奥秩父のアズマシャクナゲの旬を逃したくない一心で、未踏峰である大常木山と竜喰山を絡める。
しかしながら、それだけではどうにも物足りず、沢初め・慣らしとして大常木谷支流御岳沢も組み合わせることにした。
この時期の状況で、朝一から行動開始とはならず、急いで向かっても、11時前に着くのがやっとだった。
さて、適当に一ノ瀬川に下りていく。
が、だいぶ大常木谷出合の上に下りてしまう。
フタリシズカがあって、まぁ焦らず行けよ、と言われているような気がした。
水が冷たい・・・。渡渉が意外に面倒。
3mほどの小滝も出る。
予想外に時間がかかって、大常木谷出合。
何となく覚えている。
まだ穏やか。
早速、お出まし。この倒木の様子も記憶にある。
ここは、右を小さく巻くように・・・。
まずは、第一関門、五間ノ滝が見えてくる。
右から取り付くため、合羽を着て、腰近くまで浸かって・・・。
手早く突破したが、早速、寒い。
ぬめりは、まぁ、許容内。今回はラバーで来ているので、この後どうか・・・?
パパっと、お次の大物へ。
千苦ノ滝。左が登れるらしいが、今日はとてもそんな気分ではない。
左岸にある、明瞭な巻き道へ。
こんなの登れる気がしないですね。
今日の水量が多いのかどうか不明だが、少々多め?
固定ロープもまだあって、巻きは簡単。
ちょっと、日が差す時間があったが、殆どここでだけ・・・。
へつりながら、進むが、水が冷たく、腰までも浸かりたくないので、ペースは上がらない。
遂に、核心、山女魚淵。
過去にも冷たさに苦しめられた場所だ。
今回は巻けるのか左右うろうろしてみたが、とてもロープ出さないと降りられない。
持参のロープは短いので、これはまずい。
気は進まないが、ウェットスーツを上下着て、泳ぐことにした。
残置があり、1箇所目はいいとして、2箇所目何に使うの?と思う。
今回は、棚まで一気に泳いで這い上がった。
それでも、寒かった!!ウェットスーツなかったら、ぞっとする。
これを超えてしまえば、大きく濡れるようなところはないはず。
ヒメレンゲですか。ご褒美もらえた気分。
巨木と支流の滝。ここは、素敵!!
6mくらいでしょうか。美しさもあり、ここで小休止。
カメラをいちいち防水するのが面倒だが、右を突破する方が楽なので、ウェットスーツの恩恵を得て腰上の浸水で進む。
不動滝。何の難しさも無いが、上段はこの様子だと濡れること必至で、面倒に感じて右から巻いた。
新緑は綺麗で穏やか。癒し系となる。
地図では滝記号がある場所だが、何もない。
そして、右から御岳沢が出合う。
何も事前情報仕入れてこなかったので、どうでしょうか。
平凡な歩きを少しこなすと、右岸に、人工物!
どうやら、大常木林道が横切る場所らしい。
右岸には目印と踏跡が見えるが、左岸はいずこへ・・・?
御岳沢唯一の滝記号の場所も何もない。残念!!
歩きメインのようで、左岸を概ね進む。
ふと、下には滑滝。小さいので、わざわざ行くほどではない。
これも小滝。
やっと、滝らしき場所。
階段に近いので、濡れずに楽しく通過。
ふと、右岸側に、黄色の物体を発見。
エマージェンシーシート?に包まれたザック。中身はずっしり。
もしや、遭難!? でも、これだけ丁寧にデポされているのなら違うかな・・・。
辺りを気にすると、シカの頭蓋骨を発見!人でなくて良かった・・・。
倒木は多いが、滝は易しい。
直登可能で、全く難しくない。
連瀑らしい。時々、倒木も多いので、やれやれ。
左から適当に越える。ボルダリングをずっとサボっているので、乗り込みに違和感あるが、問題なく。
この滝を超えると、濃霧となる。
三俣のようになっている。本流は写真の右。
水が冷たく、風が少しあって、これまた寒い。
それに、どんどん視界が悪くなってくる。
コバイケイソウを発見した辺りで、伏流、水切れとなった。
暫くは、伏流で下に水が流れる音が聞こえていた。
もう、そうなると、花を見て楽しむしかない。
ガレで歩き難さはあるが、危険は無く、どんどん高度を上げる。
とても疲れる・・・。
もう少しで稜線というところで、笹が現れる。
丈は低くて、進むのに支障は無い。
登山道、到着!
