遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

赤岳沢 赤岳 扇山 牛首山

今回も、飽きずに、八ヶ岳

久しぶりのR君と共に。

今回は、赤岳を最高点として、赤岳沢を遡行、真教寺尾根を下って扇山と牛首山を回収する。

遡行する赤岳沢は、以前の日本百名谷に名を連ねていた沢でもあるから、期待ができそうだ。

県界尾根と真教寺尾根の登降では、小学生の私でも登っており、今更全く面白みは感じず、一捻り欲しかった。

美し森駐車場からスタート。

f:id:Argon:20210902111717j:plain

ここから山へのアプローチでは、山岳会で行った天狗尾根以来か。

林道を歩いていく。

f:id:Argon:20210902111721j:plain

今日は主稜線に出た時の天気も期待できそうだ。

南アルプスも良く見えた。

f:id:Argon:20210902111726j:plain

夏草は茂るが、気にするほどではない。

いよいよ、沢沿いに進むことになる。

f:id:Argon:20210902111730j:plain

堰堤は大きい。上の方の堰堤は、比較的新しい。

テープと岩のペイントでルートは明瞭。無かったとしても、全く問題なし。

f:id:Argon:20210902111734j:plain

おや、意外にもビランジがありますね♪ オオビランジではなさそう。

f:id:Argon:20210902111742j:plain

こちら、ソバナのようですね。イワシャジンっぽくはないような。

f:id:Argon:20210902111738j:plain

こんな岩屋が幾つもある。この付近に咲いていた。

ゴーロ歩きは面倒だが、これは良い。

f:id:Argon:20210902111747j:plain

堰堤を幾つか越えて、向かう先には・・・。あれは大天狗・・・?

ずっと伏流だったが、やっと水が出てくる。

f:id:Argon:20210902111752j:plain

柱状節理がいい感じ。

何度か沢を渡るが、増水していなければ、濡れずに済む。

f:id:Argon:20210902111756j:plain

まぁ、何とも。この対面には大きなケルンがあった。

f:id:Argon:20210902111800j:plain

出合小屋。内部にあるストーブは、現役で使えそうだ。

冬季はとてもありがたい存在だ。

f:id:Argon:20210902111804j:plain

僅かな距離で、赤岳沢出合。立派な標識があった。

まだ靴は履き替えずに進む。

赤岳沢に入ってしばらくは、退屈。

f:id:Argon:20210902111808j:plain

ふと、左に標識があった。何とご丁寧に・・・。

滝らしい滝がなくて退屈。

f:id:Argon:20210902111813j:plain

ゴーロ歩きじゃなくて、こういうのがもっと欲しい。

f:id:Argon:20210902111817j:plain

小滝だが、やっと出た。非常に整った滝ですね。

ここで小休止しつつ、沢靴へ履き替える。

f:id:Argon:20210902111821j:plain

ウォーミングアップというか、癒されるくらいだ。

f:id:Argon:20210902111826j:plain

束の間、またこんな様子になってしまう。

f:id:Argon:20210902111831j:plain

また滝も復活。水流右から左へと登る。左壁はフリクション勝負。

f:id:Argon:20210902111836j:plain

小滝が続く箇所。突っ張りで、水流を楽しく通過できる。

f:id:Argon:20210902111840j:plain

これも簡単だが、楽しい。

f:id:Argon:20210902111844j:plain

ぬめりは殆ど感じないので、余裕をもって進める。

f:id:Argon:20210902111848j:plain

いよいよ、赤岳沢にふさわしい景色になってきたか。

直登できそうな滝は、どんどん登る。これも水流右から越える。

f:id:Argon:20210902111852j:plain

すぐ上の滝。右を濡れながら登る。楽しい。

f:id:Argon:20210902111857j:plain

その更にすぐ上、これが大滝のようだ。登山体系では15m滝とされているものか。

下からでは、大した落差があるように見えなかったが、立派。

f:id:Argon:20210902111901j:plain

直登は右のクラックがいけそうな様子だった。

今回は、ハーネス等登攀具は全く持参しないので、見送り。あったとしても、かなり厳しそうだ。

滝壺は浅いが、虹が架かっていた。

左右どちらからも巻けそうだが、右岸が簡単そう。

と思ったが、少々緊張させられる箇所もあった。

R君には念のためお助け紐を出す。

f:id:Argon:20210902111905j:plain

落ち口から下を覗く。やっぱり、直登は厳しそうな感じ?

