今回も、飽きずに、八ヶ岳。
久しぶりのR君と共に。
今回は、赤岳を最高点として、赤岳沢を遡行、真教寺尾根を下って扇山と牛首山を回収する。
遡行する赤岳沢は、以前の日本百名谷に名を連ねていた沢でもあるから、期待ができそうだ。
県界尾根と真教寺尾根の登降では、小学生の私でも登っており、今更全く面白みは感じず、一捻り欲しかった。
美し森駐車場からスタート。
ここから山へのアプローチでは、山岳会で行った天狗尾根以来か。
林道を歩いていく。
今日は主稜線に出た時の天気も期待できそうだ。
南アルプスも良く見えた。
夏草は茂るが、気にするほどではない。
いよいよ、沢沿いに進むことになる。
堰堤は大きい。上の方の堰堤は、比較的新しい。
テープと岩のペイントでルートは明瞭。無かったとしても、全く問題なし。
おや、意外にもビランジがありますね♪ オオビランジではなさそう。
こちら、ソバナのようですね。イワシャジンっぽくはないような。
こんな岩屋が幾つもある。この付近に咲いていた。
ゴーロ歩きは面倒だが、これは良い。
堰堤を幾つか越えて、向かう先には・・・。あれは大天狗・・・?
ずっと伏流だったが、やっと水が出てくる。
柱状節理がいい感じ。
何度か沢を渡るが、増水していなければ、濡れずに済む。
まぁ、何とも。この対面には大きなケルンがあった。
出合小屋。内部にあるストーブは、現役で使えそうだ。
冬季はとてもありがたい存在だ。
僅かな距離で、赤岳沢出合。立派な標識があった。
まだ靴は履き替えずに進む。
赤岳沢に入ってしばらくは、退屈。
ふと、左に標識があった。何とご丁寧に・・・。
滝らしい滝がなくて退屈。
ゴーロ歩きじゃなくて、こういうのがもっと欲しい。
小滝だが、やっと出た。非常に整った滝ですね。
ここで小休止しつつ、沢靴へ履き替える。
ウォーミングアップというか、癒されるくらいだ。
束の間、またこんな様子になってしまう。
また滝も復活。水流右から左へと登る。左壁はフリクション勝負。
小滝が続く箇所。突っ張りで、水流を楽しく通過できる。
これも簡単だが、楽しい。
ぬめりは殆ど感じないので、余裕をもって進める。
いよいよ、赤岳沢にふさわしい景色になってきたか。
直登できそうな滝は、どんどん登る。これも水流右から越える。
すぐ上の滝。右を濡れながら登る。楽しい。
その更にすぐ上、これが大滝のようだ。登山体系では15m滝とされているものか。
下からでは、大した落差があるように見えなかったが、立派。
直登は右のクラックがいけそうな様子だった。
今回は、ハーネス等登攀具は全く持参しないので、見送り。あったとしても、かなり厳しそうだ。
滝壺は浅いが、虹が架かっていた。
左右どちらからも巻けそうだが、右岸が簡単そう。
と思ったが、少々緊張させられる箇所もあった。
R君には念のためお助け紐を出す。
落ち口から下を覗く。やっぱり、直登は厳しそうな感じ?
