夜、寝る前にヘッデンの充電ケーブルを忘れたことが発覚。
バッテリー残量を考慮すると、2時間持たない可能性あり・・・。
3時出発し、高山と井戸沢ノ頭を片付けて、朝食と撤収後に悪沢岳まで踏む計画は敢え無く散る。
門限の下山予定時刻は17時なので、今回、悪沢岳は諦めよう。
という流れで、4時くらいに高山を目指す。
適当にトラバースも交えながら尾根に合流。
下りなのに加えて、倒木は少なく、獣道は非常に踏まれており、とても歩きやすい!
一部、倒木が多くなるが、問題なく高山へ到着。
岩に囲まれた三角点。三等三角点、点名そのまま『高山』。
周囲は変わり映えのしないシラビソ樹林。
手製標識があった。
さて、お次は井戸沢ノ頭へと登り返していく。
朝焼けは、大きな荒川岳のため見えないと分かっている・・・。
紅葉とこの景色で我慢しておこう。
2553mピークへの登り途中でヘッデンが要らなくなった。バッテリー残量もあって、もう少し早出すれば良かったかも。
2553m着。朝飯前の余裕と言いたいが、登りは疲れた。
井戸沢ノ頭との鞍部へ下る。ここも歩きやすい。
登りになると、右に崩壊地が出て展望が楽しめた。
今日はあの登りをこなすのか・・・。それは、3000m超まで高度を上げるので、当然といえばその通りなのだが。結構、登らせますね
適当に草付も交えて登る。
ここが、井戸沢ノ頭の最高点。浸食が進行中。
赤石岳~大沢岳。展望は変わらず見事。
南西方面。雲海に埋もれる景色も良い。
目的は達成したので、テントへ戻る。
尾根を適当に下っていくと、シラビソの蜜藪っぽい箇所を見るようになる。
それでも、獣道を利用しながら難なく進む。
沢地形に最後は合流し、登山道へ飛び出す。
ここに出てきた。沢地形をそのまま登っても、灌木藪に少し捕まりそうなので、歩きやすそうなところを現地で選ぶのが最適。
テントに戻って、食事と撤収。テント泊の良さを再確認できた。
ゴアライトも今年で15年目。防水性能はどのくらい落ちているのか分からないので、雨天では使用に躊躇するが、今日は露や霜も降りずに撤収は楽だった。
さて、前岳に向けて出発!
歩きやすい登山道で、樹林を楽しむ。
途中のトラバース道で、水場。
しっかり出ており、少し補給し、飲み溜めもしておく。
ゴゼンタチバナの赤い実が目立つ。
ナナカマドの紅葉はまばら。茶色くなって縮れてしまっているものも多かった。
小河内岳から塩見岳など。どういうルート取りで行こうか。
雪の影響で曲がったダケカンバが面白い。
枯れ模様。
森林限界を迎えて、ガレ登り。足首やられないように登る。
井戸沢ノ頭の崩壊地が印象的だった。
登山道は大きく巻くようについているが、この稜線上の南西面は、荒川大崩壊地上にあるので荒々しさが際立っている。
赤石岳に・・・。
その右手の稜線。
トウヤクリンドウはとうに散っていた。
イワベンケイか?草紅葉も終わって枯れる。
鮮やかな赤には、コケモモも混じる。
前岳まで、ほぼトラバースで緩やかな登りとなった。
イワヒバリがとても多く楽しませてくれた。
動きを止めないので、撮影で時間が過ぎる。
足元にはキナバシャクナゲ。
荒川崩壊地を見下ろせる場所があった。
崩壊進行に伴い、登山道は後退している。
通行禁止に稜線近くはなっているようで標識があった。残念。
前岳直下に出ると・・・。
富士山! やっぱり見えると特に嬉しい。
荷物をここに転がして、中岳へ向かう。
風が冷たく汗冷えで軽快に・・・。
三等三角点、点名『荒川岳』。
展望を楽しむ。
南部。
前週登った笊ヶ岳は、双耳峰でよく分かった。
布引山のとの間にある西尾根も興味深い。
悪沢岳は、またいずれ。恐らくは、北尾根の西小石を経由して登るだろう。
荒川小屋への分岐を勘違いしており、前岳を踏むのと荷物をとりに戻る・・・。
前岳の最高点は、この標識。
ここは右の踏跡にならい、自己責任で強引に北から踏んでおいた。
最高点の東に山頂標柱がある。
ここに分岐があったのね・・・。登山道を確認していなかったので反省。
基本的に、登山道は稜線通しという思い込みが原因。
正面が南になるので、照り返しで眩しい。
前岳南東を振り返る。青空が映える。
枯れ模様だが、ちょいちょい写真も撮りながら進む。
小赤石岳に伸びるこの尾根も惹かれるものがある。
振り返って一枚。
この辺で、水が流れていた。暑かったので嬉しい。再度、飲み溜め!
鮮やかな草紅葉が楽しめた。
パパっと下って、ダケカンバ林の中に明るい色の荒川小屋。
営業は終了しており、誰もおらず静かなものだ。
再度、登りになって疲れる・・・。
ナナカマドの実と前岳、悪沢岳を一緒にしたが、いまいちな写真。
途中で、ホシガラスが餌を探していた。冬は何を食べるのでしょう。
トラバースが結構長く感じたが、下降点の大聖寺平。
ここが下降点だが、鞍部は手前にあり標識もあってそちらの方が高度が低い。
天気は下り坂のようで、赤石岳は薄い雲が出始めていた。
最後に、前岳を振り返り、目に焼き付ける。
大聖寺平からの道は、藪が被さり踏跡は一部分かりにくいが、問題なし。
崩壊している箇所があって、そこだけ分かりにくい。
ダケカンバに勢力が切り替わる辺り、ロープや古い標識もあった。
この辺りからは迷わない。
岩が苔生し、とても滑る!道は明瞭。
長くは続かず、すぐに黒木の樹林帯となった。
間もなく、舟窪。
ここで小休止。ちょうど、紅葉した木。
展望は無くなったが、これを楽しみながら下れるといいな。
途中で、赤も黄色もあって嬉しかった!
