今日は時間の融通が利き、高山の花見に行く!
トラキチランが見られればラッキーだが、今回の目的は、アオキランと3000m付近にあるリンドウ各種を見ることだ。そして、毎度お馴染みのマイナーピークのターゲットは、シレイ沢向山。花見・ハイキングの鈍りまくった足の具合もみたい。
夜叉神峠からバスで広河原入り。
バス組の皆は、出発がとてもゆっくりしている。平日に来る人達だから、時間的余裕があるのでしょうな。ほぼ、先頭で吊橋を渡る。
植物観察しながら、序盤は全く足が進まない♪
散ったホザキイチヨウランは花を見たかった・・・。イチヤクソウも散っていた。レイジンソウはちょこっと。
お目当てのアオキランは容易に見られた!
まだ序盤戦ですね。
日が当たり始めて、とても良い!
このざらつきと色見、コシノコバイモを少し彷彿とさせる。
この撮影中、ほぼ全ての登山者に抜かれる。皆、見向きもしない・・・。一人興奮気味に撮影しているのが、何とも。
クロクモソウも発見。モミジハグマ属、コウモリソウ属なども。
ツバメオモトもいたな。
高度が上がると、セリバシオガマがたくさん。トモエシオガマか?それは数株。
御池小屋付近からは、ハクサンフウロとヒメコゴメグサが多い。後者は特に以降も多い。ハクサンフウロとともに写るのは、ハナワラビのどれか。
ぼちぼちと草すべりを登る。他の登山者とペースが合わない。写真を撮っていると追い抜かれ、また追い越すといったことがこの後何度も・・・。
御池を眼下に、鳳凰山を見る。よきかな。
湿った場所には、サンリンソウか?それにアカバナのどれか。樹林に入ると、幾つものタケシマランを見る。これまでにもあったけど。
あれは頂上か?天気はもってくれそうかギリギリか。
シナノキンバイの咲き残りか。右はミヤマウイキョウかミヤマゼンゴでしょうか。
他、ユキザサやイブキトラノオの咲き終わったのを見る。
富士山が見えたのは、今日はここでだけだった。
ナナカマドの赤が青空に良く映える。鳳凰山の花崗岩の白は少ない。
小太郎尾根を俯瞰。沢登りで扇沢や小太郎沢のどちらかなど気になるところ。
仙丈ヶ岳。大きいですな。はぁ、まだ東には北沢山が残っているな・・・。
そして、トラキチラン・・・。北沢峠や両俣小屋への道にもあるそうだが、いつか会えるだろうか。
ほぼ終盤になった花達。最後は完全に散ったタカネビランジ。
ハクサンイチゲの咲き残りが幾つかいた。これを見ると、何となく高山気分を味わえる気がする。
ミヤマシオガマ、ミヤマキンバイ、この辺も終盤。トウヤクリンドウももう終わりかな。
肩の小屋前、幕場にも花が多かった。
左は散ったシラネヒゴタイ。真ん中はミヤマシャジンのような気がする。もしかすると、ヒメシャジンかも・・・。右は丈がある程度あるので、ホソバトリカブトのような・・・。他に、ネバリノギランも多かったな。
ミネウスユキソウ? イワギキョウとタカネコウリンカは分かる。
殺風景な中にも植生があることで癒される。
何度かぶりの北岳。新しさ十分な三等三角点。高度が変わったんだっけ。
バットレスを登ってきた方に撮影依頼を受けた。普段、ステルスオーラを存分に纏っているはずだが、薄れたか。通過点に過ぎないので、変わらず速度で通過。
葯が綺麗なシコタンハコベ。いいなぁ。ミヤマミミナグサの綺麗な子も中々。
これは、ジンヨウスイバのうようだ。
そして、リンドウではないが、目的の一つを見つける!
ヒメセンブリ。まだ序盤のようで、蕾がたくさん控えている。
初めて八ヶ岳で見た時は分からなかったな。淡い青が上品。
中白根沢ノ頭をどうしようか悩んだが、シレイ沢向山のことも考えると、微妙な時間であり、割愛した。
目当てのリンドウもちらほら。
サンプクリンドウ。想像していたよりも小さい。可憐だ。中心の様子が興味深い。
北岳にある青系統の花はどれも素敵だ。
主稜線を外れて八本歯のコルへと進む。
すぐに目当てのもう一つのリンドウを発見!
