遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

立場川本谷 赤岳 中岳 阿弥陀岳 御小屋山

赤岳を挟んで、先月の赤岳沢の反対側、今回は、立場川を遡行する。

日本登山大系には、初級・初心者向けと記載があるので、緊張感も無く前日眠っていたら、大寝坊をやらかす・・・。

登攀具やロープも持たないので、パッキングは楽だが、大急ぎで準備を数分で済ませて出発した。

舟山十字路、着。

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沢靴を履いて出発するだけなので、準備は早い。

ここには複数回いずれも冬にしか来たことが無いので、違和感をちょっと感じる。

早々に歩き始めたら、何と何と、広河原沢に向かって歩いてしまう・・・。

冬の気分で歩いてしまっていたようだ。

1㎞はロスして、適当に戻って復帰した。先が思いやられる。思い込みと焦りとは恐ろしいものであり、また、情けなさを感じる。慢心に気を引き締めることにする。

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林道に復帰して歩いていく。いつの頃の標識でしょうか。有効性は如何ほど?

そして、茸山にもなっているようで、右にロープが張ってあった。天然資源は大切にしたいですね。

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林道を進んで、沢を渡るとここに出る。

中央陵はここが取付か。タープが何とも。快適そうな場所だ。

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堰堤。そこそこ大きい。左から適当に越える。

上には家電ケーブルみたいなものがフィックスされていた。

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上は河原。危険は全く無いので、サクサク進める。

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続く堰堤は、右から。水は流れているが、問題なく通過できる。

ゴーロ歩きっぽい感じの様相が上も続く。そして、水がほぼ無い・・・。

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紅葉はまずまず。上は期待できそうな。

無事に水も流れてきて、ほっとする。

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小滝も楽しく通過していく。ボルダー感覚で好き勝手に。

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紅葉はやはり素敵だ。緑、黄、赤と、そして青空。 秋の沢はこれがたまらない。

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ノロシバ沢でしょうか。水が全く流れていないが、岩壁で仕切られたこの景観は素敵。

右の側壁は10m近いかな。

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沢の様子も良くなってきて気分が上がる。

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滑っぽいところもあり、悪くない。癒し系な沢に感じる。

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小滝を楽しく通過。シャワーは御免だけど・・・。

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八ヶ岳に特徴的なこの岩の感じ。嫌いじゃない。

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ぬめりは少ないので、ラバーで問題なし。楽しく快適。

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ボルダリング感覚でいけそうなところは試してみる。

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結構、深い谷らしくなってきたり?倒木も無いのでいい感じ。

さて、お次は・・・。

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この滝、結構厳しい。

左の倒木で登れそうだが、ぐらつきが酷い・・・。

嫌だなと思って、滝の左の岩の先へ。

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こんな様子。分かり難いが、被った岩が引っ掛かっている。

全体重をこれに預けるのは躊躇するので、滝左の岩の左側面の垂壁を登ることにした。

高さは4m程度だが、これが結構いい感じのボルダリング

上の様子も分からず、5級くらいありそうな感じ。

抜けた上が問題なくて良かった。まぁ、クライムダウンして飛び降りることができるのでやっているのだけれど。

楽しくなってしまった♪

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小滝はゴーロの中に続く。

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日が差していると、エメラルドグリーンの水が綺麗だった。

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びしょ濡れにならない程度に楽しんで通過していく。

ここまでいずれも小滝なので、危険は全く感じない。

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時折現れる紅葉がたまらない。思わず見入ってしまう。

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これは、ガマ滝沢のF1。ホールド細かく、右から行けるのでしょうか・・・?

下部ゴルジュだけでも価値があると、登山大系には記載があるので、そんな様子がF1から窺える。

滝記号が地図にはあるので、時間があれば、ちょっと行ってみようと思っていたが、考えが甘かったと感じた。

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小滝をサクサク通過。危険は無いので、本流は変わらず癒し系ですね。

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左にスラブ岩壁が出現。

その下には・・・。

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快適な岩小屋!!焚火跡もあった。

ここは、本当に快適だと思う。泊まりでゆっくり来られたのなら、贅沢この上無し。

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ゴルジュらしい景観となる。

でも危険は無くて。

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2m程度の小滝が架かるのみで、側面を普通に通過できてしまう。

危険は無いのに、この景観を味わえるのは中々無いように感じる。

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上がった先の小滝。本当に小さいのだが、綺麗。

その先、いよいよお楽しみ・・・。

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この先、非常に狭く暗い。

登山大系で、暗峡と記載があるところに間違いない。

ここには、深い釜を持った6m滝が通過不能と書かれている場所がある。

登れないにしても、ひとまず行ってみることにした。

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2段の滝が架かる。高さは10mに満たないか。

下段は、簡単に左を通過できる。

さて、上段は・・・。

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うーん。どうでしょうか。

外傾した左側からひとまず偵察。意外にいけそうに見えるので、雨具を装着して、カメラなど防水して、更に、滝壺の深さも概ね問題なさそうなことをチェックしてから試すことにした。

