大武川の支流であり、100m超級の大滝を秘める一ノ沢へ。
単独で行く予定であったが、K君もご一緒してくれることになった。
この界隈の100mを超える大滝には、他に言わずと知れた石空川・北精進ヶ滝、篠沢・七丈瀑もある。滝好きとしては、是が非でも訪問したいところであった。
篠沢を渡った先にゲートがあり、そこに駐車。スペースは十分。
コバギボウシ?同定、いまいち自信無し。見送りをしてくれる。
林道を歩いていると、クマが木から駆け下りてくるのを目撃した。
曇天や雨であれば、向こうも油断したり、察知も遅れるだろうから、やや心配。しかし、今日は単独ではないので、心強い限りだ。
話ながら歩いていたら、いつの間にか、一ノ沢出合が真横の場所まで来ており、大武川に適当に下降。
どんよりしているものの、雨は降っていないが幸いだ。
大武川も増水している様子は、全く無い。この分なら、結構降雨があっても渡渉は可能と思われた。
右岸にも廃林道があり、それを少し歩いて、一ノ沢に入る。
堰堤が早速。幾つかあるので、サクサク巻く。
この崩壊堰堤も、左から少し濡れながら登る。
堰堤の際が滝になっている。
ウォーミングアップとばかりに、水流右を登った。
小滝を超えていく。危険も特に無し。花崗岩の風化した砂で、深い森林であるが、明るさも感じる。
4~5mくらい。まぁ、登れない。
これは、簡単に巻けるが、遊んでみる。下の1m程度の段差・滝が突破できない。
チョックストーンのようになってしまい、空身で試してみるが、駄目。
K君の足を借りて、自分が先に突破したものの、足が無いと相当厳しくて、K君が上がれなかった。
こういうハング滝も多い。
苔の緑が非常に美しい。この天気だと余計に感じるところ。
8~10mくらいか。ゆっくり休憩。
先行で右から登って突破したところ、K君が剥がれた岩を落とす際にバランスを崩して落下したらしい!!
背中を負傷し痛みが出るものの、一応進めるとのことで、先へ・・・。
私も気を引き締める。
これも頑張れば登れるかも?滝横にあるビランジのピンクが、彩を添える。
花は、ビランジやシラヒゲソウが結構あって楽しめる。
旬と言ってもいいだろう。
シラヒゲソウはたくさん咲いていた。繊細で素敵!!
初めてまじまじと見たのは、奥秩父・豆焼沢だったな。
そして、二俣。
小滑と大岩から流れ落ちる小滝のパターン。
この右手が右俣になっている。
右俣、F1とも言うべき小滝。
7mくらいか。これは、一見巻きかなと思うが、近付いてみると、左壁に残置ピトンがあり、登られているようだ。ピトンを触ってみたら、呆気なく抜けたので、回収。
ヌメりは御覧の通りであり、ラバーの私ではかなりリスキー。
右岸を大きく巻いて滝上へ出た。左岸も行けそうだが、倒木も上にあり、支点がやや不安であり、安全に右岸を選択してのこと。
ちょい滑。
小滝だが、ヌメりには注意が必要。遡行するにしたがい、やはりヌメるようになる。
メタカラコウか、オタカラコウか。大きく目立つ黄色だ。
8~10mくらいあるか。
登れそうだなと思いながら写真を撮っていると、K君が先行して取り付く。
脆く剥がる岩を落としながら、無事に突破した!お見事。
遠目には、落ち口がのっぺりしており、ヌメりもあって、少々やばそうだった。
上部、K君がお助け紐を出してくれて、安心して登れた。
その先、大物が見えてくる。
これが、登山大系にある50m滝だろう。
下から見ると、意外に登れそうな気がしてしまうから不思議だ。でも、巻く。
帰りに滝の落ち口を見ると、懸垂用の残置スリング・カラビナがあった。
クロクモソウのようだ。滝下にあった。
巻き途中には・・・。
これは嬉しい!ヒメミヤマウズラだった。
葉も見ていて飽きない。ここまで、葉はあるなと思ってい見ていたが、花はこれだけ。
水流以外は、苔とヌメりで要注意だ。
これも確か巻いたかな・・・?
上は、6m程の高さか。まぁ、登れない顔。
そして、いよいよ目的地へ。
どれだけ高いのか伝わり難いが、正に見上げる高さだ。
左に枝沢を従える、堂々の佇まい。
下段の二条になった前衛滝だけでも、20mくらいありそうだ。
上段は直下からだと高さが無いように見えるが、当然錯覚であり、そんなことは無いのだろう。
違う花もこの辺りは多かった。
ダイモンジソウを見ると秋の気配を濃く感じる。
コゴメグサのどれか。ミヤマコゴメグサ?
キツリフネ。これは分かる。
ノコンギクか?
今回、何度も癒しをくれたシラヒゲソウ。こんなに見たのは初めてだ。
さて、十分この空間を楽しんだところで下山にかかる。
遡行途中に見ていた、赤テープのある所が、冬季ルートに利用されているに違いないということで、そこまで戻り、小尾根を登る。
初め、やや急な登り。途中の沢型をトラバースして、尾根に乗り、適当に上がって1393m高点に出る。200m程度の登りなので、一息に行ける。
チチタケが結構あった。
ふかふかの苔で美しい森林。
この尾根は、離山の登路としては十分に有益と思う。
周囲を観察すると、折れた木に巻かれた古い赤テープがあった。
ここから見えるあれが、先までいた一ノ沢大滝だろうか。
どうも判然としないが、左に食い込む枝沢もあるし、それと思うが、どうだろう。
後は、出合まで下るのみ。
植生はとても好みだ。
余り入る人は多くないようだが、赤テープが散見される。
キノコは多い。
ウスヒラタケ!少し旬が過ぎる。
これは何だろう。見た目からすると、冬虫夏草か。
マスタケですね。まだ柔らかいので食べられそうだが、余り惹かれない。
植生を見たり、キノコを見ながら楽しく下る。
だが、1320m付近で、左の尾根に目印が向かっている。
地図上、一ノ沢出合に延びる尾根をそのまま下るのが筋だと思っていたので、予想外。
修正し、目印は無視して右の尾根を下ることにした。
が、これが、枝尾根が多く、結構気が抜けない。
これは登りではいいが、下りにおいては地図のみではかなりの注意や修正を要する。
それでも下部になってくると、ケルンがあったり、古いビニル紐があったりしたので、幾らかは人が入るようだ。キノコ採りか?
最後は、やや右手の沢型を少し下って、大武川に出た。
廃林道に合流して戻る。
一ノ沢出合。地味だが、上部の内容は、行って損しないと思った。
渡渉してから、装備を一部解除して洗ったが、林道に上がる際に再度靴が汚くなってしまった。
ゲート到着。フジカンゾウか。
最後に、お帰りと言ってもらえた気がした。
ひとまず、K君の負傷が大事にならずに良かった。
自分も運よく今まで大きな怪我無いことに油断しないようにしよう。
大武川 一ノ沢 / Argonさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
さて・・・、夕食は、前回売り切れで食べられなかった『ふわっふわハラミ』を食べに、甲府昭和のステーキセンターへ。
前回も同じだった450gが、少なく感じるのはなぜだ?
改めて、薄っぺらな焼肉より、やっぱり分厚いステーキが大好きだ♪