すこぶる快晴で、空が青い。そして、暑い。
ミヤマミミナグサのようだ。
ナデシコ科の花も、結構目立つ。
ホールドが細かい滝が多くなる。
この辺は、まだ余裕。
続く滝が楽しい。
振り返ると、結構上がってきたのが分かる。
携帯の電波も届くようになったので、念のため出先に済ませてきた仕事の野暮な連絡を済ませる。スムーズにいかない上、俗世にまみれた事柄を山に持ち込むのは非常に不快であった。
休憩は十分できたが、時間を無駄に食ってしまった・・・。
確か、この滝は少々苦戦。
右にピトンが刺さっていたが、そちらはどうにも惹かれない。
左にはアンカーが上にあるので、簡単かと思ったが、意外に悪い。
2回ほど偵察しながら見て、R君が左から突破。お見事。
滑りがあって、嫌なところ。お助け紐を念のため出してもらって、私も通過。
この辺から、特に、側壁が威圧感があって、滝もピリ辛なので、緊張する。
ホールドが、やはり細かい。そして、たまに崩壊する。
オブザベしっかりやらないと行き詰まりそう。
手に足多様し、フリーみたいなムーブで楽しい。
水が少なくなってくる。
CS滝っぽいのが出てきて、そこそこ登り応えある。
この辺だったと思うが、地図からは察せない二俣があって、右へ。
ここには、左の岩から冷たくてとても美味しい水が出いていた。
休憩して、500mLほどがぶ飲みして詰め替える。贅沢。
本流の水はというと、明らかに温く、またシカの骨が幾つもあって、論外。
ホールドが崩壊するところもあるので、慎重に進む。
それでも、自分が思っていたほどではなかった。
そして、今回の花のハイライトの2種。
オノエリンドウ。こちらは、そこそこ見られるらしいが、私は初めて見る。
ミヤマアケボノソウ。絶滅危惧種ⅠA類の種だ。
こちらも、お目にかかるのは初めてということもあって、強く惹きつけられた。
深い紫がかった星形の花は、近くで見ると特に素敵だ。
一般的な登山者レベルでは、このようなゴルジュに挟まれた場所に来ることなど、まず不可能だろう。そして、非常に分かりにくい場所に極僅かに咲いている。来られたところで無駄だと断っておく。
シカの骨は非常に多い。少なくとも沢装備してから、6頭分はある。
こうはなりたくないでしょう。
これが、私には一番の核心。CS滝。高さは5~6mほどか。
右に残置スリングが下がっている。
とんでもない大高巻きならともかく、登らないと突破できない。
残置スリングに左足を突っ込みアブミとし、一段上がる。
ザックとヘルメットが支えて狭苦しい。左右どちらも行けそうだが、左は岩を抱くような恰好になり、非常に高度感がある。右には潰れた残置ピトンがあったが、ホールドは今一つ。CSに更に詰まった岩を信用し切れなかった。意を決して左足ハイステップ決めて気合で突破した。
下で見るより悪かった。自分のお助け紐では下まで届かないため、ロープを下から投げてもらい、R君を確保。
登山大系しか見ておらず、3つあるCS滝のうちのどれが現在地か不明なので、不安も募る。
上の写真のCS滝にも一つCSがあったが、そちらは慣れて快適に通過した。
完全に水が枯れる。奥壁が見えてくる。どうやら、あとは詰めるだけのようだ。
少々安心するが、ボロイ奥壁が近づいてくると、落石とルートファインディングに気を抜けないなと思う。
振り返る。牛首山。帰る真教寺尾根。吸い込まれるような沢・・・。
タカネコウリンカ。見るのは初めてではないが、これも準絶滅危惧種だ。
イワオウギ。こちらは、しばしば見る。
ウサギギク。散る寸前。
シナノオトギリ。先日も見たばかりだけれど、また見られて嬉しい。
花は多いのだが、景色は残念。雲が上がってきてしまって、稜線でも展望はなさそうだ。
今日は一人ではないので、余り適当なことはできないし、ボロ壁に何だかなという印象と、明瞭な獣道を発見したこともあって、右寄りに沢を一本跨いで急な草付きを登る。
ハイマツもあるので、回避しつつ登って、9合目辺りの登山道に出た。
沢靴から履き替え、休憩する。結構、時間かかった。
あれだけ沢で休憩したり、写真撮ったり、遊んでいたので無理もない。