ヒヤヒヤしながら外傾を滝に向かって取り付く。

結局、水流のホールドを掴んで、ジリジリと手に足しながら上がる。

途中、ホールドの崩壊もあり・・・。右半身も水でびしょ濡れ。

左上にあったガバホールドと思っていたのが想像していたよりもダルいホールドで焦る。何とか水流のフットホールドが拾えて突破できた。

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高さの割に結構悪かった・・・。まぁ、高さあったらトライしていないと思う。

Ⅳ~は優にあると思われます。

いや、こんなん余裕よ?って人いらしたら、尊敬します。

私は、滝壺も割と深さあるし、初心者~初級者と言われた沢の中で突破できないなら、これからの山行にも差し障ると思って頑張ったのだけれど・・・。

ゴルジュ突破欲が上回りました。

初めて、登山大系を超えられた気がする。大体さらりと『~を登る』とか書いてあるけれど、嘘でしょ!?っていうような渋いところが結構あるんですよね。

さて、その先はまだゴルジュ地形。緊張は続く。

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ドキドキしながら、左に屈曲している沢がどうなっているか想像しながら・・・。

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また滝がいた。10mはなく、8mくらいかな。

こちらは、倒木があってすっきりしない。登攀意欲も湧かず。何より、先ほど水を結構浴びて寒くなったので、シャワークライムしたくなかった。倒木利用で水に濡れることを厭わなければ、確実に突破可能なのは確認できたので、少し戻った所から右岸巻き。

その後、ゴルジュは緩和されていく。

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こいつは、それでも倒木利用で面倒な感じでの突破となった。倒木なければ、左からの巻き気味で抜けとなりそう。

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ゴルジュはこれで終了し、以降は無く、その後、小滝で危なげない。

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意外に綺麗な滑も出てくるか。

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滝は大きくないので、左からサクッと越えられる。

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この沢は主稜線のキレット小屋へと突き上げている。

キレット小屋まで短距離ですね。

小屋が上にあるので、ここで水を補給するのは、ちょっと気が引ける。

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紅葉は綺麗なので、何度も写真を撮り進まない。

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小滝だが、綺麗だ。紅葉とともに癒される。

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阿弥陀岳からの稜線のようだ。この時期、ベストではないかと思う。

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小滝と小さい釜。やはり、癒し系。

適当な沢で水を汲んでおく。

そして、二俣。

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右は本流らしく、まだ水がそこそこ。奥壁が遠くに見える。

私は、ここから中岳と赤岳のコルに向かって伸びるこの沢筋を詰める。

すぐに水は枯れてしまう。特別危険がない。

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左はスラブに落ち葉が乗っているような光景もあった。

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いよいよ、右手に主稜線が見えてくる。振り返れば、権現岳編笠山

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沢筋はばらける。こんな様子なので、藪漕ぎとは無縁で快適。だが、暑い。

左には中岳もすぐの距離に迫る。

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しかし、やはり、こちらが主役か。赤岳は圧倒的。

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上小屋から転がってきたのか?ドラム缶があった。

何とも不思議。

以降、ややハイマツがあるが、大人しい。膝程度で、殆ど支障が無い。

無事に登山道に合流する。

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中岳を振り返るようなかたちで見る。結構登りますね。

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横岳。大同心などは、アイスで行きたいところ。

思ったより時間が早いので、赤岳まで向かう。

暑くてジリジリ炙られるようだ。

平日だが、何人かとすれ違う。

鎖もあるが、今の時期は余り必要ない様子。

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富士山も見えている。竜頭峰とともに。

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そして、本峰の赤岳に到着。

前回は展望が余り良くなかったが、今回はほしいままだ。

沢靴から履き替えたり、着替えをして展望を楽しむ。

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県界尾根と真教寺尾根も、今回はすっきり見える。

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今回、下山で中岳、阿弥陀岳、御小屋山を踏むので、八ヶ岳で未踏を残すところ、あの美濃戸中山と、立場山のみとなるか。

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阿弥陀岳は結構高い。登り返しに気持ちが向かう。

そろそろ下山に向かうことにする。その前に、一応、竜頭峰へ。

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初回、赤岳に登った時に見ているはずだが、余り記憶に無い。

登山道から僅かに外れるが、危険なく登れる。

日本山名事典にも記載されているので、写真にも残しておきたいと思った次第。

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富士山まですっきり見える。午後のこの時間帯でも見られるのは嬉しいものだ。

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権現岳までの稜線。こんな風に見えるんだっけ・・・。

大展望に満足。ちょっと名残惜しくいつも感じるところだが。

中岳のコルまでサクッと戻り、登り・・・、結構大変ですね。

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振り返れば赤岳があるので、苦にはならない。

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中岳には標識。遭難碑もあったり・・・。

予想以上に、立派なピークだ。

南陵を気にしながら、阿弥陀岳へ。ここもまずまず登るので疲れる。

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左手の展望を見ながら、正面の登りを見ないように?

