高速道路の深夜割が切れる前に乗って、山梨を出発。
沼田インターで降りたが、営業しているガソリンスタンドが、スマホで調べても全然見つからなくて焦った。地元民から教えてもらって事なきを得る・・・。
7時前には、何とか金精峠の南東登山口へ到着し、登り始めることができた。
雨天でのハイキングだろうと予想していたが、快晴となった。
日本百名山でもあるため、平日だがそれなりに先発がいるかと思いきや、私一台。
登山口の標高が既に1800m超えており、ハイキング気分である。
登り始めて、何やら気になる花・・・。オノエラン!
幸先は良いよう。
少々急だが、整備は十分であり、サクッと金精峠まで登り上げる。
金精山方向に神社風の建物。
帰ってきて調べてみると、金精神社という。石の男根を御神体とする金精神を祀っているそうだ。由来については、まぁ何とも・・・という逸話だ。孝謙天皇というのは、知る限りでも、鳳凰山や奈良田の湯など、そういった話が多いのだろうか。霊験についてはあやかりたいものだ。
さて、登山口から見えていた金精山は笈吊岩が険しく、見栄えは良かったので、少々楽しみだ。
登り右手には、菅沼と丸沼でしょうか。沼というより、湖のように深そうな濃い綺麗な水面をしている。
ニガナ。地質としては、この植物に適しているのは違いないと感じる。
ベニサラサドウダン、たわわに花をつけている。青空とよく映える!!
幾つも見頃の状態で見られた。
金精山が立派に一部で見える。登りはちょっと大変かと気合が入る。
この辺の花も幾つか。
ハクサンシャクナゲは遅いと思いきや、上部では比較的複数見られた。
登りは岩の際を行くわけでなく、西寄りから巻くように高度を稼いでいた。
そして、東の日差しが遮られて消耗もしない。
登山道の左肩に頂上があった。
登る日まで、金精山の読みを「きんせいざん」と思っていたが、「こんせいざん」だった。栃木百名山でもあるらしい。この踏破は、いずれ・・・。
徐々に雲海が上がってきているので、2300m超のピーク達に出た時にどうだろうか。
一度下って、登り。稜線から少し乗り出して、金精山を振り返る。見栄え良し。
勾配は緩く、変わらず、東の日差しが遮られて進みが良い。木漏れ日も気持ちが良い。
浸食がだいぶ進んでいるようだ。雪の影響ですね。
国境平で、湯本からの道を合わせる。
奥のピークは温泉ヶ岳か?
峠から先は、遅くまで雪が残るのか、マメザクラが咲いていた。
その足元には、コミヤマカタバミがうつむいていた。
流石に日差しで暑い。五色山までもう少し。
五色山に順調に到着。主稜線に乗った感がやはりある。
眼前には・・・。
まずは、座禅山へ向かうべく、西進。
遠くは、上州武尊や至仏山など見えているのだろうか。
水をたたえている。静か。
ミヤマキンバイなのか?まだ、黄色の花は、同定の域に至らず・・・。
五色沼を見下ろす展望地も再度あった。上から見下ろすに限る。
シロバナノヘビイチゴか?物凄いたくさん。
サンリンソウか?これは、この一株だけしか見られなかった。
弥陀ヶ池。オタマジャクシがうようよ。
この池は水の透明度は高いものの普通の印象だ。俯瞰ではどう変わるか。
座禅山は池の向かい。その途中、保護区域あり。
ハクサンチドリ。多くは無いものの、色は目立つ。
オダマキやイワカガミなども多数。
ツガザクラも幾つか。
まずい、足が進まない♪
登山道から僅かに逸れると、ソーラー設備があった。そのすぐ先が座禅山。
何も人工物はなく、展望も無し。火口も見えない。
一応、火口もどんなものか覗きに行く。
こちらは登山道に標識があって、踏跡あり。
下まで降りたところで・・・、と思ってしまい、ここまで。
白根山の分岐まで戻る。
この子達は元気ですね。群生凄い。
バイカオウレンも発見。
撮影に夢中になってしまって、どんどん時間が過ぎる。
弥陀ヶ池と菅沼を俯瞰。雲は上がってきたが、十分にもっている。
ミヤマハタザオ?
うーん。どちらもアブラナ科なのは明白だけれど、分からない。
道は徐々に岩がゴロゴロして、ちょっと面倒。
火山の雰囲気は十分。
そして、主峰、白根山に立つ。
と、日本山名事典にある。ふむふむ、なるほどね。
二等三角点、点名『白根山』。
ここから南東、白根隠山の南東尾根にも、三等三角点で同点名がある。
興味が次々に湧く。
五色沼が今日は主役。
雲に入りつつあり、少々寒さも感じるが、展望を楽しんだ。
そういえば、日本百名山なのに、1人にしか会わず、静かに楽しめている。
お次は、白檜岳へ向かう。錫ヶ岳まで行けるかもと思っていたが、本命のコマクサはまだ見ておらず、この調子では無理そうだ。
白根権現が直下にある。参りました。
向かう先。こうなってくると、お目当ての花を気にせずにいられない。
注意しながら下っていると・・・。
いた!! コマクサ。
何年も旬な状態を見ていないような気がするので、この度ようやくといった感。
レンズ交換したり、這いつくばって撮影したり・・・。
当初は、雨に濡れた健気なコマクサを撮影するも乙かと思っていたが、青空とセットの写真が撮れて大満足だ。
その後、徐々に草花も増えてくる。
何のリンドウでしょう?