イワベンケイは、秋模様。
ミネウスユキソウは、沢山見られた。
チシマギキョウ。余り見られなかった。
よく整備されている鎖場を登っていく。
天狗尾根。上部は見栄えがする稜線。
そして、赤岳頂上へ。
一等三角点、点名そのまま『赤岳』。
展望は、やはり残念という他ない。
2日前に登った山々を見るのが楽しみだったのだが、これが限界だった。
他の登山者としばらく待っていたが、寒くなってきたのもあって下山する。
阿弥陀岳。あちらは、2回は行く予定だが、赤岳までの登りは憂鬱になりそうで、体力付けないとと思う。
ホシガラスがハイマツの実をついばんでいたのを撮ろうとしたが、逃げるシーンしか写真には収められず。
真教寺尾根を降りる箇所に、何かいるぞ・・・。
カモシカ。こんな上まで、そして登山道近くに登ってくるのですか。
僅か2mの距離。こちらを気にしている様子はあるが、無防備。食事に忙しいようだ。
写真の通り、草が口から出ていることからも、食いしん坊なのか。
大天狗。ちょっと、名残惜しい。
鎖場が続くが、サクサク下れる。
ともに、すっきりした尾根。右の牛首山へは、実際見ると結構登りそうに見えた。
ベニヒカゲを発見! 何とか写真に収める。
樹林帯に入ると、更に歩きやすい。
セリバシオガマ。僅かにあった。
扇山まで登りという印象は少なく、殆ど平坦といってもいいくらい。
古い標識が転がっている。
展望はないが、樹林が綺麗だ。
牛首山。三等三角点、点名『天狗岩』。
赤岳東の尾根3つには、天狗を冠する場所が複数ある。安易な印象をやや受ける。
山頂の一角には、木製ベンチとこの碑がある。明治30年代と彫られている。
ガスの中に突入。涼しくてありがたい。
崩壊地の脇を通過。ここは展望が欲しかった。
笹とカラマツ地帯は、天気のせいもあり、幻想的で良い。
賽の河原。自然とこうなったのか。小休止。
大門沢への標識があった。そちらへの道は、藪っぽく、マイナー臭がしていた。
マツムシソウ。盛夏が過ぎたことを感じさせる。
フジアザミ。花が大きく重そう。良く目立つ。
清里テラスは終了。どのみち、リフトなど使う気は毛頭ない。
ガスが濃くなる上、雨が落ちてきた。最後に降られるのは嫌だと、ペースアップ。
やや笹が被さるようになるが、支障は無い。雨だと、ぐっしょりになる道だ。
幸い、雨はそれ以上降らず。
羽衣の池。天女がここに羽衣を落としたと。
サワギキョウのようだ。ぱっと見、ハクサンチドリみたいに見えてしまった。
青く綺麗なイトトンボも気になった。花の右に写るが、逃げられてしまった。
中途半端な整備の道で歩きにくいが、その後は石畳で整備良好。
石畳の道が続き、サクサク。
美し森山は近年来たので、少々眺めるのみ。
二等三角点、点名『井出森』。
先ほどの石畳で作ったような大きな三角点。転がしてあるだけのように見える。
木道をそのまま歩いて、駐車場へ。
驚いた。自分以外の車は一台も無い。
着替えは人目を気にせずできた。
赤岳沢の途中汲んだ水がとても美味しく、担いだ水は手洗い用となった。
さて、こうして記録を書いてみると、今回は花見がメインだったと思う。
赤岳沢はアプローチは長めだが、内容は悪くない。
登攀力、特にボルダー力が無いと、かなり苦戦すると思う。
リハビリハイクのお蔭で、足の具合は良かったし、靴にインソールを入れたことで、靴も使えるレベルになった。
どうにか、そろそろ泊まりの沢にも行けそうかな・・・。
赤岳沢 赤岳(八ヶ岳)・扇山・牛首山・美し森山 / Argonさんの赤岳・美し森・牛首山(山梨県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
- コースタイム
美し森駐車場(6:10) → 出合小屋(7:55) → 大滝下(9:35) → 残置スリングのCS滝(11:55) → 真教寺尾根(13:45) → 赤岳(14:30) → 真教寺尾根分岐(14:55) → 扇山(16:15) → 牛首山(16:35) → 賽の河原(17:15) → 羽衣の池(17:45) → 美し森駐車場(18:10)