遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

塩山 甲武信岳

家業の切羽詰まった感も薄れ、折り返しとなり、若干の余裕を得る。

朝の仕事後、ここぞとばかりに気晴らしに向かう。

目標は塩山(1999m)。

秩父の地図を見る度に気になっていた。主縦走路から外れており、年間、何人が訪れるのだろう。

笛吹川東沢→釜ノ沢→西俣→塩山→両門ノ頭→甲武信岳という予定。

長丁場になるので、鈍りに鈍った足には非常に強硬策といえる。夜行下山は必至。

加えて、最高気温も更新しようかという日に当たるなんて・・・。

さて、西沢渓谷の駐車場は平日なので、非常に少ない。

f:id:Argon:20210806130857j:plain

いつも同様に、花の写真を撮りながら向かう。

f:id:Argon:20210806130901j:plainここまで快晴だと清々しい。河原歩きでの照り返しに覚悟する。

東沢は過去に歩いているが、今回は気ままに写真をゆっくり撮れる。

旧登山道の名残は序盤しっかり残っており、普通の登山道とさほど変わらない。

f:id:Argon:20210806130905j:plainイワタバコ。これ以外に何が出てくるか。

f:id:Argon:20210806130909j:plain

右岸をトラバースしている。滝を見る。

f:id:Argon:20210806130913j:plain

何のレリーフでしょうか。

ホラの貝ゴルジュは死亡事故があったので、警告多数。

f:id:Argon:20210806130918j:plain

ホラの貝ゴルジュ。ウェットスーツ無しでは、とても挑む気にならない。

今日のような盛夏でも、中は冷気が籠っていることだろう。

f:id:Argon:20210806130922j:plain

上からも覗いてみる。

f:id:Argon:20210806130926j:plain

寒さに耐えられるかしら・・・。でも、楽しそう。いつかここだけでも。

f:id:Argon:20210806130930j:plain

古い標識発見。手間にも朽ちたものがあった。

その先、いつの間にか沢に下りたら、山の神も通過していたようだ。

f:id:Argon:20210806130933j:plain

洞門。標識がかかっていた。内部を通過してみる。

ボルダリングできそうか、右の大岩が気になる。

f:id:Argon:20210806130937j:plain

抜けた先にも、大きな岩。これも遊べそうだ。

f:id:Argon:20210806130942j:plain

ノリウツギとしては木が大きいので花が目立つ。たわわに。

f:id:Argon:20210806130946j:plain

乙女ノ沢。アイスならば・・・?

