奥秩父の一角、扇平山にサクッと登って、小川山でボルダリングをしようと計画していた。
が、扇平山の麓を回ってみるも、獣除けの網が広範囲にあり、入山禁止の標識だらけ。高原野菜の農作業の人も多く、すっかり登る気をそがれて止めた。
さて、小川山の石楠花エリアにどんなものかと岩の状態を見るが、さっぱり駄目!上の林間エリアであれば、乾きも早いと思うが、それまで待てない。
未登ピークハントに切り替える。
前置きが長くなった。
行先は、長峰と雨降山。
東西どちらから攻めても登れるに違いないが、梓川の廃道の様子も気になるところであり、東からとした。
過去、五郎山に登った際の駐車場所の付近から出発。
右の未舗装林道へと歩き始める。この場所は、常楽院平というらしい。
スミレや梓川の流れを見つつ、取付場所を探る。入山禁止が煩いほど見られ、上部もだろうかと少々気にする。
ここで境界見出標と赤テープを発見。作業路っぽい道がある模様。この辺は入山禁止が無かったので、都合よく解釈して登っていくことにした。
道はあるようなないような。どこでも適当に登っていける。
5分も進めば、岩屋か、炭焼窯か。
スミレは全盛。どこでも花を見る。
尾根に乗った。踏跡らしいのはある。
たまに遠くに赤テープがあったが、茸採取用なのか林業用なのか。
何回か明瞭な道があり、横切る。
一ヶ所、東~南に展望のある岩があった。
白いスミレ。何でしょうか。左の側弁が欠損している。
明るいカラマツの植林が殆どで、この辺りの花は容易に見られた。
稜線に乗って北を見る。どうやら道がありそうだ。
今日は南へ向かう。
ひと登りで左に岩場があり、そこで展望が得られた。
左の山肌に帯のようになっているのは、天竺平へ伸びている林道だろうか。
ここにはヤマザクラがあったが、まだ開花していなかった。
さて、ブランチでもと思って、ザックの中を見ると、食料は飴が2つだけ!!
昨晩は余りエネルギーになりそうなものを取っておらず、これはまずい。
ゆっくりと登って省エネにしようと思う。
ほんの少し進めば、天狗山や男山の展望も。
いずれ、御稜山から東も稜線を繋げていきたい。
小川山北尾根の向こうには八ヶ岳。
若干、前日雪が付いた模様。
稜線上の踏跡はあり、藪山に入る人であれば、非常に明瞭と言える。
問題なく長峰へ到着。
長峰。三等三角点、点名『水車』。点名が水車とはどういう所以なのか。
展望は無し。写真の三角点の背後から歩いてきた。
その後も稜線上は、藪の問題なし。
ミヤマハナゴケが群生している。
繊細で美しさもある。
長峰から40~50mほど高度を落とすと展望地。
引いて撮影する。小川山を中央に、八ヶ岳と南アルプスを遠望する。
小川山の屋根岩をズームで。日向の岩の乾きは早そうで、少し未練がある。
さて、向かう南は・・・。
雨降山と奥には国師岳。
稜線上は緑が見えるが、殆ど東西は植林のようなので、回避も楽勝と思う。
踏跡はあって、ストレス全く無し。古いケーブルあり。
殆どこんな様子。
1965mピークを過ぎると更に歩きやすい。
ジリジリ暑い。ゆっくり歩いてきたが、シャリバテらしく、登りが辛い。
ダケカンバの白が青空に映える箇所。
2076mピークは何もない。下りで岩が転がる程度。
再度、真南に尾根が変わると、少々シャクナゲがある。
ペースは元々ゆっくりなので、ほぼ落ちない。
仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳と鋸岳の稜線。右奥は中央アルプスのようですね。
雨降山が近くなった。
たまにシャクナゲは面倒だが、藪レベルとしては気にならないほど緩い。
振り返る。中々、素敵な稜線。
雨降山に到着かと思ったが、これは違うよう。
頂上は、こちら。シャクナゲで囲われて展望無し。
標石と角材とこの棒が刺さっている。
背後には、登頂でつけたテープ2つあり。1つは富士吉田氏の去年のもの。ここ以外で何度か見たことがある。ヤマレコで記録も見られる人。
さて、始めから計画していればとか食料があったらとか、たらればを考えてしまうが、今日はここから下山にかかる。
稜線を少し下り、梓川へ下りることにする。
シャクナゲが出て怯むが、密度は薄く、見た目ほど問題にならない。振り返って一枚。
稜線を少し外した方が歩きやすい傾向にあるので、途中で完全に向きを変え、適当な所で小尾根を下っていく。
シャクナゲともおさらばして、快適な樹林帯。
獣道らしいが、人が歩いたようにも感じるほど濃い箇所あり。
ぱっぱと下っていると・・・。
バイカオウレンがひっそりと咲いていた。
もう少し遅い開花と思ったので、嬉しい。
毎度似た構図になってしまうが、この美しさよ。
一応、単焦点レンズ持ってきて良かった!
