウででも登ってもらうかと思ったら、既に後続2人は右岸巻きに入っている・・・。上から見ると、自分が下から見ていて楽なのは左岸かと思ったが、かなり際どい・・・。これは、右岸巻いてもらって、安心した。

少し時間はかかったが、無事に右岸に姿を認める。

預けてあるバックアップロープでは、やはり懸垂すべきではないだろう。ロープを下から投げて懸垂下降してもらった。巻きも、そこそこ悪かったらしい。

この辺の滝を通過。難しさは無かったと思う。少し雨がぱらつく。

そして、沢が南から東に変わる場所・・・。

やっと来た!! 一見して分かる核心部。

よくこんな地形が・・・。温いのか、冷たいのかよく分からない風が吹き下ろす。両岸は当然聳えるという表現の高さだが、思ったほど険悪な印象がない。

ライフジャケットも念のため装着して、嬉々としてトップで行かせてもらう。

進む私。はじめ、意外と浅い?と思うが、急に足が付かなくなるので、どの程度深いのか分からない。ステミングで水没嫌って進む。

1P目は、右に小テラスがあり、そこで、後続を迎える。

2P目。水面ギリギリはぬめりが少ないものの、丁度いい高さはぬめっているので、ステミングで凄く疲れる。体格良い人なら、簡単かもしれない。

一度水没してしまい、その後は、水流に逆らって泳いで水面下で突っ張りながら突破した。無駄に消耗してしまった感あり、初めからこうしていれば良かった。

ここが核心かな♪ K君、3回目で無事に突破!素晴らしい奮闘!!

R君は一度も入水せず、ステミングで突破していた。ジムではまず無い動きであるが、流石である!

最狭ゴルジュに倒木が沢山あったら、残念沢になってしまうのは間違いない。

もう核心越えて、楽々でしょーと思いきや、ちょっと面倒な滝がいる・・・。

ここでもロープを使用。左に泳いで取り付いて、水流またいで右へと突破。

激シャワークライム!! 非常に楽しいところだった。

大きな倒木でフォロー確保もしやすい。

すっかり冷やされたが、ここから穏やかになる。

小滝で休憩。ウォータースライダーして私は遊ぶ。深くて、足は付かない。

ゆっくり遊びすぎて、時間を使ってしまったので、県境稜線に乗っての下山は取りやめることに決定。

20mくらいあるか。私は、左水流が登れるかと思ってあと5mまで行ったが、外傾したぬめりに耐えられず、クライムダウン。結局、右から巻いた。

これも大き目、15mくらいか。

左の細くなっている水流を問題なく登れる。

そして、二俣。

右俣へ。平凡な印象の歩きが続く。

小滝はあるが、問題となるような滝はない。

倒木が少しやっぱり多く感じる。

その後は、新窪乗越から北に延びる尾根(ギョウザ左岸尾根)の途中にある1644m高点へ向かって支流を詰め上げる。

結構上まで水流はあり、1600m近くまで水流があったと思う。

源頭で沢解除。

疎林でとても歩きやすく、無事に詰め上げる。

この付近、とても気持ちが良い場所。

幕営するにはとてもいい場所だ。

尾根上は、境界見出標や林業用と思われる比較的新しいピンクテープも散見された。

たまに藪っぽさはあったものの、気持ちがいい尾根で再訪してもいいと思う。

林業廃材はよく見られた。

下部、明瞭な道になって、行田橋が見えた。

現役バリバリの行田橋でした。

トラバース道を辿って、ヘッデンギリギリで林道に出る。

行きでこの道を確信をもっては進めなかったと思う場所だ。

私は比較的夜目が利くので、ヘッデン不使用で林道を行く。

心地よい疲れとともに、林道を歩き、クールダウン。

途中で、喉を潤し、べたついた顔や手を洗って無事に周回完了した。

沢慣れしている沢屋からすれば、核心部のゴルジュまで長く、退屈に感じるかもしれない。難易度としても、平水ならば、決して困難な沢ではなく、かなり十分な余裕をもって楽しめるレベルと思う。鵜呑みにされても困るけれど、単独で全く問題ないだろう。

ゆっくりペースなので、3時間は優に短縮できると思う。

登山大系にある、遡行図とはだいぶ下部異なる。10m程度の滝が連続しているが、埋まったのかどうか、殆どないような気がする。

でも、私には、行く価値は十分にありました!!

いずれは、倉沢や所ノ沢など、より困難なゴルジュの沢へも行きたいと思う。

沢後輩が育ってくれればいいのだが、同レベルの沢パートナー欲しい・・・。

 

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