f:id:Argon:20210806130950j:plain

東のナメ沢が圧巻。下部を少し登ってみたが、ここはクライミングシューズが間違いない。

f:id:Argon:20210813134613j:plain

f:id:Argon:20210806130954j:plain

暑いが水色が綺麗で癒される。

f:id:Argon:20210806130958j:plain

太陽がギラギラ。これぞ、盛夏。

f:id:Argon:20210806131002j:plain

西のナメ沢ではない、もう一つ手前の沢。

f:id:Argon:20210806131006j:plain

こちらが西のナメ沢だった。傾斜は緩いがどうでしょうか。

これは、一応登りたいと思っている沢。

先行者パーティーを追い越す。

f:id:Argon:20210806131010j:plain

折角なので、滝の左を登ってみる。滑りそうで緊張した。

f:id:Argon:20210806131014j:plain

釜ノ沢出合には、赤いペンキで記載あり。すぐ上にはこのプレート。

そして、見所。

f:id:Argon:20210806131019j:plain

魚留滝。NDフィルター持ってきたので試す。明暗がきつくて難しい。

f:id:Argon:20210806131023j:plain

こちらの写真の方が見栄えがいい。季節感満点だ。

靴に入った砂利を取って休憩。

左から越えて・・・。

f:id:Argon:20210806131027j:plain

上部も滑。乾いた右側が安心して登っていける。

まだまだ、ここからも。

f:id:Argon:20210806131031j:plain

千畳ノナメ。悪くない。

どうしても、去年の沢上谷と比較すると可哀そうだが、十分に良い。

f:id:Argon:20210806131034j:plain

ラバー靴でも乾いたところか、水流を行けば大丈夫。

f:id:Argon:20210806131038j:plain

三段滝と標識があった気がする。左が楽だが、右も行けそう。

ドボンは御免なので、大人しく左を行く。

f:id:Argon:20210806131043j:plain

シモツケソウが巻き途中には多かった。

f:id:Argon:20210806131047j:plain

野猿滝。頑張れば、左行けるかも。ここも大人しく、左岸巻き。

f:id:Argon:20210806131051j:plain

f:id:Argon:20210806131055j:plain

花に癒されつつ。

f:id:Argon:20210806131059j:plain

東沢の白眉、両門ノ滝。西俣と東俣を分ける。

この空間を堪能する。

行先は、西俣。事前情報見てこなかったので、どちらから巻こうか思案。

f:id:Argon:20210806131103j:plain

滝の左は傾斜がきつそうだったので、東俣の滝上から適当に巻いた。

残置紐があったが、適当に下りられる。

f:id:Argon:20210806131107j:plain

雰囲気が違う。苔でぬめっていて、水流の岩が茶色く成分の影響か美しい感じを受けない。

f:id:Argon:20210806131111j:plain

左を歩いていると、残置ピトン発見。

濡れるだけだが、確かに滑りやすいから確保があってもいいのかも・・・。

滑が数十m続いて、5mほどの滑滝。

f:id:Argon:20210806131116j:plain

滑だけれど、余り惹かれない。

そろそろ、塩山を左に気にしながら、どこから行こうか・・・。

岩記号の右(北)の沢地形が本命。

f:id:Argon:20210806131120j:plain

ここがそれ。傾斜も大したことはないし、右に余裕で逃げられる様子。

樹林も密度は許容範囲で悪くない。ここを登ることに決定。

f:id:Argon:20210806131124j:plain

西俣は上部の方が綺麗に見えた。逃がした魚は大きい的な・・・?

一応、この支流で水を補給しておく。

下部は多少倒木が気になるが、上の方は間伐されているかのような状態だし、いい雰囲気。でも、シカの糞があちこちに散見され、先ほど汲んだ水は余り生で飲みたくないかも・・・。保険で。