アカイシリンドウ。少し早い模様。
それでも開花しているものが幾つもあった。
ガスに包まれる中下る・・・。
これはキタダケトリカブトに間違いないだろう!既に草紅葉が始まっているような。
まだヒメセンブリもいた。
キンロバイの群落が見事! イワインチンは少なかった。
他に、ナデシコの終盤がいたか。花においては大満足。後は、ピークハントだ。
大樺沢ルートは通行止らしいが、どんな様子でしょうか。
アップダウンが少しある。整備は適度にされているが、少し簡易的な感じがする。
途中。
バットレスを眺めるには絶好の尾根だ。
踏跡は十分であるが、一般登山道としては利用度が少ない印象で、ハイマツに埋もれている場所もあった。
あそこが、ボーコン沢ノ頭。一人休んでいたようだ。
この辺まで、写真ばかり撮っており、鈍足だったので巻いていかねば・・・。
分岐を無視して尾根を直進。
暫く進むと、この標識があった。嶺朋クラブは近年解散してしまったらしいから、整備などされているはずがないだろう。3時間もかかったのでは、嶺朋ルートを下るにせよ危ういと心配になる。
案の定、早速ハイマツとダケカンバの抵抗を受ける。
上部、踏跡は十分にあるが、植生に飲まれつつある。目印もあり。
ハイマツが強い場所が度々あり、シレイ沢向山の分岐する場所付近が中々。
上から踏んで歩くものの、軽めのトレランシューズで来たので滑りまくって埋もれること数回。これは進捗芳しく無い・・・。地図をよく見て、右寄りに逃げる。
もがいたのは5分程度であり、すぐにこんな針葉樹林になった。
美しい。これはいい。
倒木はあるが、ストレスを強く感じるほどではなく下れる。
植生はというと、コフタバラン?を発見。もう終盤かな。余り多くは無かった。他にもラン科が無いかと思って見るが、見つけられない。元々いないのか。獣道がかなり使えるが、逆に言えば食害に遭っているものがいたはず。
2300~2500mほどになるところで、地図通りのタル沢源頭の崩壊地を通る。
夜叉神~鳳凰への道が見えるのかな?
あちらは池山吊尾根の正規ルートか。雲がなかったら・・・。
その後も概ね変わらぬ植生でシダで覆われる場所も多い。
いよいよ、シレイ沢向山西の台地手前の僅かな沢型を横切り進む。シラカバか?何だか植林されたかのような場所だ。周囲、シカが寝た痕跡が幾つか見られた。これは、下草を見るに納得だ。シダかマイズルソウと小さな笹しか見当たらない。
やや下り気味に行くと、三角点途中に垈場があった。5×10mほどありそうだ。さぞや、シカには居心地がよかろう・・・。
無事にシレイ沢向山に到着!三等三角点、点名『白井沢向』。日本山名事典に収載されている山だが、年間で踏む人は片手で済む程度だろう。そもそも山名があること自体知らない人が殆どだろう。
さて、そこそこ順調。エスケープというのも何だが、バスに間に合わない場合は東尾根を下り、鷲ノ住山経由で歩き切る構想もあった。十分に間に合いそうであり、無駄に林道を歩きたくないので、北尾根を迷わず下ることにした。すこぶる歩きやすいのでどんどん進める。
すぐ下で、同じような小規模な垈場あり。
樹林は気持ちよいが、下草は相変わらずな印象で残念だ。櫛形山の保護区外と似たような印象を持つ。あちらでは、シダ類でさえ少ないので、まだマシか。
地図上で気になっていた、最も平坦な場所。コンサートホールのようになっていた。
幕営するには本当に気持ちが良いだろう。
順調に下って、尾根がばらける1930m付近に来ると、やはり、東寄りの尾根に行きたくなるが、経験上、着地点はグレーな気がする。北尾根を進み、すぐ50m程度高度を落とした場所の尾根分岐は、迷わず左だ。絶対に、右尾根で直角に道路が折れている地点に行ってはならないと思う。そのまま小樺沢の屈曲する場所目掛けて降りるのもありかもしれないが、念には念を押して橋との中間地点を目指す。ここの地形は、行きのバスでつぶさに観察していた。
疎林な上、シャクナゲも勢いは非常に弱いので、先も見通せる。獣も歩きやすい場所は利用するらしく、私もそれに倣う。後半に従い、傾斜を強く感じるようになる。
強引に小樺沢に降りようとすると、ふと急斜面にテープが巻かれた2本の木を見た。何のためでしょうか。そいうえば、少し手前に右手に何か人工的なものがあったような。用途は不明だ。
無事に小樺沢に降り、右岸から橋に合流。正面はゴウロ沢だろう。
時刻を確認すると、15時30分前だ。乗れるバスは16時30分過ぎであり、これならば、中白根沢ノ頭も丁度よく往復できたな、などと結果論だが思うのだった。概ね嶺朋ルート標識を見てからここまで2時間半ほどであり、順調過ぎたのだろう。
見るものがあるわけでもなく、広河原まで到着。乗り合いタクシーは、生憎満席。終バスまで待つ。インフォメーションセンターを眺めるが、面白い情報があるわけでもなく、ふらふらしていると、職員の方から話掛けられた。今回の行程を話したところで・・・、と思ったが、何とシレイ沢向山に興味がある方で、やはり末端には特に気になっていたそうだ。その方が行かれた深沢の古のルート探索など、たいそう話に花が咲いた。お陰で、最後にとても楽しい思いをさせてもらった。最後ということもあるけれど、これが一番印象に残ったなぁ・・・。頂戴した名刺代わりのフォトから、ブログを見ると、これまた興味をそそられるものであり、山を終えた後も楽しめるものだった。まだまだ、自分の知る知見など、まだまだ少ないものだと思う。
シレイ沢向山 / Argonさんの北岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