舟窪からとても歩きやすくて驚く。
定期的にこの金属標識あり。
古そうな標識も見つけた。
だいぶ降りてきた。
倒木が2000mから顕著となって、ガクッとペースを落とされた。
まだ新しそうなものも・・・。たまにどこを歩くか迷う箇所があったが、目印がほぼ目視できる範囲に付いていた。
梯子!よく上げて下さった・・・。
倒木地帯を過ぎ、気持ちいい尾根になってきた。
最後は尾根から少し外れて、小渋川近くに降り立つ。
ちょっとここから不明瞭。
適当に苔むした岩が多い沢地形を下る。
僅かで、広河原小屋。外見はかなり綺麗。
建て替えはしたのだろうが、南アルプスで最初の山小屋らしい。
中にはノートがあり、見ると、比較的利用されているらしかった。
その記に、戸が開いて獣が入っているとあったこと、かび臭さもあり、マットだけで寝るには遠慮したいと感じた。
小屋前には、酒瓶やらゴミが新旧散乱しており、いただけない・・・。ゴミはゴミを呼ぶので、そのうちの新しめの幾つかを持ち帰ることにしたが、焼け石に水状態。
釣りに適した沢ではないだろうし、ここを利用するのは登山者しかいないはずで、非常に悲しい。
小渋川に出て、上流を振り返る。こんなに良く見えるとは思わず。
福川をすぐに渡る。ストック利用して、高跳び・幅跳びの要領で水没なくこなした。
振り返る。・・・と、そこに気になるものが。
この滝だ。地図記号にある大滝だろうか。
しかし、上部はすぐに崩壊のガレとなって消えているように見え、遡行価値があるのかは甚だ疑問。
福川の廃道も興味があったし、また訪問したいと思う。
花はこのくらい。紅葉はそんなになく、退屈な河原歩きが続く。
渡渉は結局あるので、靴のまま。水量あったら寒くなりそうで、ネオプレンソックスを持ってきたが、昨日防寒として利用しただけで、履き替えず。
沢登りでの歩行には慣れているので、退屈なだけでストレスはなく歩ける。
唯一の見どころ、高山の滝。
端正な滝ですね。これだけのために来るのは、ちょっとという印象だった。
高山の尾根は末端が厳しいようだが、見た感じではよく分からなかった。
その後も、何度か渡渉はあるが、適当にしても膝下の域を出ない。
カツラの芳香は大好き。思わず探してしまう。
右岸にしたたり落ちる結構な高さの滝というかルンゼ。
冬は立派な氷瀑になりそうだ。
振り返る。平和そのもの。
榛沢出合で小休止。17時のリミットに間に合うか・・・。
いよいよ、七釜橋が見えてくる。
確か橋の手前から降りるとガイド本で見たので、そちらへ。
ふと右上にトンネルを見た。不気味!
最後の渡渉をこなして、問題なく林道に上がる。
真っ暗のトンネル。
ペイントもちょっと不気味。
その先、トンネル内が泥と倒木が入り込んで水没していた。
膝下の深さで、ハイカットブーツでも確実に水没するレベル。
帰りなので構わないが、行きだったら、何らかの対策が必須だろう。
なるほど、この押し出しがトンネルをあのような状態にさせていたのかと納得した。
因みに、ここは、除山と小日影山へのメジャールートの尾根取りつきのようだ。
温泉記号がある場所。
注意不足で下にある建物の状況確認を逸してしまった。
道沿い、標識はあるけれど、温泉設備っぽいのは無い。
崩壊地。崩壊して時間がある程度経過しており、踏跡もできて苦労しない。
以前はここまで車で入れた登山口。
さて、この先の様子はどうか。
ここも大打撃地点。手前にどこから落ちてきたのかという巨岩がガードレールを紙のように斜面に押し出した様子が印象的だった。
遠く、主稜線を見る。紅葉まずまずだが、曇りで写真には特に映えない。
更にもう一か所。ここも酷い。
モノレール軌道があって、作業路の踏跡もあって楽々通過。
すぐに林道に降りたが、先で崩壊トラバースとなってしまったので、そのままレールを歩いたほうが楽のように感じた。
トラバースした正面。復旧作業中らしい。
果たして予算が付きますかな・・・。
右手に馬頭観音の石碑を見つけた。
一体、いつの時代でしょうか・・・。
その後は、舗装も交えたただの林道歩きで終了!
体力や足の具合も悪くなく、楽しい藪山登山ができて大満足♪
小渋川のルートは渡渉水量だけに注意を払えば、あとはどうにでもなると感じた。利用価値は十分にあってまた通ることがあるかもしれない。一般登山道しか歩いていない人には厳しいだろうが、バリエーション経験がある人ならば、充実のルートと思う。
1日目の除山~大日影山には、幾つも危険個所があったり、藪も濃い場所があるので、経験豊富な人向けなのは間違いない。下りもかなり時間がかかりそうだ。20m以上のロープがあると時間短縮できるはず。
除山・小日影山・大日影山・板屋岳・高山・前岳・荒川中岳 / Argonさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