f:id:Argon:20210806131128j:plain

これはしてやったり。塩山直下まで藪は皆無だった。

f:id:Argon:20210806131132j:plain

お目当て、塩山の山頂。

シャクナゲの密藪で、これまぁ何とも。

最高点付近を藪漕ぎしてみる。

f:id:Argon:20210806131136j:plain

これは、『激藪の隙間より』のS.K氏のものだ。いいものを見つけられた。

事前情報は今回仕入れていないので、主稜線までどうでしょうか。

さて、ここからが大変だった・・・。

密藪もこの辺だけと思いきや、屈強なシャクナゲ藪が立ちはだかる。

f:id:Argon:20210806131140j:plain

2~3分ほど先の場所から、国師岳辺りがよく見えた。

手前から、信州尾根、石塔尾根、天狗尾根でしょうか。

f:id:Argon:20210806131143j:plain

さて、行きますか。正面突破です。

体をシャクナゲの間に滑り込ませ、枝に乗り、かき分け・・・。

しかし、早速、藪で溺れかける。枝に乗って進む感じで、地に着かない場所も。

沢歩き最中は少しあった風が全く感じられない上、日まで照るので暑くてたまらない。

余りに進捗よろしくないので、東側のシャクナゲが薄そうな方へ避難。

f:id:Argon:20210806131148j:plain

これはいい。稜線上より、遥かにましだ。

獣道も薄っすらとあり、これを最大限利用することにする。

f:id:Argon:20210806131152j:plain

ザレの手間にあったマスタケ。群生していたのが、緑の中でひときわ目を惹いた。

1950m程度まで進むのに結構な労力を要した。

f:id:Argon:20210806131156j:plain

稜線に再度乗るも、変わらぬ景色。

マシな場所もあるだけに、ルート取りが難しい。

稜線の西寄りを行ったり、復帰したり、右往左往・・・。

f:id:Argon:20210806131159j:plain

ふと、足元に何か飛び出してくる。カエル!こんなところにいるのか。

ヤマアカガエルと思われるが、どうなんでしょう。

最早、左右どこを歩いても、大差無い。

稜線以外のシャクナゲ密度が低い場所を進むしかない。

いよいよ上部になると、藪が少なく、段違いに歩きやすくなる。古い赤テープも発見。

獣道で適当に縦走路に乗り上げることができた。

逆ルートの場合は、尾根が最初ばらけているので、少々分かり難い印象。

f:id:Argon:20210806131204j:plain

本当に、天国のような道に感じる。

さて、下山がまだまだ長いし、甲武信岳までアップダウンも少々ある・・・。

両門ノ頭の展望地まで行ってゆっくりすることに。

f:id:Argon:20210806131208j:plain

やっと富士山が見える! やっぱり、嬉しい。

登ってきた塩山尾根も眼下に。すっきりした綺麗な尾根に見えるのに、あのシャクナゲ藪はちょっと想像つかない。

f:id:Argon:20210806131212j:plain

ミヤマシャジンでしょうか。これまたご褒美。

藪漕ぎのお蔭で、ゴミだらけなので、休憩しつつ処理する。

縦走路は冬にしか歩いたことがないが、この時期も良い。

f:id:Argon:20210806131216j:plain

ハクサンシャクナゲの遅咲きがまだ残っていた。

f:id:Argon:20210806131220j:plain

ベニテングタケ。結構な頻度でお目にかかる。

f:id:Argon:20210806131224j:plain

やっと富士見。

また水師まで少し下って、登る・・・。疲れる。

f:id:Argon:20210806131228j:plain

でも、来て良かった。足に優しい道に加え、とにかく苔の絨毯がたまらない。

毛木平からの道を左から合わせて、最後の登りへ。

展望地がここまでもいくつか。

f:id:Argon:20210806131232j:plain

あともう少し。岩場が夕焼け。

やっと、到着。

夕暮れの景色をじっくり楽しむ。

f:id:Argon:20210806131245j:plain

f:id:Argon:20210806131236j:plain

浅間山四阿山の稜線。いい焼け具合。

f:id:Argon:20210806131241j:plain

御座山も負けていない。

そちらに目を奪われているうちに、夕焼けの富士山を撮り損なってしまった。

完全に日も落ちたので、いよいよ下山。微風で涼しくて助かる。

f:id:Argon:20210806131249j:plain

空の色が変わっていくのに思わず歩が止まる。

甲武信小屋はひっそりとしていた。さて、最後の核心、木賊山への登り・・・。

途中のザレ場で、恐らく最後の景色を楽しむ。

f:id:Argon:20210806131257j:plain

甲武信岳のシルエット。三角錐

f:id:Argon:20210806131301j:plain

金峰山もシルエットでよく分かる。

f:id:Argon:20210806131253j:plain

富士山も空の焼けとよく映える。

日頃の溜まった毒素が浄化されていくかのよう・・・。

f:id:Argon:20210806130849j:plain

木賊山。標柱は刷新されたようだ。

ずっと長い間、私はこれが一等三角点と思い込んでいたが、三等三角点だったんですね。点名『破風』。しかと覚えました。

水をケチっていたが、この涼しさなら持ちそう。

予定では、鶏冠山山頂で日没を迎える感覚だったので、2時間遅れくらい。

流石に、余り遅くなっても困るので、ヘッドライトを装着して、ぼちぼちと無難に戸渡尾根を下る。

岩がガラガラしていて、割と気を遣う。

一ヶ所、富士山が見えたのに慰められた。中腹にも明かりが見えた。

途中で、テント張っている方がいらした。休んでいる所、申し訳ないです・・・。

徳ちゃん新道分岐で、再度休憩。

f:id:Argon:20210806130853j:plain

高度が落ちて、気温も上がって暑くて困る。

ここからも意外と長いんだよね。

運動不足の体にはとっても堪えて、2回ほど小休止を挟んだ。

蛾が光に寄ってきて、何度顔に直撃したか・・・。休憩中はお祭りのように乱舞。

林道歩きでは、途中、ヌク沢で水浴び。

そして、星を見ながらこなした。

充実の一日でした。

もう少しハードな山行も出来るように精進します。

 

  • コースタイム

西沢渓谷駐車場(9:25) → 鶏冠谷出合(9:55) → ホラ貝のゴルジュ(10:15) → 洞門(10:40) → 乙女ノ沢(11:00) → 東ノナメ沢(11:15) → 西ノナメ沢(11:35) → 魚留滝(12:10) → 野猿ノ滝(12:35) → 両門ノ滝(13:00) → 西俣滝上(13:20) →  支流取付(13:30) → 塩山(14:25) → 縦走路(16:30) → 両門ノ頭(16:50) → 富士見(17:25) → 水師(17:55) → 甲武信岳(18:25-18:50) → 木賊山(19:15) → 徳ちゃん新道分岐(20:15) → 西沢山荘(21:40) → 西沢渓谷駐車場(22:10)

塩山・両門ノ頭・富士見・水師・甲武信ヶ岳・木賊山 / Argonさんの甲武信ヶ岳木賊山(山梨県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