我慢の限界となりそうなので、ガス抜きしに、念願だったキタダケソウを見に北岳へ。
芦安駐車場から乗合タクシーで広河原入り。
直近の駐車場にも余裕で駐車でき、ハイシーズンと比較するとガラガラと言っていいくらい。
バスは乗合タクシーに乗客を持っていかれて、不憫と言う他ない。
料金も同じで、バスより乗合タクシーの方が僅かではあるが時間短縮できるし、人が集まりさえすれば優位性は明らか。
さて、広河原から大樺沢を登っていく。
暑くて仕方が無い。ミヤマエンレイソウやツマトリソウなどに癒される。
登り始めは雲の中と思ったが、青空が広がる。
八本歯のコルに向かって雪渓を順調に登っていく。テープがついており、ルートファインディングは必要ない。
高度を上げ、右手にはバットレス。
落石の音が時々聞こえる。雪渓ではシュルンドも無ければ、落石以外に注意するものはない。
ガスに巻かれることもあるが、暑さが和らいでありがたいくらいだ。
結局アイゼンは使わずキックステップで登り切り、雪渓を離れる。
それしても、かなり体力を消耗した。体力低下は著しいようで愕然とした。
登り着いた先にはサルがいた。ここからは花を楽しむ。
お決まりのイワカガミ。
八本歯のコルに着くと、吊尾根の東にたくさんのハクサンイチゲ。
シナノキンバイも一部にある。花が大きくて見栄えがする。
他にチシマアマナもあった。
吊尾根分岐の途中、ツガザクラやキバナシャクナゲが多くなる。
分岐からトラバース道へ。いよいよ今回のハイライトととなる。
これが、今回の目的のキタダケソウ。
ハクサンイチゲとは一見して違いが分かる。凛としているのだ。
盛りは若干過ぎているが、十分に楽しめる。
なんとかナズナだが、生憎と葉の写真がなく、同定不能…。
クモマナズナだと思うのだが。
実は結構期待していた、ミヤマムラサキ。
『小さく、青い花の気品と気高さに登山者のファンが多いようだ。』と南アルプスNetのコメントにあったので、気になっていたが、なるほど青い花は素敵である。
この時期の青い花の筆頭といえば、このミヤマオダマキ。
そして、オヤマノエンドウ。
写真を撮るのに忙しい。
赤い花もまた目立つ。ミヤマシオガマ。
ただのタンポポではなく、ヤツガタケタンポポのようだ。
シロウマオウギと。
トラバースの半ば辺りまでが特にキタダケソウが多く、後半はやや花は少なめだ。
稜線に出る。
間ノ岳はガスでよく見えない。
北岳山荘の一分はまだ雪に覆われていた。
北岳山頂へ向かう。
ハハコヨモギに違いない。
ハクサンイチゲの色違い。
そして、山頂。ピークを踏むのは3回目。
大賑わいで展望も無いので、さっさと下る。
北岳肩の小屋付近は、テント場周辺を整備中のようだ。
小太郎尾根手前で、見事なミヤマキンバイの大株を見つける。
そして、シャクナゲが本当にたくさん咲いていた。
ハイマツと混在。
小太郎分岐で大休止。色々考える。
実に中途半端な時間で、最終バスであれば間ノ岳も往復できたかと思うが、時既に遅し。
かと言って、小太郎山を往復するのも、展望も無い上に十分花を楽しんだこともあり、魅力を感じない。
14時のバスに乗ることに決め、軽快に下る。
雨がポツポツ落ちてくるが、殆どすぐ止む。
稜線下からもまだまだ花がある。
ショウジョウバカマ。5月の笈ヶ岳で知って以来だ。
サンカヨウ。ベストな状態を見ることができた。
ミネザクラ。
サンリンソウもあった。
草すべりから見える対面した早川尾根の堰堤の痛々しさといったら無かったが…。
御池の残雪を踏んで、御池小屋を通過。
若干のアップダウンがあるので、はかどらず。
ゴゼンタチバナが現れる。かなり標高は落ちている。
だるくなった足に鞭を打って下る。
結局は少し余裕を持って広河原に着いた。
帰りも乗合タクシーで芦安駐車場まで戻る。
英気を養い、余韻を糧に暗くなるまで家業に精を出す…。
- コースタイム
広河原(6:35発) → 二股(8:05) → 八本歯のコル(9:25) → トラバース分岐(9:50) → 稜線(10:40) → 北岳頂上(11:20) → 北岳肩の小屋(11:40) → 小太郎分岐(12:05) → 御池小屋(12:40) → 広河原(13:45着)