予定通りの場所、飛竜山と前飛竜の間のコルに、無事に詰めあがった。
前飛竜は踏んでいるが、写真にないので、できれば向かおうと思っていたが、もう既に16時半であるため、割愛。
飛竜権現に向かって登る。霧雨となって、まつ毛にも水気を感じる。
ツツジは綺麗。
その先、シャクナゲはあったが、少し時期が遅い。
飛竜山も、2回踏んでいるので、今更・・・。トラバース道を進む。
禿岩。今日の展望がないことを確認した。
ここにもシャクナゲがあったが、少しやっぱり遅い。
と思ったら、見頃もあった♪
登山道沿いにも花が見られ、速度がぐっと落ちる。
足元の花も見ながら・・・。全力で楽しむ。
ここから、大常木山へ県境稜線を歩く。
踏跡、ばっちりだ。
こちらでも、ツツジとシャクナゲのコンビが先へ進ませてくれない♪
このツツジの花つきの良さときたら!!
イワカガミは、飛竜山のトラバース付近もあったが、この稜線にも見られた。
全く飽きない。
稜線上には、境界を示す意図なのか、木の杭が所々あった。
大常木山、着。意外に登りで消耗してしまった。
何も見えない。山頂標識は、KUMO標識!?
大常木山前後は、ちょっとした岩場にはなっているが、適当に進める。
もう、いっそ雨の方が楽なくらいの濃密な霧、霧雨。
1999m高点。ここもシャクナゲが繁茂する。
若干、北西に進むと、花も多かった。
アザミ窪を詰めてくると、こんな屈強なシャクナゲに当たるかもしれないのか・・・。
井戸沢なども含めて、継続で集中的に行きたいと思っているので、観察しつつ。
幽玄な景色で、非常に好み。こんな場所に身を置ける幸せ。
奥秩父には、雨や霧が似合うと思う。
大常木山からは、労力は少なく、問題なく、竜喰山へ。
二等三角点、点名『大常木』。
埼玉側には、ロープが張られていた。
時間も押しているので、様子を確認して将監峠へ向かう。
こちらも、目印あり、迷わない。
相変わらず、美しい・・・。
1883m高点。岩があるが、歩き難さはない。
見通し利かず、晴れていればどんな景色が見えるのか気になる。
北への稜線がずっと歩きやすいので、引き込まれないように県境を下る。
踏跡錯綜しており、何だかよく分からない。
踏跡の濃いものを辿っていくと、登山道に合流した。標識もある場所だった。
すぐに、将監峠。
暗さも相まって、カメラのピントを合わせるのも難しくなってきた。
ここから下山してもいいが、牛王院平を経由してからにした。
登って、分岐ピークから柵で囲われているのをずっと見ながら・・・。
流石に、牛王院平の座標が近くなると、柵を超えないと行けないのでは?と思い、途中から入ったが、その先も同じように柵が巡らされ、無駄な労力と時間を要した。
大人しく登山道をそのまま進んで、柵に沿って登れば、あっさり着いたのだった。
ここで、19時を優に回っていた。登山道に戻って、下山に専念する。
19時半程度で、ヘッドランプを使用し始めるが、霧雨に光が乱反射して、足元を見るには困らないが、視界はせいぜい10mだ。
雨の方が、まだ視野が利くと思う。
ペースも全く上がらず、足元とルートに注意しながら下る。
ふと、足を止めると、ツツジがあったり嬉しかった。
将監小屋からの道を合わせると、簡易林道らしき道になった。
この辺まで来ると、濃霧が薄れていて、地面も乾いているように見えた。
さて、三ノ瀬に下山して、まだ舗装路歩きが続く・・・。
集落の様子を観察しながら歩くのも、結構楽しい。既に、季節居住であり、限界を超えた集落という印象だ。ここもあと10年後、どうなっているのだろうか。
21時には到着したかったが、僅かに届かず。
目的は達成したので、十分満足した。
今シーズンは、埼玉側の、滝川や入川のエリアを楽しめればと思う。
大常木谷御岳沢 大常木山・竜喰山・牛王院平 / Argonさんの大常木山・牛王院平・竜喰山の活動データ | YAMAP / ヤマップ