去年、肩の手術をしてから身延町の山里を割と歩いていた際、十谷の山奥にある山王集落にどうしても行きたくなった。流石に、片腕がまともに使えぬ状態での訪問は危険だった。今年最後に、何とか訪問に至る。
柳川からのトラバース道は崩落があり利用不可能との情報があるので、富士見山林道の通る東から確実にアプローチする。それはそれで気になるところではあるが。

山王向かいの稜線にある635.6m、四等三角点、点名『山王』も踏みたいので、最短で南西の沢型を登ろうと駐車余地を探しやや南に駐車。そこで、スロープになっている場所を発見。意外にこれは簡単に行けるのではないかと思い、辿ることにした。

道型は落ち葉が堆積するものの、明瞭であり、稜線に乗る。稜線上はほぼ植林で問題なさそうだな。ここから沢に向けて道が続いているので、これ幸いと引き続き辿る。
が、途中で倒れた竹が煩わしくなる箇所へ…。

ここで踏跡が不明瞭になるのを見る。歩きにくそうなので、トラバースは止めて、小尾根を下降。少し下りにくいものの、跳躍したり地面を崩したりしながら強引に沢へ。やや右寄りに下った方が、植林で楽そうではあった。

向かいは植林。石積が見える。

立派な石積が何段にもわたる。林業盛んな時代だったのか。ほぼ植林なのだが、なおも時々竹が混じり、結構歩きにくさを感じる。歩きやすいところを適当に登っていく。

やや開けた場所があり、その上に集落があった。いよいよ対面。

生活感があふれる・・・。

いつまで使われていたのか。電気は通っていたから、併用でしょうか。地理だったか教科書があった。

身延か。そして、犬を飼っていたらしい。昭和39年!!廃屋とは言え、中に入るのは当然ながら避ける。外から眺めるのみ。
北へ移動する。

そのお隣は倒壊していた。その更に隣は酷い竹藪。
裏に回る。

3mほどの高さのとても立派な墓標。明治と彫られている。望月姓。十谷一の資産家がおられたそうなので、このくらいは当然か。

北に続く道は下り。立派な石積は相変わらずだ。

道型はあるが、まぁ、自然に帰りつつある。遠くに石積が見られる。崩壊している場所がこなせれば、案外残っているかもしれない。

昔は軽トラックくらいは十分通れただろうな。
戻って、ハイライトの神社。

階段は瓦に埋まる。まぁ、登るのには特別問題ない。

狛犬は左のみになって鎮座。その左に同じ内容の石碑が3つ並ぶ。

左は比較的新しそうだ。真ん中は明治か。

最後の階段は竹などで荒れ放題。恐らく建物があった場所も・・・。

水が右側からしたたる。跡地は完全に竹藪に飲まれ無くなっていた。

東を見ると、富士山。人がいた頃は、もっとすっきり富士山が見えたのだろう。

更に上部。導水管らしきホースが上に続いていたが、それ以上は無さそう。この石の箱が残るのみ。何でしょうか。

右の狛犬がいらした場所には、梁だったような木材もあった。
続いて、その下。

郵便受けを覗いてみたい衝動に駆られる。中は丸見えなので・・・。

奥にブラウン管テレビがある。新聞はいつものだろうか・・・。建具が気になるところ。

こちらは、260-41か。番地だったのかな、やはり。


色々と転がる。営みがあったことがよく分かるな。他にもビデオテープやカセットテープも落ちていた。

段になっている。少し上がると、そこは墓石があった。

そちらの道も行ってみる。右の段を進むと倒壊した建物。

この先も道があったのかもしれないが、分からない。一段下かもしれないが、畑か植林の作業路と推測。地図でも道はすぐ先で止まっている。

戻る最中、先の家屋を下から眺める。改めて見事な石積。

内部はやられているが、玄関先はまだ何とか保っている。

水場がある。瓦が家の前にはおびただしい量で存在。

倒壊してこうなったのか、運んで置いたのか・・・?


すりガラスや繊細な引き戸が時代を感じさせる。自分が住んでいた前の家もこうだったなぁ。ノスタルジック。

多分、望月の家紋?蔵風な感じもあり。

一周してきた。感慨深いなぁ。比べてはアレだが、どこかのテーマパークよりも遥かに楽しめた!!1時間近くをかけてゆっくり回った。
まだ見落としがあるかもしれないな。昔の北からのルートを辿ってみたい気にさせる。
さて…、往路をただ戻ってはつまらないので、尾根を下って沢までは問題なく。登りにくそうな斜面であり、沢地形を上がるのもちょっと躊躇するので、行きで見た植林まで沢を右岸を進んで上がる。

右岸の植林も立派な石積であった。いやはや、今はこんな綺麗に詰める人いるのかね。
四等三角点『山王』までは北に戻る感じになるので、歩きやすそうな踏跡を利用してトラバース気味に登る。

立派なヒラタケが途中にあったが、流石に傷みが強く、食べるのは躊躇する。残念。

トラバースしてきたところを一枚。危険がないとは言えないものの、登山道だと思えば、問題ないレベルか。

無事に稜線、南の鞍部に出る。向かう先を見る。全く危なげはなく、緩い登りで三角点を目指す。


三角点は埋もれていたが、国土地理院の白い杭が僅かに落ち葉の中に見えたので、すぐに見つけることができた。

ピークの様子を一枚。さて、下山は東の尾根を下降。獣道と思うが踏跡あり。植林っぽさもあるが、雑木林。

下の方では竹がまた出てきたが、ここは全く横目に見るのみで支障なし。イノシシが去っていったのを見たのみで、危険なく林道へ。

手前の電柱と吹付の間から出てきた。北を見ている写真。大規模な法面を見ると、降りてきた場所がベストと思われた。
富士見山林道に相応しい展望。


これを楽しみ、10分ほどで駐車場所へ戻った。
神社が倒壊していたのが残念ではあったが、訪問できて満足!!