ミヤマアカバナですか?小さく可憐。
ヤマオダマキ。この株は特に美しい佇まい。
ダケカンバの中に入るまで遅い歩みだった。
鞍部に下り、左手には避難小屋が見える場所から、火口らしきルートを辿る。
登山アプリでは道が描かれているが、これはどうやら残雪ある場合と思われた。
踏跡はあるようなないような。適当に歩けるが、植生を傷めないようにと、とても気を遣う。
ここにもコマクサがいた。この火口は、花の赤色が淡い。
真っ白な株も発見!シロバナノコマクサ。
見たことが無いので、嬉しい限り!
2353mピークと白檜岳の鞍部手前には残雪。
振り返ると、白根隠山が高い・・・。
シカの死体が3体あって、クマでも寄ってこないかと気になる場所だった。
目指す白檜岳への登り。一応、踏跡があって、目印も古いが幾つかあった。
上部はシャクナゲ、笹も現れるが、概ね支障なし。
最後は適当に笹を漕いで、白檜岳に登り上げた。
一番左の木の辺りが最高点。
登山道もあって、周囲を探索。
錫ヶ岳。立ち枯れの木が特徴的。この光景、南アルプス深南部を彷彿とさせる。
この距離だと、私の足では飛ばしても往復90~120分というところか。
今回はここまで。いずれ、東の庵滝など沢経由であれば、構想は立てやすいので、一風変わった登頂ともなろう。
決まれば、五色山まで稜線伝いに進むのみ。
シャクナゲ越しに、白檜岳を振り返る。この付近は特にシャクナゲが多いが、咲いている株はそこまで多くはない。
白根山を横手に、眼下には先までいた窪地に鞍部も見えている。
少しこれまでと違う植生。
白根隠山。大きなケルンに山頂標識。
雲が上がってくるが、まだ周囲の展望は望める。
今回、ツマトリソウも見ていたが、ここは状態がいい。
五色沼の分岐。風雪に耐えた木々の様子に、思わず一枚。
登りの先は、前白根山のようだ。
登り途中、再度日が差す。じっくり眺めてしまう。
短時間で陰ってしまうが、その登りでは・・・。
ここにもコマクサ。ここは特に色が濃い。花付きが良いものも多かった。
今日は三度楽しんだような感覚だ。
前白根山。これで今日の予定ピークは回収した。
中途半端な時間で、ゆっくり五色山へ向かう。
植栽か?と思わせるように、ミヤマハンショウヅルが頂上付近にあった。
今年は特に良い株を見られて嬉しい。
五色山まで戻って、休憩してから金精峠へ向かって下山にかかる。
ナナカマドの花を見つける。特に秋、季節を変えても楽しいことだろう。
そこが金精峠。向かいは温泉ヶ岳か。
下ってきている最中は、近くの高山でも梯子しようかと思ったが、いまいち天気が下り坂か。
ならばと、温泉ヶ岳を往復することにした。
標識から数m先、建物跡があるのを横目にさっさと登っていく。
こちらは植生が違う。シャクナゲがだいぶ多い。
稜線の左を中心に道が続く。
菅沼に奥の山々が見事な場所があった。これが見られただけでも十分来た甲斐ありと思う。
傾斜が緩み、その先に分岐の標識。
暗さはあり、独特の植生。
温泉ヶ岳は展望はどうなのだろうか。東西には良さそうだが、生憎、雲の中になってしまった。
御料局三角点を中心に、三等三角点、点名『湯泉岳』は笹の際に埋もれるように鎮座していた。
読みは、『ゆせんがたけ』と知っていたが、点名はそのままだ。
そのまま北進できなそうな藪に見えたので、往復するのが妥当だろう。
雨が落ちて来ないか気にしながら、足早に下山。
金精峠付近で、登りでは気付かなかったヤマオダマキを発見する。
我が家の庭にも、こんなオダマキあったらいいなと思う。
しかし、山野に生えているからこそ価値がある。今日見てきた花の数々、下界に下ろしても、尊さを失うものだと思う。
また来たくなってしまうな・・・、と思っていると、また日光の山に来てくださいと書かれた下山を労う標識があって、これまた温かい気持ちになった。
目当てのコマクサに会えて、思いがけずオノエランも見つけられたり、本当に満足。
そして、会った人は2人と、静かに楽しませてもらえたのも良かった。
次回、この界隈に来る時には、恐らくは沢登りで!と思う。
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