笛吹川流域、東沢の支流、東ノナメ沢へ、K君と行く。
東沢の流域において、この沢は、完全にマルチピッチクライミングとなるので単独ではリスクが高いと判断しており、ずっと遠ざかっていた。
有難い限りだ。
いつも通りに、西沢渓谷の駐車場を出発して、これまた見慣れた吊橋から東沢へと入っていく。
紅葉シーズンなので、人は多いようだ。
東沢の旧登山道を行く。
ホラの貝ゴルジュで遊んだ時と比較すると、水が少ない。
来年こそは、全部突破したい。
増水がなければ、単独フリーで全部行けると確信しているが、誰かご一緒してくれるかどうか怪しいものだ。
いつも沢を歩くので、巻き道は歩いたことがなかったので、祠を初めて見る。
お神酒は新しい。スラブ登攀が無事に成功することをお願いし、手を合わせる。
紅葉はまずまず。こちらは、期待を下回る。
乙女の滝。これは、アイスでなければ行く気はしないかな。
もっと水が少ないと思っていたが、そうでもない。
おや、あれは鶏冠山の第三岩峰?
この岸壁が見られると、東ノナメ沢出合が近い。
水の中も秋の色になっている。
さあ、来た。K君は休憩と靴の履き替え。
私は、行けるところまでラバー靴でそのまま右壁を上がって先に進む。
出合付近は、紅葉が見事!!これを待っていた・・・。
去年、塩山を倒しに行った際に、ちょっと冷やかしてみてビビっていたが、今日のフリクションはその時より良く感じる。
ラインを見ながらずっと右を行く。
上部、どのくらい傾斜を感じるのか不明。
傾斜が緩むところで、沢を跨ぐ。
まだ普通にロープ無しでも余裕な感じ。
振り返る。紅葉がばっちり♪
大きく滑ったら大惨事かもしれないが、生憎とそんな気が全くしない。
K君が暫く来なかったが、どうやら、左から来たよう。無事に合流。
ここで、クライミングシューズに私も履き替える。
もう少しフリーで登ってみる。
K君が発見したぐらついていたハーケンは、回収しようとしたら、ご覧の通りに折れてしまった・・・。
これは、残置プロテクションは期待できない。
どこでも歩けるような気もするが、一応、ここからロープを出すことにした。
ラインを吟味していると・・・。
左上に、ビレーステーションらしき場所を発見!
左のリングボルトは、結構歪んでやられている・・・。
先まで行くと、安定するか分からないので、ビレーポイントを移し、K君が実質の1ピッチ目を登る。
左上する染み出しクラックから灌木で切り返してほぼ直上。K君は染み出しも余り気にした様子なく、ランナウトもしながら、60mロープを目一杯伸ばし、灌木でピッチを切る。
フォローで登ってみると、リングボルトが抜けた痕跡が幾つも・・・。支点は取れないので、行き詰ると精神的にかなり辛いと思う。お見事でした!
さて、2ピッチ目は私。
1ピッチ終了点から、3ピッチ目を少々ズームして撮影。
傾斜はそれほどではなく、普通に歩けるが、これがぬめっていたらと考えると、恐怖でしかないだろう。
ふと、左を見ると、灌木にスリングが連結されていた。
トラバースなので、ランニングとして設置されたのだろうが、だいぶ長い。
振り返る。中々の高度感はあるが、落ちる気は全くしない。
しかし、余り油断していると、黒いミズゴケが生えていたであろう箇所は滑ることがあり、当然気が抜けない。
一応、その先の灌木でも一つとって、草付きクラックの下でピッチを切ることにした。
多分、30mほど伸ばしたが、そのまま上部まで一気に登るのには足りない。
キャメロット#2~3が抜群の効きで、確保も心配ない場所だった。
美味しそうな3ピッチ目は、K君がリード。
カムを追加したり、残置リングボルトも利用しながら安定して突破。上部はスラブで、薄いホールドがあったそうで、落ち着いて登っていた。
さて、フォローで私も楽しむ。
この絶景!!
