八ヶ岳の2000m超未踏峰である、立場岳と美濃戸中山をどう攻略するか。
立場川を遡行した際に、実はもう決まっていたことだ。
目的は以下の通り。
- 立場岳
- 美濃戸中山
- 大同心
- 小同心
- ツクモグサ
- ホテイラン
小同心とツクモグサは余り良い写真も無いため、一緒に組み込む。これらを1日で楽しむとなると、答えはほぼ決まっている。
まず、出発地点は、舟山十字路の一択。駐車料が不要な上、混雑しない。
前回、あらぬ方向に林道を歩いてしまった失敗もあって、今回は間違えないぞ!
南陵取り付きは、1820mピーク先のコルへ目指して沢を突っ切り登る。
沢は簡単に渡れ、堰堤の付近から登ることにした。
シダが元気。ここを一気に登る。
稜線に登り上げ、少し進んだら、立派な取り付き用の道、標識があった。
南陵って、こんなに至れり尽くせり・・・?
こんなペイント・・・。まぁ、複雑な気分。
旭小屋分岐にも標識があった。
乗鞍岳。ちょいちょい景色が良い場所があって、上部は期待できる。
尾根の右側は、止山っぽい。違反すると10万円だそうだ。
ツバメオモト?小さく可愛い株。
登りは勾配も丁度いいのだが、花が引き留める。
キバナノコマノツメ。たくさんあって、嬉しくなる。
この木札の煩さには閉口。ここまでやる必要あるんでしょうか・・・。
まずは、立場岳にあっさりと到着。
展望は無い。年季もそこそこ入った山頂標識。
西岳は見えていたが、権現岳も貫禄十分に見えてきた。
ザレている場所には・・・。
素敵!!
どちらも、今年は何度も見ているが、やはり嬉しい。
青ナギ。
思ったより、ずっと穏やかな場所。
そう感じさせるのは・・・。
この組み合わせ。イワカガミはまだだけれど、バイカオウレンは朝露に濡れて透けて、より美しい。
木の高さが余りないため、北の展望がたまに見える。
南アルプスの一部は見えていたが、富士山もお出まし。
雨上がりで、透明度も比較的良い。
どうやら、乗鞍岳の左には、白山も薄っすら見えているようだ。
いよいよ、核心に近づくのか。
踏跡は明瞭であり、一般道と何ら遜色ない。
富士山の雪は減り、何となく締まりがない。
問題なく、高度を上げる。
これは、贅沢な景色。
権現岳の両脇を固める、日本の高峰第一、第二。
この辺で、トラバースするような道となる。岩壁を登るルートには中級・要ザイルとあった。普通に登れそうな印象だが、ストック仕舞うのも面倒であり、少し下るような道を辿る。
番線が流され、その先に、ルンゼがある。
水が流れつつも、凍結している。中途半端で嫌な感じ。
草付きも少し利用しながら、適当に上がる。
こんな所に、ヒメイチゲ。
あっちにもこっちにも・・・、と見ていたら、いつの間にか稜線に乗っていた。
ここを登ってきたのだが、何だか分からない写真。
下降点さえ知っていれば、ロープ無しでクライムダウンというか普通に下れる印象。
権現岳に譲っていた富士山も良く見えるようになった。
踏跡は相変わらず、ばっちり。
この展望を見ながら登れたことが嬉しい。
そして、阿弥陀岳に到着。
何だかよく分からない内に来てしまったけれど、どうやら、凍結していたルンゼが核心だったようですね。
誰もいないので、小休止と展望を楽しむ。
横岳のルンゼそれぞれには雪がまだ残っている。
予定では、大同心ルンゼ辺りを登って横岳に上がろうと思っていたが、ちょっとどうか?
うーん・・・。中岳付近には雪が残るのも見る。
安全策で、赤岳経由に予定変更。
危険も無いルートになって、まったりと登る。
中岳から。
阿弥陀岳を振り返ると、窟が幾つかある。何かあるかもしれない。
主脈に乗る。去年何度か見ているので、新鮮味は無いが、いいものだ。
赤岳、着。山頂付近は何人もおり、さっさと通過。
天気に恵まれ、向かう稜線から先も一望できる。
前回は、杣添尾根経由でここは歩いているところではあるが。
ミヤマキンバイですか。
頂上小屋と展望荘。冬でなければ、まぁ利用することはなさそうかな。
人もぐっと多く、少々スローペース。
地蔵ノ頭。文字通りの場所。
クモマナズナですね。割と以前から見ている気がする。
オヤマノエンドウと赤岳。
このセットの写真が撮れて満足!
