遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

小室川谷

待ちに待った山行!!
大菩薩の北東にある小室川谷へ、R君と共に。
度重なる激務?と睡眠不足がたたり、前日から風邪が悪化…。
前夜うなされ、やや睡眠不足で体調は良くないが、他の条件は揃い、この貴重な休みを逃してなるものかと意地があった。
南アルプスのシレイ沢(白井沢)よりはアプローチや下山等、色々楽と判断し、小室川谷にした。
去年の沢初めが、同じ泉水谷支流の大黒茂谷だったっけ。
出発は遅くなったが、今季初沢は楽しみ!!
他にも沢屋さんが複数いた。駐車場も盛況で10台近くあったと思う。

最初から沢靴でゲートを歩き出す。
いい天気で絶好の沢日和。

20分程歩き、小室向とある標柱から沢へ下って行く。

立派な橋を渡る。良く踏まれている。
間もなく、小室川谷に降りる。

何の変哲もない河原だが、緑が沢を包むような雰囲気で気持ちがいい。

早速、小滝を撮る。

顕著な最初の滝。落差は3〜4m程度。
ここで先シーズンに買ったものの、一度も日の目を見ずにいたウェットスーツを試すため着替える。
空身で泳いで滝に取りつく。
これが中々水流強く、一度目は叩き落とされ、二度目で突破。
傾斜は緩いがスタンスがフリクションが大部分を占める突っ張りで、最初からピリ辛な滝だ。
荷物を回収しに釜に飛び込んで戻る。
ウェットスーツの効果もあり、これなら風邪を悪化させることも少なく強気で行けるなどと思ってしまう。
荷物を背負って左壁をサクッと越える。

続く4〜5mほどの滝。これは水流左を登る。

続いて7m滝。右壁を行く。

右岸にはそこそこの落差の滝が落ちていた。サラサラとして綺麗。

右壁トラバースで越える。しかし深いなぁ。

さて、S字峡入口。右はかなり深く、浅い左を腰〜胸程度まで浸かり、水流左をR君先行で突破。
上がった先はいい雰囲気のゴルジュ内。
右岸には懸垂用と思われるスリングが見えた。

困難な所は無く、穏やかな様相になる。

右に屈曲すると、狭い寝た滝あり。
ゴルジュを満喫すべく、水流を選んで登る。
ここは普通は右を歩いて通過かな。
松尾沢を分ける。



3m程度の小さ目の滝が続く。

岩魚がたくさん泳いでいた。

これも小さい滝。
だが、お次は…。

石門ノ滝というらしい。4m2段という感じ。
淵を泳いでいくのを嫌い、可能な限りトラバースして最後は泳いで、残置スリングの見えた右側へ移る。
水線突破を試みるが、とてもじゃないが、軽い私たちには…。
大人しく、少し嫌らしい残置スリングのある部分を、R君先行で登る。
残置には触れずに登れたが、体の切り替えしやマントルなど、クライミング能力が少しはないと苦労するかもしれない。

右岸には残置が見えた。あちらが一般的か?
石門は事前情報も無く、さっぱり分からず。

楽しい場所が連続する。

そして、私としてはこの沢一番のクライミング要素のハイライトとなった、小室ノ淵へかかる。
左壁のトラバースはとても厳しいので、右壁を行けるところまで行ってみる。
私は棚になっている安定した水面から3m程度の場所まで行くが、そこから水線復帰が不可能となってしまう。上には行けるが、それでは面白くない。
R君は先に泳いで左に上がった。
私も飛び込んで、結局それに続いた。楽しい!!
滝は適当に登れて上が安定している。

先は淵が同じように続いている。
R君は左を巻き、私は水線を再度右壁トラバース。
淵を最初から泳ぐのは、泳力無いと滝まで行けない感じがした。
白くなった滝壺まであと数mというところで、ホールドが使えるものが殆ど無くなる。
外傾カチを祈りながら保持したり、リーチ一杯で足を置いたり、悪いホールドで踏み替えたりと、ガバらしいホールドが無かったので、とても良く覚えている。
ここからは水流をまたぎ、ステミングで滝自体はあっさりと突破。
左足を張るまでが非常に厳しかったので、滝はとても容易に感じたほど。
会心の登攀♪
最初は深いが、どこも同じように深いのかは不明。
その後はまったり。

綺麗な滑滝で癒される。
この辺でレンズ内が曇ってしまい、ろくな写真が撮れない!!


小さい滝が続く。

写真はそれでも撮る!

R君はしびれを切らして…?

