遠流日記

登山・滝見・バイク等、趣味日記  ★沢パートナー大募集!★

尾白川 北坊主沢 坊主山 甲斐駒ヶ岳 2日目

夜はひんやりしたが、合羽を着てゆっくり星を楽しんだ。

4時過ぎに眠気を殺して食事の準備。水はふんだんに使えるので、ありがたい。

そして、朝を迎える。この時間帯の急速な変化が大好きだ。

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雲の上からの太陽だが、これもまた一興。

こんな状況に身を置ける幸せを噛みしめる。

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ホテル坊主山はこんな様子だった。本当に快適。

名残惜しいが撤収。適度な枝があるので、マスリングを連結して物干しもしやすかった。

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もう来ることはないかもしれないので、この場をしっかり楽しんだ。

さて…、足の違和感は変わらず。痛みはそれほどではないので、行けそうだ。

ザッテルからトラバース気味に左手に登り、踏跡を辿る。

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折角なので、南坊主岩にも空身で向かう。

藪は大した感じではないが、岩も噛んでいるので、縫うような感じで進む。

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ここが南坊主岩の最高点だ。

何か人工的な物があるかと思ったが、全く無い。

本当に、この下に5.10代のルートがあるのだろうか。

戻って先を目指す。藪はそこまでではないものの、岩が何カ所もあって右往左往。

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ここ以外にも紫色のキノコがたくさんあった。オオウスムラサキフウセンタケ?

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基本的に稜線を行くが、岩の基部を歩いた方が、藪が少なそうな感じがする。

どっちにしろ、ザックに引っ掛かって進みは遅い。

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北アルプスが遠くに見えて嬉しい。見事なスカイライン

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鋸岳の稜線と、烏帽子岳も。暑いが何とか耐えられる。

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まだまだ稜線が遠いよぉ・・・。これは迷わず、右の滑滝沢源頭へと滑り込む必要がある。

先人の記録が無くても、こんなの絶対に正面突破なんてやる気にならない。

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この辺はハイマツが幅を利かせているが、踏み倒せてまだ楽。

その後、発狂するようなザックへの抵抗。

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やっとこさ歩きやすい地点に。こんな風だったら最高なんだけれど、行程中僅か。

この辺りから、獣道を利用して、右にトラバースを仕掛ける。

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藪が無いって、こんなに素敵な景色に見えるんだね!!

ちょっと登った先で、水も少なくなるので、ここでブランチ。

ガス使ってコーヒーも飲んじゃう。水は冷たくて美味しい。

ほぼ満タンにして、ガスが登ってきたのを契機に、再度登りにかかかる。

けれど、楽ができたのも束の間、いつの間にか藪の壁に突き当たった。

獣道が利用できるのだが、何せザックが引っ掛かって如何ともしがたい。

この回避行動がとても足に堪える。もう遅々として進まない。

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ああ、鳥はいいなぁ。私はこんな所も殆ど正面突破ですからね。

ナナカマドとハイマツの熱烈を超えて執拗なまでの歓迎を受けた。

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ガスが消えた最後の坊主尾根を見られて嬉しかった。

若干、ハイマツの高さが低くなって、やっと稜線!へとへと。

ガスで余り見えないのは残念。また休憩。

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ウラシマツツジはすっかり紅葉していた。

黄蓮谷の時は、樹木はもっと紅葉が進んでいたが、今年はまだ早い。

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僅かだったが、下界が覗けた。振り返った際に一枚。

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今年も参りました。甲斐駒様。

ここでも大休止。水をがぶ飲み。オレンジも1個食べちゃう!

今回はこだわって、食事にもフレッシュな野菜や果物を持ってきたのだ。

美味しさはひとしおだ。

足が攣れそうな感じはあったが、ほぼ無かったのは多少は効果があったか。

展望は残念ながら、摩利支天が見えるくらいで、北岳や仙丈、鳳凰といった近場も裾が見えるのみ。

明日は予備日で使えるんだけれど、足がこんな状態では気力ももう無い。

このまま黒戸尾根を下ることにした。

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実は綺麗な朱色。紅葉の方はまだ先か。

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見慣れた景色の有名スポット。

赤石沢の岩場へのルートなどちょっと観察しながら。

七丈小屋はテントも平日だが、何張か。小屋泊らしき人も何人かいた。

退職した暁には、一升瓶持ち上げて、小屋で贅沢な時間を過ごしたくもある。

藪漕ぎでの消耗が想像以上にあったので、階段がいちいち堪える。

五合目小屋跡で、再度大休止。

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今までここから沢は気にしたことがなかったが、あれは篠沢でしょうか。

宮ノ瀬、ツヅミ、坊主尾根も絡めて、興味が出てきた。

登り返しに体が拒否して現実逃避。黄蓮谷への踏跡をちょっと先まで。

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ロープは張られているが、そこからも明瞭な踏跡が続く。

これならヘッデン利用でも大丈夫そうだ。

もう、ここからは修行。

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見たことが無いキノコを撮ったりしながら、気を紛らわせる。

標高下げるにつれて、暑さで苦しむようになる。午前中3Lを汲んだのに、水の残量が不安になってきた。

平坦地は足に優しくて助かる。

笹平でヘッデン準備して、間も無く使用する。

沢の冷気の恩恵にあずかるまで、何度も水分補給。本当にオーバーヒートする。

神社に何とか下山。休むと汗冷えがして、今度は寒くなる。

ここで終わりではなく、駐車地点まで登り返し200mほどという絶望的な状況。

ザックを放置しても、また駐車場から5分程であっても、こんな所まで往復したくない。

登って10分もしない内に、また暑くてたまらなくなる。何度も何度も休みながら、まだかまだかと、林道に出るのを待ちわびて登る。

林道に出て、ザックを転がして車を取りに行く作戦にする。ここならば、車横づけで回収可能だ。

林道を2分歩いて、今度は汗冷え!最後で風邪引いたなんてお粗末な結果は御免なので、着替えに戻ってから車まで。

そして、ようやく終わった・・・。

神社から矢立岩登山口まで50分の標準タイムを一体どれほど上回ったのか。

それほどまでに足の具合は悪く暑さでも消耗し、たかが200m程度の登りに苦しんだ。

もう温泉にも行けない時間になってしまったので、自販機で炭酸飲料を買って、すぐに帰宅した。

ともあれ、目的は達成できて嬉しい。

技術的な面より、体力的・基礎的な要素が著しく欠けていた。

日帰りであれば、まだ誤魔化しもきく場合があるが、泊まりとなると全く話は別だ。

一から出直す気持ちで、また山を楽しみたいと思う。

 

  • コースタイム

坊主山(6:05) → 南坊主岩(6:30) → 沢(9:05) → 稜線(11:50) → 甲斐駒ヶ岳(12:55-13:25) → 七丈小屋(14:55) → 五合目小屋跡(15:25-15:50) → 竹宇・横手分岐(18:20) → 竹宇駒ヶ岳神社(19:35-19:50) → 矢立岩登山口(21:10)

 

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