傾斜が緩むので、以降は見えなくなる。
3ピッチ終了点は、水流近くの灌木で切っていたが、心許ない場所かも。
4ピッチ目。左をそのままは厳しいそうなので、右から私が。
最早、すぐに巻けるのだが、折角なので登る。
壁のやや右から上がっていくが、苔で嫌なので、左に移動する。
支点を取るのに、無理な体勢になり、カムの設置に少々苦労した・・・。
スラブは苦手なので、足は痛くなるし、その少し上も緊張した。水流近くの方が楽だったと思う。15mほど登れば傾斜が緩み、歩ける状態となった。
このピッチは、キャメロット#0.1とハーケンも1本念のため追加して、60m目一杯伸ばし、倒木でピッチを切った。
K君の様子は傾斜が緩んで見えないが、全く問題なく登ってきた。
これで登攀は終了となり、大休止。
上流には、15mほどの滝が2つあるが、登れないか、非常に困難とのことで見学のみ。
上部の紅葉は終盤であるが、それでもこの青空の下、スラブ登攀ができて嬉しい。
素晴らしい景色をゆっくり楽しんで、靴を履き替えて詰め上がる。
逆層で傾斜もきつく、まぁ惹かれない。
右から巻いた。
そのすぐ上の滝も、右からそのまま巻く。
ガレの出合で一ノ沢かな?分ける。
本流の紅葉は枯れ模様だったが、こんな目を見張るような木がある。
遠くの景色は全然ないが、これは無くても許せる。
意外と面倒な倒木やら巻きもあるが・・・。
右から10m無い程度の滝。滴る程度で、そちらが支流かと思いきやそうではないよう。
ぼろい。右も左も巻けそうだが、左から超えた。
巻いたすぐ先、5m程度の滑滝。左から適当に上がる。
その先、大物。
20mくらいありそうだ。
ロープ出さないと、左右ともに近くを登るのは、ちょっと嫌な感じ。
右をやや大きめに巻き、トラバースして滝上へ。
この辺、まだ上に面倒な滝、倒木があるように見えて、適当に右をトラバースしながら高度を上げていく。藪も少しあって、この辺が一番すっきりしなかった。
沢に復帰して、水を補給。
二俣か三俣っぽい所は、最も右へ。
水もすっかり枯れており、藪もないので、どんんどん詰め上がれる。
明瞭な獣道があって、藪漕ぎは殆ど無いに等しく、登山道に出られた。
鶏冠山本峰は、既に何度も踏んでおり興味もなく、K君も今回は踏む気がないそうなので、第三岩峰まで行って休憩。
第三岩峰の右手の岩峰の方が、やっぱり展望は良さそうに感じる。非常に行きにくそうだ。
以前に、この辺に踏跡がそちらにあったのも、東ノナメ沢の詰めてきたものだったのかもしれないなと今回思う。
さて、あとは下山するのみ。
この景色も変わらず。ついここで撮ってしまうのも何とも。
もうここを歩くこともないだろうと思う。
じっくりと楽しみながら下る。
主稜線、縦走路を眺めていると、下部に道が目立つ。あんなのあったか・・・?
雁坂トンネルのもっと先に感じる。管理・巡視路でしょうか。
訪問する度に、標識やテープ類が多い道になっている。
上部は紅葉が余りないが、チンネのコルから下になると出始める。
ついつい写真を撮りたくなるので、足踏み。
今日はそれでも、ヘッデン下山とならなそうで、気分がとても楽だ。
そして、鶏冠谷出合。朝では余り分からなかったが、紅葉も終盤の模様。
飛び石で問題なく渡り、駐車場まで一気に歩き終了。
久々の『はくさい』で夕食もとり、とても充実した1日になった!
これで、恐らく今年は沢納めかな。
東沢 東ノナメ沢 / Argonさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