咲いていたのは多くは無かった。
間も無く、梓川に降り立つ。
トタンの小屋を発見。左岸に建つ。
周辺、缶が転がっていた。
奥秩父の源流の雰囲気を感じる。
小屋のすぐ下、橋が架かっていた模様。
木は朽ちている。躯体はコンクリートか?
踏跡薄いがあるので、問題なし。
スギカズラが花を咲かせているのを横目に下る。
湿地ではなく、小川が複数集まってきている。
道はあるような無いような。植林も密度は薄いので、適当に進める。
途中、池のようになっている場所。水棲生物は何も見えない。
左岸を変わらず歩く。
滑滝。5mくらいか。
歩きの沢ならば、そろそろ沢登り開始してもいいかも。
その下にはもっと大きい滑滝。
中間でひょんぐり。
この辺でも再度バイカオウレンを発見した。
カサゴケが瑞々しく目を惹いた。
再度、滑滝。4mほどか。
この辺から、何度か飛び石で左右に渡渉していく。
林道が来ていた時代はどんな様子だったのか。
堰堤を通過。巻きは右岸の一択。
越冬したチョウがいた。警戒されており、この一枚が限界。
花は少ないので、よく見るものしかなかった。
ネコノメソウのどれかとか。
キムジロとか。
どちらも個人的には雑草の域を出ない。
最後の見ごたえのする滝。8mくらいかな。
堰堤の下にまだあったことに驚く。
そして、今回のハイライト。
風に揺れないタイミングを狙って、じっくりと・・・。
この雰囲気たまらない♪
心行くまで楽しんでしまう。
この堰堤連打のすぐ下に廃林道が来ていた。
梅雨時など水量によっては、渡渉で濡れることを覚悟した方が良さそうなルートだったが、今日は最後までトラバースや渡渉で問題なかった。
下ってくる最中、そういえば林岳というピークがあるのを思い出したので、踏むことにする。橋を東に渡って1682m高点を経由して、林岳(1684m)を目指す。
1682m直下は地図通りに岩が転がる。
植林で、上部はアカマツも混じる。
1682m。特に何もない。東に向かう。
変わらぬ光景。
左下に林道が見えたので、すかさず下って合流。
右の斜面を下り、林道をショートカット。
チョウジザクラでしょうか。咲き始めの様子。
未舗装の道を再度歩いていく。
ゲートを跨いで振り返る。
進行方向には、林岳が存在感を示している。
花崗岩を南面にまとい、中々の山容。
南の破線路はその通りに道があるので、そちらへ。
植林で、危険もなさそうだ。
沢地形を少し上がり、最後は適当に左寄りに登って稜線に乗った。
こちらもアカマツが混じる。
歩いてきた南面の展望が良い。
中央やや左、ちょっとした岩が見えるのが気になっていた。帰って調べてみると、これが岩岳だったようだ。山と高原地図では、赤岩と記載がある。
幻の滝がグリーンシーズンで見られる水量が多い時期、一緒に行けるだろう。
林岳、着。振り返ると五郎山。
山頂標識は朽ちて足元に転がっていた。
西には碑があり、昭和と彫られていたが、何が書いてあるのか感じは見えるが意味が不明だった。
白砂青松ではないのだが、そんな気持ちの良い場所だ。
北面、御座山も遠望。ほぼ360度の展望が得られた。
穴場だと思う。
後は用済み、下山にかかる。
北東のピークも踏んで下ることにした。
シャクナゲが稜線はあるが、右手から容易に回避。
こちらは、先ほどより展望は劣る。
林岳を振り返る。
奥の大原平ノ頭が気になるところだ。
展望はこれで終了。
北に伸びる尾根を木を掴みながらさっさと下る。
振り返る。沢型の方が楽だったかも。
幻の滝のある沢に架かる橋付近に合流。水量、もう少し欲しいと思い、幻の滝は次回の楽しみにしておこう。
ここからは歩いているので、黙々と・・・。
山中で見たのとは違い、鮮やか。
10分ほど歩いて周回完了。
貯蓄エネルギーが余りない状態で登るのはダメージが大きいことを思い知った。
長峰・雨降山・林岳 / Argonさんの雨降山(長野県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