雨乞いの滝10mは全く登れない顔。
記憶に無い程、簡単に巻いた。

そして、見どころの一つ、4段40m滝。見事という他ない。
滝見しながら休憩。この辺で食料が尽きる…。時間と疲労具合も考えると、やばいと思う。

下の2段は簡単。下から3段目のこれは釜がとても深い。
右から一度へつって取りつこうとしたが、下がえぐれており、足が潜ってしまう。
一度岸に上がってから滝下にトラバースして水流を登るという自己満足。
一番上は左岸にフィックスロープがあった。下降でなければ要らない感じがする。

作業路が横切る。どこに行くのやら。大黒茂林道らしい。



適当にどんどん進む。

10m滝が2つ続く。こちらは下段。
綺麗だ。登れる気がして、右上に走る棚を歩こうと思って取りついたが水流を受けて落とされそうと感じる。
シャワークライムで、この棚をハンドホールドで使って右上して突破した。

続く上段は、見るからに登れない顔。しかし整った美しい滝だ。
カメラがこんな状態で不本意。左岸から簡単に巻ける。

まだ滝がいた。小さ目だが、やはり深い。

木材搬出用のトロッコか何かか?そういえば、ずっと下にもエンジンみたいなのが転がっていた。
蛇抜沢を分けるところで、泊りの単独の方がいた。羨ましい。
こんな時間に上がってきて日帰り行程などと思わないだろう。
空腹もピークに達して、判断力や注意力が低下して、気付かずに蛇抜沢を少し登ってしまう…。
気を取り直して進んで行くと伏流になる。ガレが多くて疲れる。
この辺でR君からアルファ米をいただく。
空腹過ぎたせいか、水を入れてすぐに何口か食べるが、十分に美味しい!!
R君は沢靴から登山靴に。私も暑くてウェットスーツを脱ぐ。

再度水が出てきて、多段12m滝。階段で簡単。少し濡れる程度。

またこんなのが出てくる。やれやれ。アルファ米を食べる度に力となっているのが分かる。


この2つの5〜6m程度の滝が出る。どちらも登れる。
登山靴に履き替えてしまったR君は、巻いたり歩き場所を選びながらで大変そうだった。

そして、最終段階の詰め。源流の水を汲み、気持ちのいいシダとコメツガを登る。
もうヘロヘロ。水に浸かっていることも含めると、消費カロリーに対して、1000kcalにも満たない食料で足りるわけが無かった。

R君が先に稜線に出る。私も獣道を辿ってやっと出る。
長かったーーー!!!
16時半には着くかと思っていたが、17時。
稜線では風で冷やされて、すぐに着替えてカッパも着る。
沢装備を解除して、マイナーピークの妙見ノ頭を踏む。

写真を撮ってさっさと下山にかかる。
はじめは甲府方面の展望も少しあったが、すっかりガスの中。

暑くないのはいいのだが、この程度の登りで堪えるとは…。

黙々と歩き、大菩薩嶺。あわよくば、北尾根を下ろうなどと思っていたが、甘すぎた。
この時間、このよれ具合では不安。

先には古い道標が落ちていた。いつのものだろうか。
何とか大菩薩北尾根と見える。
まだまだ明るい。カッパを途中で脱いで進む。
大黒茂谷へ下る尾根にはしっかり踏跡があったが、作業路はあてにならないので、これもパス。

丸川荘を通過。
5回も来ているが、一度もここのコーヒーを味わったことが無い。
今回も営業終了しており、もとより無一文でダメ。
牛首谷の登山道を林道目指してどんどん下る。
樹林が薄くなるとまだまだ明るく感じた。
堰堤が見えてきて、やっと林道へ。
暗くなってきたが、あとはただ歩くだけなので、精神的には楽。
小休止してアルファ米を食べつくし出発!!本当にR君のアルファ米には救われた。
確実に1時間程度短縮できるエネルギーを補給できた気分だった。
林道では20分も歩くと、どっぷり日が暮れた。
私はヘッドランプも忘れてしまい、今日はR君にお世話になりっぱなしだ。
シカの警戒音がうるさいこと、舗装された下り勾配が辛かったこと…。
忙しない点滅のホタルが見られたのはとても良かった。星も綺麗に見えた。
大黒茂谷出合の少し先で休憩を一度挟んで歩き切る!!21時過ぎに到着!!
車にあった、バナナとカフェオレ、カップ麺を更に恵んでもらう♪
更に車の運転と、R君大変お疲れ様でしたーーー。成長著しく、今後も楽しみ!
私も足元すくわれないように、下半期以降も気を引き締めていかないと。


  • コースタイム

ゲート(7:55発) → 小室向(8:15) → 入渓(8:25) → 泳いだ3〜4m滝(8:45) → S字峡入口(10:10) → 石門ノ滝(11:10) → 小室ノ淵入口(11:45) → 雨乞ノ滝10m(13:20) → 4段40m滝下(13:25) → 山道・橋(13:45) → 10m滝×2下段(14:05) → 蛇抜沢出合(14:55) → 多段12m滝(15:30) → 水流消失(16:40) → 稜線(17:00) → 妙見ノ頭(17:20) → 大菩薩嶺(17:45) → 丸川峠(18:40) → 林道(19:20) → ゲート(21:05着)