この時間ですれ違う人がいるのに驚いた。泊まりと思われるが。

目標の一つ、阿弥陀岳へ。

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御料局三角点が朱塗りで鎮座。

人工物は多い。

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石仏だったり、山頂標識など多数。

南陵の標識まであったのに、また驚く。

赤岳がすっきり見られなくなりそうなので、しばし再度楽しんでから。

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行場とある。宗教的なところらしい。険しさを感じる場所にある。

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まさか、中央陵の標識もあるとは。八ヶ岳の人気の高さが窺える。

御小屋山も目的の一つなので、そちらに行くわけにはいかない。

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御嶽山乗鞍岳も遠望できる。諏訪湖も湖面が光っている。

ザレているので下りにくい。良くない。

樹林に入り始めるが、結構日差しはきつい。

水もそろそろ補給したいので、標識の場所から不動清水へ行ってみる。

f:id:Argon:20211014192221j:plain冷たい美味しい水がしっかり流れていた。

稜線から極僅かな下りで、こんなに簡単に水が取れるなんて、とても貴重な存在だ。

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樹林で足にも優しい地面で、歩きやすい。傾斜も緩くなるのでサクサク。

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御小屋山。展望は無く、通過点ですね。

さて、三角点はと、少々探してみる。

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標柱から少し下った場所にあった。簡単に見つかる。

三等三角点、点名『鷹打場』。

もう用は無いので、あとは下るのみ・・・。

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と思ったが、この2つ目の標識にある諏訪大社奥社が、どうにも気になってしまった。

踏跡がぐっと薄くなるのもあり、向かうことにした。

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下り始めてすぐに、御料局三角点を発見。本日2つ目で、ちょっと嬉しい。

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この植物は何でしょうか?

もう散ってこの状態なのかな。

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尾根沿いを進んで1801m高点には、標識がある。中々に年季が入っている。

尾根伝いでもよかったが、沢にも地図には道があるようなので、適当に下る。

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クリンソウがある沢。水も暫くすると割と流れている。

荒れた様子も少ない。

道はあるような無いような。それでも手入れがされている印象で、踏跡は薄いながらあり。

明瞭な道になると、巨木に御柱というようなものが貼られている。

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右手には、この社。これが、諏訪大社奥宮なのでしょうか。

昭和6年だったか、社の側面に彫られていた。

周囲を探索。

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こんな感じで、幾つかの目立つ巨木は写真の通り。

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こちらにも社。こちらが本命か?

右の切り株も大きい。

旭小屋とあるのは、諏訪大社関係者の小屋らしい。

車も通れる道のようになってくる。

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こちらにも小さな社。

そろそろ日没も近いので、この辺にしておく。

さて、美濃戸までこの道を行ったのでは、舟山十字路まで戻るのが大変。

少し戻って、真南に突っ切って戻ることにした。

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道があるようだが、既に廃道化。笹が生い茂り、藪も少々。疎林を見越していたが、当てが外れる。それでも歩行にはさほど支障は無かった。

そのまま登山道となった道を下って、舟山十字路まで戻った。

立場川は、個人的な核心2カ所が通過できたので、充実した。

これを回避するかどうかで、満足度はだいぶ違うように感じる。

阿弥陀南陵の下見もできたし、次回に繋がる山行にも満足した。

何より、秋の沢の美しさと、詰め上げた山の荒々しさは絶品だった。

 

  • コースタイム

舟山十字路(7:20) → 南陵取付(8:05) → ノロシバ沢(9:00) → 4~5m滝(9:40) → ガマ滝沢(10:35) → 岩小屋(10:55) → ゴルジュ滝(11:00) → 倒木8m滝(11:30) → 二俣(12:25) → 中岳コル(12:55) → 赤岳(13:20-13:45) →  竜頭峰(13:50) → 中岳(14:10) → 阿弥陀岳(14:30-14:40) → 不動清水(15:35) → 御小屋山(16:05) → 1801m高点(16:35) → 社2つ目(17:00)*探索30分程 → 登山道復帰(17:20) → 舟山十字路(17:30)

 

 

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