アマナも咲いていた。
そして、ツクモグサも散見される。
過去には、曇りのため、花が閉じていたが、今回はしっかり見られた。
あちこちで楽しみつつ進む。
同じく楽しみにしてきた人とも話もできて、自分も違う楽しみもできるようになったなぁと感じた。
横岳のそれぞれのピーク、二十三夜峰、日ノ岳、鉾岳、石尊峰、三叉峰、奥ノ院も片っ端から踏む。日ノ岳には石仏。岩峰もあり、楽しいところ。
三叉峰には木の杭が刺さるのみだが、展望は良く、人もおらず、ここで小休止。
さて、本峰の奥ノ院は、人が多い。
小同心は過去に下から登ったことがあったが、写真が無いので、どうしても踏みたい。
クライムダウンが出来そうで、降りようと眺めていたが、後ろの人の視線を強く感じる。私が下ろうと思っているのが伝わったようで、まさか行くまいな・・・?、声を掛けようかどうか迷っているようなそんな雰囲気が、サングラス越しに見て取れた。
植生保護のロープもないし、最短であり、ここが最適なのだが・・・。
どうにもやりにくいので、北に進んだ場所から、様子をみながらアプローチ。
ガイドなどで人は多く、極力人目につかぬようにタイミングを見計らう。
この辺も、ツクモグサがあり、ゆっくり楽しめたのは良かった。
小同心。岬のようになっており、良く目立つ・・・。
植生には最大限配慮して、岩の上、ハイマツと草付を行く。踏跡も幾つかある。
狭いながら安定はしている。大同心もよく観察できる場所。
過去、降雪とラッセルで踏んだような気になっていないが、今回は文句ない。
アルパインでは、メジャーなので、支点はしっかりしているようだ。
もう来ることもあるまい。
さっさと戻り、大同心へ。
こちらは広い。遠くから見ると険しいが、立ってみると全く穏やかなものだ。
アイスでの機会があれば、再訪するだろうか・・・。
硫黄岳は、西から見ても見事だ。劇場っぽさは、こちらもあり。
登山道復帰の際は、植生保護のロープを跨ぐことになった・・・。
続いて、台座ノ頭。コマクサ保護用か、柵が巡らされているが、脇が通過できる。
ウルップソウは早かった・・・。どことは言わないが、たくさん見つけた。
ケルンを見ながら高度を稼いでいく。振り返ると見事。
イワヒバリ。ズームも限界だし、ちょこちょこしているので、これが限界だった。
硫黄岳から浅間山。あちらも、全山制覇は間近。
去年も見ており、記憶に新しいところだ。
同じく、硫黄岳の北東尾根は、地図を見る度、歩く価値は大いにあるのではないかと思う。
硫黄岳から赤岩ノ頭へと移動して、休憩。
去年歩いて、ここは目を付けていたところ。
八ヶ岳の三座を存分に。大同心から更に引いた展望。
主脈で展望を楽しむのも確かに良いが、少し離れたところから、こうして歩いた場所を眺めるのが好きだ。
硫黄岳を見て、右手の道、赤岳鉱泉へと下る。
強い日差しも樹林で遮られる。八ヶ岳らしい。
少し雪が残っていたが、問題となることはない。
なるほど、ここから大同心へ向かうのか。
以前、小同心へとどう登っていったのか、全く記憶が無い。残るのは、寒さとラッセルが大変だった程度の記憶しかない。恐らく、ここを辿ったのだろうが。
赤岳鉱泉を南から見ている。大人気であり、ちょっと苦手に感じる場所。
ここで、他の登山者もいなくなり、ペースを合わせる必要もなくなった。
ヘリポートを右に見送り、行者小屋へと進む。
静か。日照は少ないようで、ここは季節が若干遅れている感じだ。
マムートのエンブレムが、殆どのステップにある。
赤岳鉱泉のアイスキャンディーの筆頭スポンサーをしたり、広告でも八ヶ岳を使っており、繋がりが深いよう。
沢型を離れて少し登れば、中山乗越。
展望台もあるが、今日登ったところで、どのような景色かは容易に想像ができるので、そのまま、行者小屋へ。