すこぶる快晴で、空が青い。そして、暑い。

f:id:Argon:20210902111909j:plain

アキノキリンソウクジャクチョウがいた。

f:id:Argon:20210902111913j:plain

ミヤマミミナグサのようだ。

ナデシコ科の花も、結構目立つ。

f:id:Argon:20210902111917j:plain

ホールドが細かい滝が多くなる。

この辺は、まだ余裕。

f:id:Argon:20210902111921j:plain

続く滝が楽しい。

振り返ると、結構上がってきたのが分かる。

携帯の電波も届くようになったので、念のため出先に済ませてきた仕事の野暮な連絡を済ませる。スムーズにいかない上、俗世にまみれた事柄を山に持ち込むのは非常に不快であった。

休憩は十分できたが、時間を無駄に食ってしまった・・・。

f:id:Argon:20210902111925j:plain

確か、この滝は少々苦戦。

右にピトンが刺さっていたが、そちらはどうにも惹かれない。

左にはアンカーが上にあるので、簡単かと思ったが、意外に悪い。

2回ほど偵察しながら見て、R君が左から突破。お見事。

滑りがあって、嫌なところ。お助け紐を念のため出してもらって、私も通過。

この辺から、特に、側壁が威圧感があって、滝もピリ辛なので、緊張する。

f:id:Argon:20210902111929j:plain

ホールドが、やはり細かい。そして、たまに崩壊する。

オブザベしっかりやらないと行き詰まりそう。

手に足多様し、フリーみたいなムーブで楽しい。

f:id:Argon:20210902111933j:plain

水が少なくなってくる。

CS滝っぽいのが出てきて、そこそこ登り応えある。

この辺だったと思うが、地図からは察せない二俣があって、右へ。

ここには、左の岩から冷たくてとても美味しい水が出いていた。

休憩して、500mLほどがぶ飲みして詰め替える。贅沢。

本流の水はというと、明らかに温く、またシカの骨が幾つもあって、論外。

f:id:Argon:20210902111938j:plain

ホールドが崩壊するところもあるので、慎重に進む。

それでも、自分が思っていたほどではなかった。

そして、今回の花のハイライトの2種。

f:id:Argon:20210902111946j:plain

オノエリンドウ。こちらは、そこそこ見られるらしいが、私は初めて見る。

f:id:Argon:20210902111942j:plain

ミヤマアケボノソウ。絶滅危惧種ⅠA類の種だ。

こちらも、お目にかかるのは初めてということもあって、強く惹きつけられた。

深い紫がかった星形の花は、近くで見ると特に素敵だ。

一般的な登山者レベルでは、このようなゴルジュに挟まれた場所に来ることなど、まず不可能だろう。そして、非常に分かりにくい場所に極僅かに咲いている。来られたところで無駄だと断っておく。

f:id:Argon:20210902111955j:plain

シカの骨は非常に多い。少なくとも沢装備してから、6頭分はある。

こうはなりたくないでしょう。

f:id:Argon:20210902111950j:plain

これが、私には一番の核心。CS滝。高さは5~6mほどか。

右に残置スリングが下がっている。

とんでもない大高巻きならともかく、登らないと突破できない。

残置スリングに左足を突っ込みアブミとし、一段上がる。

ザックとヘルメットが支えて狭苦しい。左右どちらも行けそうだが、左は岩を抱くような恰好になり、非常に高度感がある。右には潰れた残置ピトンがあったが、ホールドは今一つ。CSに更に詰まった岩を信用し切れなかった。意を決して左足ハイステップ決めて気合で突破した。

下で見るより悪かった。自分のお助け紐では下まで届かないため、ロープを下から投げてもらい、R君を確保。

登山大系しか見ておらず、3つあるCS滝のうちのどれが現在地か不明なので、不安も募る。

上の写真のCS滝にも一つCSがあったが、そちらは慣れて快適に通過した。

f:id:Argon:20210902112003j:plain

完全に水が枯れる。奥壁が見えてくる。どうやら、あとは詰めるだけのようだ。

少々安心するが、ボロイ奥壁が近づいてくると、落石とルートファインディングに気を抜けないなと思う。

f:id:Argon:20210902112010j:plain

振り返る。牛首山。帰る真教寺尾根。吸い込まれるような沢・・・。

f:id:Argon:20210902111959j:plain

タカネコウリンカ。見るのは初めてではないが、これも準絶滅危惧種だ。

f:id:Argon:20210902112014j:plain

イワオウギ。こちらは、しばしば見る。

f:id:Argon:20210902112006j:plain

ウサギギク。散る寸前。

f:id:Argon:20210902112018j:plain

シナノオトギリ。先日も見たばかりだけれど、また見られて嬉しい。

花は多いのだが、景色は残念。雲が上がってきてしまって、稜線でも展望はなさそうだ。

f:id:Argon:20210902112022j:plain

今日は一人ではないので、余り適当なことはできないし、ボロ壁に何だかなという印象と、明瞭な獣道を発見したこともあって、右寄りに沢を一本跨いで急な草付きを登る。

ハイマツもあるので、回避しつつ登って、9合目辺りの登山道に出た。

沢靴から履き替え、休憩する。結構、時間かかった。

あれだけ沢で休憩したり、写真撮ったり、遊んでいたので無理もない。

f:id:Argon:20210902112026j:plain

イワベンケイは、秋模様。

f:id:Argon:20210902112103j:plain

ミネウスユキソウは、沢山見られた。

f:id:Argon:20210902112050j:plain

チシマギキョウ。余り見られなかった。

よく整備されている鎖場を登っていく。

f:id:Argon:20210902112030j:plain

天狗尾根。上部は見栄えがする稜線。

そして、赤岳頂上へ。

f:id:Argon:20210902112034j:plain

一等三角点、点名そのまま『赤岳』。

展望は、やはり残念という他ない。

f:id:Argon:20210902112038j:plain

2日前に登った山々を見るのが楽しみだったのだが、これが限界だった。

他の登山者としばらく待っていたが、寒くなってきたのもあって下山する。

f:id:Argon:20210902112042j:plain

阿弥陀岳。あちらは、2回は行く予定だが、赤岳までの登りは憂鬱になりそうで、体力付けないとと思う。

f:id:Argon:20210902112046j:plain

ホシガラスがハイマツの実をついばんでいたのを撮ろうとしたが、逃げるシーンしか写真には収められず。
真教寺尾根を降りる箇所に、何かいるぞ・・・。

f:id:Argon:20210902112054j:plain

カモシカ。こんな上まで、そして登山道近くに登ってくるのですか。

僅か2mの距離。こちらを気にしている様子はあるが、無防備。食事に忙しいようだ。

写真の通り、草が口から出ていることからも、食いしん坊なのか。

f:id:Argon:20210902112058j:plain

大天狗。ちょっと、名残惜しい。

鎖場が続くが、サクサク下れる。

f:id:Argon:20210902112107j:plain

ともに、すっきりした尾根。右の牛首山へは、実際見ると結構登りそうに見えた。

f:id:Argon:20210902112111j:plain

ベニヒカゲを発見! 何とか写真に収める。

樹林帯に入ると、更に歩きやすい。

f:id:Argon:20210902112116j:plain

セリバシオガマ。僅かにあった。

扇山まで登りという印象は少なく、殆ど平坦といってもいいくらい。

f:id:Argon:20210902112120j:plain

古い標識が転がっている。

f:id:Argon:20210902112124j:plain

展望はないが、樹林が綺麗だ。

f:id:Argon:20210902112128j:plain

牛首山。三等三角点、点名『天狗岩』。

赤岳東の尾根3つには、天狗を冠する場所が複数ある。安易な印象をやや受ける。

f:id:Argon:20210902112133j:plain

山頂の一角には、木製ベンチとこの碑がある。明治30年代と彫られている。

ガスの中に突入。涼しくてありがたい。

f:id:Argon:20210902112138j:plain

崩壊地の脇を通過。ここは展望が欲しかった。

f:id:Argon:20210902112142j:plain

笹とカラマツ地帯は、天気のせいもあり、幻想的で良い。

f:id:Argon:20210902112146j:plain

賽の河原。自然とこうなったのか。小休止。

大門沢への標識があった。そちらへの道は、藪っぽく、マイナー臭がしていた。

f:id:Argon:20210902112151j:plain

マツムシソウ。盛夏が過ぎたことを感じさせる。

f:id:Argon:20210902112156j:plain

フジアザミ。花が大きく重そう。良く目立つ。

f:id:Argon:20210902112201j:plain

清里テラスは終了。どのみち、リフトなど使う気は毛頭ない。

ガスが濃くなる上、雨が落ちてきた。最後に降られるのは嫌だと、ペースアップ。

やや笹が被さるようになるが、支障は無い。雨だと、ぐっしょりになる道だ。

幸い、雨はそれ以上降らず。

f:id:Argon:20210902112205j:plain

羽衣の池。天女がここに羽衣を落としたと。

f:id:Argon:20210902112209j:plain

サワギキョウのようだ。ぱっと見、ハクサンチドリみたいに見えてしまった。

青く綺麗なイトトンボも気になった。花の右に写るが、逃げられてしまった。

中途半端な整備の道で歩きにくいが、その後は石畳で整備良好。

f:id:Argon:20210902112213j:plain

石畳の道が続き、サクサク。

美し森山は近年来たので、少々眺めるのみ。

f:id:Argon:20210902112217j:plain

二等三角点、点名『井出森』。

先ほどの石畳で作ったような大きな三角点。転がしてあるだけのように見える。

木道をそのまま歩いて、駐車場へ。

f:id:Argon:20210902112221j:plain

驚いた。自分以外の車は一台も無い。

着替えは人目を気にせずできた。

赤岳沢の途中汲んだ水がとても美味しく、担いだ水は手洗い用となった。

 

さて、こうして記録を書いてみると、今回は花見がメインだったと思う。

赤岳沢はアプローチは長めだが、内容は悪くない。

登攀力、特にボルダー力が無いと、かなり苦戦すると思う。

リハビリハイクのお蔭で、足の具合は良かったし、靴にインソールを入れたことで、靴も使えるレベルになった。

どうにか、そろそろ泊まりの沢にも行けそうかな・・・。

 

赤岳沢 赤岳(八ヶ岳)・扇山・牛首山・美し森山 / Argonさんの赤岳美し森牛首山(山梨県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
  • コースタイム

美し森駐車場(6:10) → 出合小屋(7:55) → 大滝下(9:35) → 残置スリングのCS滝(11:55) → 真教寺尾根(13:45) → 赤岳(14:30) → 真教寺尾根分岐(14:55) → 扇山(16:15) → 牛首山(16:35) → 賽の河原(17:15) → 羽衣の池(17:45) → 美し森駐車場(18:10)