広々。臭いが気になる・・・。テント場は、やや離れており、不快ではなさそうだが。
南沢を下っていく。
今回のピークハントの2つ目の目標、美濃戸中山、ロックオン。
美濃戸中山の東の緩い沢地形に入ったところ、目印がある。
やはり考えることは一緒か。
目印はあるが、踏跡は非常に薄い。
目印は途中で無視して、適当に山頂へ登ることにした。
疎林とまでは言えないが、歩くのに殆ど支障はない。
地図通りに100mくらいは高度を上げさせられ、それなりには疲れたが、到着。
樹林で展望は全く無し。立場岳も、ほぼ同高度であり、予想は十分できた。
西へ長く尾根が続くが、ホテイランがどの辺で見られるか、余りよく調べてこなかったので、早めに登山道に合流したいので、適当に下ることにした。
獣道があって利用しながらだったが、油断しすぎて大失敗。
倒木と苔の下は、岩の間に被さっているだけで、踏み抜くと、大惨事。
シャクナゲもあって、ちょっと面倒臭かった。
基本通りに尾根通しで歩けば、こんな明瞭な踏跡・獣道が利用できたのかも。
登山道に復帰して、写真を撮りつつ、いつも通りに下る。
ネコノメソウ属のどれか。
そろそろ、沢登りというか、沢経由でのピークハントもしたいところだ。
石碑など色々人工物はある。
コミヤマカタバミは、あちこちにたくさん。
見上げるような大岩。
動かない被写体はいいのだが、鳥は難しい。
オオルリ!鳴き声は知っているので、ここまでも何度も写真を撮ろうとしたが、残念な結果だったが、ようやく何とか。
折角、こちらを見てくれたのに、小枝が邪魔よ!!
中途半端な美しくない写真だけ・・・。
気持ちはそれでも、メインのホテイランに向かっていた・・・。
登山道の横に保護されていた。思ったより、幾つもの株があった。
ちょっと白くて毛色が違うような株もあった。
私と同じく、楽しみにしてらした方とも、話ができた。
這いつくばるように写真をお互いに撮っていることもあり、笑みが思わずこぼれる。
苔と樹林も楽しみつつ。
美濃戸山荘に、ついに降りてきた。
その先の、赤岳山荘には・・・。
もう、今日は言うことない。大満足。
ここから八ヶ岳山荘に向かって、車が通る道を歩くのも苦痛が緩和されるというもの。
柳川の右岸から左岸に渡った直後から、強引に突っ切る。
驚いたことに、歩道があるようだ。これに乗って、別荘地地帯へ。
ツツジは見頃になってきていた。
別荘で過ごしている方と少し話ながら楽しんだ。
立派な建物もあって、本当に贅沢だと思う。
経済的、時間的な余裕もないと出来ないことですね。
馬車馬のようにとまではいかないが、毎日忙殺されている身としては、羨望の的。
まだ、今はその時ではない・・・。
どんどん突っ切る。
さっさと戻るはずが、足踏みしまくり♪
舗装路でも、また捕まる。
このコンビネーションも!
配水の設備?を抜けて、そこからは、廃林道っぽい感じ。
笹が茂るが、膝未満で問題なし。
ズミにボケと、最後まで引き留められて、無事に周回完了。
たくさん詰め込んだが、全て達成できた。
八ヶ岳の2000m超峰は、これで全て登った。
それ未満はあるが、余り惹かれぬ山。
富士見高原の『鼻戸屋』、主脈東の『防火線の頭』、南部の観音平北西の『屏風山』、蓼科山北部の『竜ヶ峰』、『八子ヶ峰』。もっと北部の『鍋鎗山』なども入るか。
この辺は、バイクでツーリングしながらでも余裕で回収できる奴等だろう。
最後に、阿弥陀聖水を汲む。
木に取り付けられた面が何とも・・・。
水は美味しい♪ がぶ飲みして、コーヒーも淹れて、寛いだ。
立場岳・阿弥陀岳・中岳・赤岳・地蔵ノ頭・石尊峰・横岳(三叉峰、奥ノ院、台座ノ頭) 美濃戸中山 / Argonさんの赤岳・横岳(長野県茅野市豊平)・硫黄岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